カテゴリー: 食品・小売・サービス, イベント
公開日 2024.11.18
TJRIは9月26日、タイと日本の企業間の協業・新規事業の機会創出を目指す「TJRIビジネスミッション」で、レッドブルで知られるタイ飲料大手T.C. Pharmaceutical Industries(以下、TCPグループ)の創立68周年を記念した「TCPレガシーミュージアム」を訪問した。
TCPレガシーミュージアムには7つの体験型展示ゾーンがあり、同社の人事マネージャーを務めるピームポン氏による案内で館内を見学した。見学ではまず、同社の沿革を紹介する映像を視聴した。
同社は、1956年に医薬品のセールスマンであったチャリアオ・ユーウィッタヤー氏が製薬会社T.C. Pharmaceuticalを設立したのが始まりだという。その後、飲料市場にチャンスを見出し、エナジードリンクを開発したことが転機となった。2頭の赤い雄牛がぶつかり合う印象的なロゴが目印となり、「クラティンデーン(レッドブルの意)」というニックネームで人気を博した。
さらに1978年には「レッドブル」のブランド名の製品を製造・輸出する、T.C. Pharmaceutical Industriesを設立し、シンガポールに初めて輸出。その後、オーストリア人の実業家と共同でレッドブル社を設立し、世界中に販路を拡大していった。一方タイ国内の本家は、2017年に4つの子会社をTCPグループに統合し、国内外の事業成長を加速させている。
同社の製品は、①エナジードリンク ②機能性飲料 ③お茶・果汁飲料 ④スナックーの4つ製品群があり、今後はさらに革新的な商品を開発し、第5の製品群の販売を目指している。また、日本のDHCとの提携によるビタミンC飲料の「Hi×DHC」など、日本のノウハウを取り入れた商品も展開中である。
なお、同ミュージアムのあるプラチンブリ工場には、レッドブルやスポーツドリンクをはじめ、さまざまな商品を生産する9つの工場があり、生産ラインは約40、従業員は約2,000人を抱えている。
ピームポン氏は、今後の成長戦略について、「①新商品発売・開発推進で顧客ニーズを満たすこと ②サプライチェーンを通じた関係者やパートナーとともに成長を実現すること ③売上の一部を社会に還元し、社会活動に取り組むことーの3つが挙げられる」とした上で、持続可能性戦略としては以下の4項目を紹介した。
(1)商品の卓越性
(2)循環型経済
現在、商品包装はすべてリサイクル可能である。
(3)低炭素経済
2050年までにカーボン・ニュートラルを目指している。この目標を達成するために、工場では自動化システムの導入に取り組んでおり、すべての工場に太陽光発電システムを設置した。物流管理では、すべてのトラックで低炭素燃料を使用し、二酸化炭素排出量を削減するために輸送ルートを計画している。さらに、公害を減らすために工場内での従業員の移動はバイクの代わりに自転車の使用を決定した。
(4)水の管理
水は重要な原材料であり、社会プロジェクトを通じて、生産に使用した水の量よりも多くの水を社会に還元することを目指している。現在、河川や運河の保全、森林再生、コミュニティへの水管理促進など、水に関する500以上のプロジェクトを政府機関や大学、国際機関などと連携して実施している。また、2,000ライを超えるTCPグループの敷地のうち、500ライが事務所・工場用で、1,500ライが貯水用となっており、排水を外部に流さず、工場内で管理している。
本ミッションでは館内見学後に、Q&Aセッションや名刺交換、交流会が行われた。
THAIBIZ編集部
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