
公開日 2026.03.10

海外で事業を営んでいると、情報収集や意思決定を身近な人の話に頼って行ってしまいがちです。特にタイのように日本人コミュニティや日系企業ネットワークが一定規模で存在する環境では、同業の日本人や社内業務をよく知るタイ人スタッフの意見が、経営判断の大きな拠り所になります。
しかし、中小企業の経営支援に携わっていると、こうした状況が原因で、知らず知らずのうちにリスクを抱え込んでいるケースをよく目にします。「他社もそうしていると聞いた」「昔からこのやり方でやってきた」「社内で確認したから問題ないと思った」と判断した結果、実際には制度や実務がすでに変わっていたり、理解が正確でなかったりすることがあります。
例えば、男性従業員が配偶者の出産を機に育児休暇を取得しようとした際、前例がないという理由だけで認めないとするなら、制度理解が十分でない可能性があります1。また、病欠を繰り返すタイ人従業員に対して「病欠をするなら有給休暇を取得せよ」と指導してしまうのも、その例と言えるでしょう2。
このようなことが起きる原因の一つが、情報源の偏りです。似た立場の人同士で共有される情報は共感しやすく、正しいと受け取られがちですが、現行の制度や貴社の実務に適合しているかは必ずしも検証されていません。
こうした「情報の内向き化」への対策として有効なのが、社外の第三者にも意識的に話を聞くことです。例えば、会計事務所や法律事務所などのプロフェッショナル・サービス・ファームは、多様な企業と継続的に関わる中で制度変更や実務の変化を把握しており、そうした視点を取り入れることで、自社の知識のタコツボ化を防ぐことができるとされています3。皆さんの会社では、日々の意思決定に「社外の視点」はどの程度含まれているでしょうか。
さて、本コラムはTHAIBIZの前身となる『ArayZ』2020年1月の連載開始以来、タイで事業を営む中小企業の皆さまに向けて、実務の現場で感じたことや気づきを共有してきましたが、今月号をもって一旦一区切りとさせていただくことになりました。筆者自身はこれからもタイで中小企業の経営に向き合い続けます。今後も皆さまのさらなるご活躍とご発展を、心より祈念しております。
【免責事項】 本稿は情報提供を目的としたものであり、本稿の使用にあたって発生したいかなる損害について、直接的・間接的問わず、発行元、代表者および本稿作成の関与者は一切の責任を負いません。また、本稿記載の内容は本稿作成時点における調査・法令・情報に基づいたものであり、本稿作成時点以降に発生した事象を反映しておらず、その責任も負わないものとします。

Biz Wings
CEO & Founder
倉地 準之輔 氏
監査法人、外資系企業勤務を経て2013年来タイ。2015年にBizWings (Thailand)Co., Ltd.を設立。在タイの複数公的機関でアドバイザーを務める。公認会計士(日本)。経営学博士(DBA)。
BizWings (Thailand) Co.,Ltd.
本業に集中しませんか? 管理業務のアウトソーシング全般対応します!
業務効率の向上・コスト削減・不正防止にも! 無料お試しプランあり
会計記帳 / 税務申告 / 給与計算 / ビザ&労働許可証申請 / 会社設立 / BOI申請 / 内部監査 / オンラインアシスタント / 支払代行 / 請求書発行代行 / システム入力支援 / 財務DD
様々な業務を経験豊富な日本人公認会計士とタイ人専門家により代行いたします!
Tel:02-077-9916
E-mail:contact@bizwings.co
680 Prom Ratchada Tower C, 1st Floor, Soi Nathong (Ratchadapisek 7), Din Daeng, Bangkok 10400
Website : http://www.bizwings.co

SHARE