カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2020.09.10
前編では、バンコクのスクンビットエリアとシーロムエリアにある空き物件の調査結果をお伝えしました。調査結果から、新型コロナウイルスによる経済状況の悪化も後押しし、バンコク市内には空き物件が非常に多い状況だと確認できました。空き物件を見つけたとしても、“自社オフィスとして利用する”という想像はなかなかし難いと思います。
そこで今回は、バンコク市内で見つけた空き物件を、オフィスとしてどのように利用可能かをご紹介致します。
バンコク市内に多く存在するタウンハウス型の物件の特徴として、「築年数が古い」「1フロア当たりのサイズが40㎡ほどと小さい」などが挙げられます。オフィスビルと比べ、ローカル色が強く、見た目が良くないため、オフィスとしての活用は考えにくいかもしれません。
しかしながら、タウンハウス型の物件は賃料がオフィスビルよりも比較的安価で、ランニングコストを抑えることができます。削減できたコストをリノベーション費用へと割り充てることで見た目の悪さも解消できます。
バンコク市内にあるオフィスビル低層階のリテール(小売)エリアにショールーム兼オフィスを置くことを検討する企業は多いです。オフィスビルは低層階をリテールエリア、中・上層階をオフィスエリアに区分しており、一般的に低層階の物件は中・上層階の物件に比べ、家賃は高額となります。人目の多い1階、または2階にショールームを設けることを希望しますが、もちろん商業エリアの1階・2階は激戦区で高賃料というデメリットがあります。
賃料を抑えるためリテールエリアを避け上層階にオフィスを設けた場合、人目に触れない上に、セキュリティーが厳重なオフィスビルが多く、ショールームへの誘導が容易ではない、といった本末転等な事態が発生してしまいます。
さらに重機や薬品などは、オフィス物件によっては規定が厳しいため、ビル内に保管を許さない場合があります。タウンハウス型であればそういった規定に縛られることもなく、自由に保管・展示が可能なこともメリットとして挙げることができます。
バンコクの大通りから閑静なソイへ一歩入ると、一軒家型タイプの物件は比較的簡単に見つけられます。しかしながら大通りに面してない物件も多く目立たないため、オフィスとしての活用は考えにくいかもしれません。
ところが、土地を含めて物件を購入することで毎月掛かる賃料がなくなります。また、契約更新ごとに上昇するバンコクオフィスビルの賃料価格に左右されずに済みます。
他にも、一軒家オフィスならではのメリットも存在します。例えば、バンコク市内で食品/薬品関連企業がオフィスを探す際、商品の試食や研究開発のためのキッチンスペースの確保や薬品保管が可能な物件を探しますが、これらの設置を認めないオフィスビルがほとんどです。
駐車スペースの少なさも、一般のオフィスビルによくある問題です。通常のオフィスビルの場合、物件サイズ100㎡につき1台分の駐車スペースが無料となりますが、追加費用は1台当たり2,000〜3,000バーツ/月となり、決して安くはありません。社用車の多い企業や車で出勤する従業員の多い企業の場合、駐車スペースの確保に難航することも多いですが、一軒家なら庭を駐車スペースとして活用、もしくは拡張工事を行うなどカスタマイズ次第で調整可能です。
他にも、空調の稼働時間に縛られることなく事業運用が可能、土地付きであれば将来の地価上昇の際に利益を生む可能性もメリットとして挙げられます。
THAIBIZ編集部
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