ArayZ No.81 2018年9月発行変化を遂げるASEAN~優位性と課題を探る
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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2018.09.25
本誌9月号が発行される9月10日、筆者は全国住宅産業協会が東京で開催するタイ不動産セミナーで講演予定だ。有難いことに筆者の著書やブログが評価され、講師として呼んで頂けることになった。実は、昨年11月にも関西住宅産業協会の招待でタイ不動産セミナーの講師をさせて頂いた。
その時のテーマが「スーパーラグジュアリー・コンドミニアム、アシュトンアソークの投売りを買う」であった。当時、竣工が近づき、住宅ローン審査に落ちたり転売目的で買って失敗した連中が焦って投売りを始めていた。筆者はそれを仲介業者を介さず売主から直接買い叩くという戦略を立て、セミナーを開いたのである。その後、アシュトンアソークは引渡しが半年も遅れる想定外のトラブルがあったものの、無事、引渡しが終わった。
従って、そのセミナーに参加し、筆者をリテインド・エージェント(買主側代理人)として一任勘定で任せてくれたクライアントに対しても、責任を全うできてほっとしている。その一人は、レアユニットである40階以上の高層階角部屋、2ベッドルームを安く買え、今は100万バーツ以上値上りした上に早速入居者も決まり、CBD(中心部ビジネス街)の超一等地でありながら5%以上の高利回り運用に満足して頂いている。
ちなみに、この大阪セミナーと時期を同じくし、本誌2017年11月号でも「第18回 久しぶりのチャンス、アシュトンアソークの投売りを狙え!」と題して、バンコクの読者にも同じことを伝えたつもりだ。そしてもし、その記事を読んでアシュトンの投売りを買い叩きできた人がいれば、決して損な買い物はしていないはずである。
さて、今回の日本セミナーの話に戻る。本誌前月号で「第28回スクムビットライン南部延伸線は買い場が到来?」と題して、このところ南部延伸線沿線の新規供給が落ち着いていることから、今後注目すべきと予告した。デベロッパーにとっては続々と新規供給できるラーマ9駅からやラチャダーピセーク駅にかけては有望ロケーションだ。しかし、供給過剰リスクは不動産投資にとって最大の敵でもある。これは常にデベロップメントパイプライン(将来の新規供給予定)を投資判断材料として重視する機関投資家の常識でもあり、その点、スクムビットライン南部方面沿線の方が投資に適していると筆者は考える。
そこで、今回のセミナーではオンヌット以遠のミッドタウン、サブアーバン(郊外)市場に関し、その将来性と問題点について話す。というのも、オンヌット駅前のコンドミニアムは既にタイ人アッパーミドルクラスの手に届かなくなっていて、彼らの購入対象は駅から離れたオンヌット通り、そして次の駅のバンジャークからウドムスクへとシフトしつつあるからであり、同時に欧米企業やそのエクスパット(外国人居住者)も増えてきているからだ。
さらに、今回はパタヤの大手デベロッパーにも来日してもらい、これからのパタヤ市場について話す。パタヤは、以前はロシア人購入者が多かったが、ルーブル危機以降、大量のキャンセルが出て長期間市場低迷が続いた。それもあって筆者も今までパタヤ市場を取り上げるのは敬遠してきたが、今は明らかに活気が戻ってきている。そのきっかけの一つは中国人バイヤーの急増であり、市場の主役交代が起こると同時に需給も急回復してきているのだ。
筆者も先日、現地視察に行ってきたが、3、4年前までは魅力に乏しかったジョムティエンビーチが随分賑やかになってきている。そして、パタヤでまとまったビーチフロントの土地が入手できるのは、多分、もうここしかない。従って、あと5年もするとノースパタヤのような高級ビーチリゾートとして様変わりする可能性も高い。
そこで、今回はバンコク、そしてその奥座敷ともいえるパタヤで、これから投資としても面白くなりそうなエリアを紹介するつもりだ。
藤澤 慎二
前職はドイツ銀行の国際不動産投資ファンド、RREEFのシニア・アセットマネジャーで米国公認会計士。現在はバンコクに在住し、自身のブログ「バンコクコンドミニアム物語」(http://condostory.blog.jp)で、バンコクの不動産マーケット情報を発信している。
連絡先:087-481-9709
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THAIBIZ編集部
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