【第17回】ミャンマー、ベトナム編

ArayZ No.80 2018年8月発行

ArayZ No.80 2018年8月発行タイの会計・税務 概観

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【第17回】ミャンマー、ベトナム編

公開日 2018.08.19

タイの周辺、メコン4ヵ国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)現地で流行しているモノやコト(内需チャンスの視点から)、最近増えている、または注目の投資業種や案件、新制度の決定や施行とその実情などの政治経済トピックを、現地在住の専門家よりお届けするコラム。
第17回となる今回は、ミャンマーとベトナムからのレポートです。

これまで外資による貿易・流通業は原則認められていなかったミャンマーですが、100%外資企業にも一定の要件で卸売・小売事業が許可されることになりました(2018年5月9日、商務省が発表)。

100%外資企業の場合、小売業に対しては300万米ドル以上の投資額、卸売業に対しては500万米ドル以上の投資額が必要となります。従来、販売で進出する場合は現地ローカル会社による代理店を通じての進出方法が中心でしたが、今後規模感のある会社は、外資で直接販売する方法を取ると考えられます。

また2018年8月1日に予定されている新会社法の施行に伴い、19年1月末までにDICA(Directorate of Investment and Company Administration、ミャンマーの登記事務所)へ会社・支店情報の再登録が必要となりました。会社については居住取締役、支店については居住オフィサーの登録が必要となります。居住の期間は1年間のうち、183日以上のミャンマー居住が求められますが、居住計算の開始は19年8月1日以降からと解されています。


DICA登録フォーム


Global Think Consulting
会計事務所(ミャンマー)
Managing Director
瀬戸山洋介

日本国公認会計士。2013年よりミャンマーで業務を開始。タイの会計事務所、Accounting Porter Co., Ltd.パートナーを兼任。​ミャンマーで20年の業務経験を持つ天野利彦氏を顧問に迎え、さらにミャンマー事業に注力中。ミャンマーのフリービジネス誌「MYbiz」のミャンマー側での企画運営を行い、タイからのミャンマー視察ツアーを適時開催している。
[email protected]
http://globalthink.jp

これまでは「チャイナプラスワン」として、製造現場としてのベトナムに魅力を感じて進出する企業が中心でしたが、近年では販売市場としてベトナムに注目が集まっています。

ベトナムは東南アジアでも有数の人口を抱え、国際通貨基金(IMF)の2017年の人口調査では、1位のインドネシア(約2.65億人) 、2位のフィリピン(約1.08億人)に次ぐ3位がベトナムの約9,400万人でした。そんなベトナムの消費市場で、現在成長が期待されている分野として「医薬品市場」があげられます。

2009年時点で17億ドル(約1,819億円)であった市場規模は、17年時点では約52億ドル(約5,564億円)と、たったの8年で3倍以上拡張しています。もちろん人口が増えた影響も考えられますが、GDPの成長が市場規模の拡大を後押ししています(1ドル=110円)。16年のIMFの発表によると、ベトナム国内で流通する医薬品のうち、国産の市場シェアはたった48%しかなく、ベトナムの医薬品市場の過半数を外国産(主にフランス、インド、韓国、ドイツ、スイスなど)が占めており、外資製薬会社に大きく依存している状況です。

医薬品だけではなく、今後、健康補助食品や介護など、ヘルス分野でのさらなる発展が期待できるベトナムにおいて、先進国の中でも長寿国として有名な日本の技術や製品は、今後ビジネスチャンスがある分野だと言えるのではないでしょうか。


AGSホーチミン事務所 財部 真奈美

大手総合商社や證券会社での金融取引の経験を経て、2016年よりベトナム・コンサルティング企業であるAGSに勤務。現地コンサルタントとして、代理店開拓・生産委託先探し・FS調査支援・外資規制調査・入国関係等の業務に幅広く従事し、日系企業に対する海外事業拡大や進出のアドバイス・支援を行っている。特に在ベトナム企業と在日企業のビジネスマッチング、市場調査、視察アテンドや商談会のコーディネート業務等に従事。また、ジェトロ・ホーチミン事務所におけるプラットフォーム事業コーディネーター、及び東京都中小企業機構公社が2018年に開設したベトナムサポートデスクの担当を兼務し、各種取引支援や情報提供の黒子役でもある。各種地方公共団体への情報提供や執筆も多い。

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THAIBIZ編集部

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