もう悩まない!人材採用&育成のコツを解説  Vol.25 タイ人事相談室

ArayZ No.91 2019年7月発行

ArayZ No.91 2019年7月発行離陸したタイ航空機関連産業

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もう悩まない!人材採用&育成のコツを解説 Vol.25 タイ人事相談室

公開日 2019.07.09

タイで人材紹介業に携わり、丸10年が経ちました。その間、様々な方々のキャリア相談を承ってきました。その中で、個人の力がより求められるこれからの時代に生き残り、市場から求め続けられる人材に共通点が存在していることに気づきました。特に海外でキャリアを積む上で意識して頂きたいことは、①人としての在り方②思考③コミュニケーション。今回は②のサバイバル人材が持つ思考について解説していきます。

サバイバル人材が持つ思考(中編)

 海外で仕事をしている方は外国人として、異文化の中で異国人と母国語ではない言語でコミュニケーションをしなければなりません。今まで日本で常識として教わってきたことが覆される現実に直面します。従って、常識を疑い、多様な意見を聞き入れるのと同時に、良い部分を吸収し、柔軟に対応しながら行動をすることが日々求められます。

 特に管理職として部下のマネジメントを担う場合は、日本の「当たり前」を押し付けるだけでは部下からの理解や信頼を得られず、苦労する方も多くいらっしゃると思います。私がタイでご一緒にお仕事をさせていただいてきた日本人経営者の中には、タイだけでなく中国や他の東南アジア諸国、中には欧米諸国で苦労する経験を積まれてきた方も多くいらっしゃいました。その中で、その土地の文化や習慣に敬意を払うと同時に、強い好奇心を抱き、現地に溶け込もうと意識して言動や行動に気を付けている方が、現地スタッフに受け入れられ、尊敬されているように見受けられます。

 アジア諸国や米国などでの海外勤務が長く、現在は日本本社の代表にご栄転されたある大先輩がいます。ご多忙の中、タイの工場に滞在する際は、キーパーソンであるタイ人のマネジメント層だけではなく、ワーカー層にも積極的に声をかけていらっしゃいました。タイ人のゼネラルマネージャーなど組織の要になる人物には権限を与え、現地スタッフの代表としての意見を積極的に聞き入れ、経営者としての意思決定に役立てていました。タイでの事業成功のカギは、彼らとの信頼関係であることを明言され、実行されていました。

 タイ法人のトップと本社役員を兼任しながら過去の実績やプライドにしがみつくことなく、部下の意見を尊重し、常にすべての事柄から学ぶ姿勢を持っていた方なので、多くの方に慕われ支えられたのだと思います。組織人としてだけではなく個人としてもトップを常に走り続けている大先輩にいかなる国・環境の中でも勝ち残っていくための秘訣をお伺いした際、「志を高く持ち、実現するために行動する勇気を持つことが大切だ」とおっしゃっていました。

現在は本社の代表として全海外法人のトップに立つ立場にあって、個性を生かして自分自身にしかできないことを常に意識し行動しているようです。社内外で競合するのではなく、「オンリーワン&ナンバーワン」を目指しているからこそ、いかなる環境・境遇でも生き延びて、第一線で成功されているのだと思います。

(9月号に続く)

 


下川ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための採用支援を得意とし尽力している。

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THAIBIZ編集部

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