【第20回】ラオス、カンボジア編

ArayZ No.86 2019年2月発行

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【第20回】ラオス、カンボジア編

公開日 2019.02.21

タイ以外のメコン流域諸国(CLMVと呼ばれるカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)で流行しているモノやコト(内需の観点から)に加えて、注目の商品・サービスや投資案件、新制度の施行状況など、政治・経済・社会の話題を現地在住の専門家が発信するコラム。第20回目となる今回は、ラオスとカンボジアからレポートをお届けします。

ラオスにおけるコーラ戦争

ラオスではつい最近までほとんどコカ・コーラを見ることがありませんでした。その理由は、国内最大飲料メーカー「ビア・ラーオ社」がペプシコーラを生産していたため、輸入品のコカ・コーラの流通量は少なく、価格が高かったためです。

2015年にタイとラオスの合弁会社が東南アジア最後の参入地であるラオスでコカ・コーラの製造・国内販売を始めると、徐々に人気が高まり、今では両製品の勢力は拮抗しています。

ラオスでは飲料の卸・小売り事業者に物品税を課しています。ラオス政府は昨年末、国産・輸入を問わずビールに対して50%の物品税の徴収を徹底するよう通知を出しました。輸入品は、国境検問所で申告することになっていますが、国産の「ビアラーオ」は事業者からの徴収が不徹底だったためです。コーラなどの清涼飲料水は5%と税率が低いため、即税収アップにつながるビールを標的としたようです。

通知を受け、10円値上げした商店もあるようですが、「ビアラーオ」人気は全く衰えていません。


ラオ文字で「Coke」と表示。
ペプシもコカ・コーラも4,000キープ(約50円)


One Asia Lawyers ラオス事務所
内野里美
1979年生まれ、東京外国語大学ラオス語学科卒業。
2005年よりラオスにて日本のNGO、日本大使館勤務を経て2016年3月よりJBLメコンラオス事務所に常駐、現在に至る。
[email protected]
http://oneasia.legal/info

真の観光立国カンボジアに向けて

昨年カンボジア国内における国際空港の利用客数が初めて1,000万人を突破しました。首都のプノンペン国際空港が520万人、世界遺産アンコールワットがあるシェムリアップ国際空港が420万人、白い砂と青い海そして豊かな自然が色濃く残る港湾都市シアヌークビル国際空港が61万人という内訳です。

中でも一昨年の30万人から61万人と飛躍的に利用者が増えたシアヌークビル国際空港ですが、その理由は何でしょうか? タイランド湾にも面し、カンボジア唯一の大水深港であるシアヌークビル港を擁するシアヌークビル市は、中国企業並びに中国人の受け入れを積極的に行っており、現在市内は急激に「中国化」しています。

中国人投資家グループによれば、第2のマカオを作るという計画があり、それに準ずる形でカジノホテル、高級マンション、大規模商業施設などの建設が増加しています。経済成長は大変喜ばしいことですが、それと引き換えに美しい観光資源を失うような事にはならないで欲しいものです。


筆者が月に一度訪れているシアヌークビル
市にある孤島ロン島


MATES GLOBAL COMMUNICATIONS CO., LTD.
代表取締役 柳内 学
1975年生まれ、城西大学経済学部卒業。2007年、カンボジアにNGOの職員として赴任し、日本語学校の設立運営に従事。2009年、教え子と共に同社を設立。
現在はカンボジア人向け情報誌の発行事業を主に他事業を分社化、経営を多角化している。カンボジア在住10年。

[email protected]
https://chugapon.com
www.mateskh.com

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THAIBIZ編集部

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