ArayZ No.103 2020年7月発行コロナで変化するM&A
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公開日 2020.07.10
世界は新型コロナウイルス(COVID-19)により変わりました。
ソーシャルディスタンスが政府からの要求事項に掲げられ、リモートワークや多様な働き方の採用が企業活動において重要視されています。
作業のデジタル化は以前より徐々に進行していましたが、COVID-19はそれを確実に加速させ、先行して取り組んでいた企業は危機発生時のレジリエンス(復元力)で他社をリードしています。
ロックダウンは技術的変革も後押しし、従来の価値観を覆す多様な働き方への移行は、企業と従業員、双方のニーズにより加速する可能性があります。
それがCOVID-19を経験した後、つまり急激に進行する〝New Normal〟への対応として、働き方に着目するべき理由となります。
New Normalにおける働き方とはどのようなものでしょうか。どこで(Where)、どのように(How)働くのかという観点で整理してみると、単に従来型のオフィスへ出社しないという形式に限らず、多様な組み合わせが考えられます。
そして、それらを実現可能とすることにより、初期投資を除けば、中長期的なコストの効率性や、生産性向上が期待されることが分かります。
つまり、働き方を改革することは、雇用主と従業員の双方に大きな価値をもたらし、企業の持続可能性を実現するリソースの確保に大きく貢献する取り組みと言えるのではないでしょうか(図表1)。
まず「Where」の観点で職種による違いを図表2で整理しています。働く場所は①会社のオフィス、②バーチャルオフィス(自宅やその他あらゆる場所)、③コワーキングオフィスの3つを想定し、また、職種による違いとして、個人ワーカー・チームワーカー、静的・動的の軸でオフィスにいる目標割合を示しています。
分かりやすい例では、営業のような働き方であればオフィスにいる割合は小さく、他と協働するケースが多いエンジニア等の職種はオフィスへの依存が高くなります。つまり、業種や職種により期待されるバランスが異なり、個社毎に最適解を求める必要があるという事です。
次に多様な働き方を実践する「How」について、①ツール・テクノロジー、②業務プロセス・コミュニケーション、③組織・文化の観点で図表3に整理しています。
タイにおいても、日本本社の方針に則り①ツール・テクノロジーを導入し、リモートワークを実践されている企業も多いことと思われます。
一方で、新しい働き方を一時的な取り組みとして、それに見合う業務プロセスやコミュニケーション関連のガイドライン制定、サイバーセキュリティ強化、人事・評価体系、組織文化の検討までは手をつけておらず、対症療法に留まるケースが多いのが実情ではないでしょうか。
COVID-19に限らず、急激かつ予測不可能な環境変化に対応する柔軟性を備え、企業と従業員双方がWin&Winの関係を持つ、そんな魅力ある企業の姿をNew Normalにおける働き方として実践してみせることは、企業のサステナビリティを向上させる重要なドライバーであると考えます。
WhereとHowの切り口で、今一度New Normalにおける働き方についてどのように取り組むべきか、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
免責事項:本稿は、一般的な情報の提供を目的としたもので、専門コンサルティング・アドバイスとしてご利用頂くことを目的としたものではありません。情報の内容は法令・経済情勢等の変化により変更されることがありますのでご了承下さい。
PwC Thailand Japanese Business Desk
コンサルティング部門 マネジャー
森 厚之
日系損害保険会社(企業商品開発部門)、総合コンサルティングファーム(保険部門)を経て現職。これまで、保険・自動車業界、官公庁を中心にテレマティクス・MaaS等のデジタル、モビリティ、ファイナンス周辺の経営戦略・M&A、サイバーセキュリティ等のテーマおよび東南アジアにおけるクロスボーダー案件を数多く経験。2020年8月よりPwC Thailandに赴任。
E-mail : [email protected]
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THAIBIZ編集部
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