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公開日 2026.10.22
9月下旬にタイで発生した豪雨による洪水は、首都バンコクをはじめ各地で道路の冠水や建物の浸水などの被害を引き起こした。NNAはタイの日系企業に対し、事業への影響や講じた対策を尋ねる緊急アンケートを実施。「影響があった」と答えた企業は約7割に上った。物的被害があった企業は1割余りにとどまったものの、従業員の出社困難や物流の混乱が目立った。損失額は地域別では東部、業態別では製造業で比較的高い傾向が出た。

NNAは在タイ日系企業を対象に、10月1~6日にアンケートを実施し、有効回答件数は380件となった。主要拠点の所在地はバンコクが147件、中部(サムットプラカン県、パトゥムタニ県、アユタヤ県)が91件、東部(チョンブリ県、チャチュンサオ県、ラヨーン県、プラチンブリ県)が129件、その他地域が13件。業態別では製造業が212件、非製造業が157件、その他が11件だった。
タイでの企業活動(操業・物流・調達など)への影響を尋ねたところ、「影響が現在も続いている」が38.4%で最多。「影響が出たが、現在は解消した」が30.8%で続いた。合計すると69.2%が何らかの影響を受けた。「影響はない」は30.3%だった。地域別にみると、東部で「影響が現在も続いている」とした企業が44.2%と、他地域よりも高かった。

影響の内容では「従業員の出社困難」が最多で74.0%。続いて「物流の混乱(配送遅延・通行困難など)」が41.5%で続いた。「取引先の操業停止や休業による影響」(25.3%)、「原材料・部品の調達遅延」(23.4%)、「操業停止、稼働率低下、営業休止・時間短縮」「顧客への納品遅延」(各21.9%)という回答も多かった。その他の回答の中には「空輸便の遅延」「タイ航空の混乱による輸出入貨物の荷役遅延や停止」といった空運への影響のほか、顧客の支払い遅延への対応や、被災した顧客への納入設備の復旧支援を挙げるものがあった。

物的被害は1割
一方で、オフィス・工場・倉庫・店舗・敷地・設備などについて、「被害があった」と答えたのは11.8%にとどまった。「被害がなかった」が88.2%だった。地域別では東部で「被害があった」が20.9%に上った。
物的被害があった企業のうち、被災箇所は「工場」が46.5%で最多。「倉庫」「敷地・駐車場」が各39.5%、「オフィス」が27.9%、「生産設備」が20.9%だった。「その他」では、建設現場の被災を挙げる回答も複数あった。


損失額、東部・製造業で高め

今回の洪水による直接・間接の損失額を尋ねたところ、「ない、ほぼない」が44.7%で最多だった。「10万バーツ(約47万円)未満」は22.4%、「10万~100万バーツ未満」は12.9%、「100万~1,000万バーツ未満」は4.5%。「1,000万バーツ以上」とする回答も0.8%あった。「現時点では算定できない」とする回答は14.7%だった。

地域別では、比較的高額な損失が東部で目立った。100万バーツ以上の損失を見込む企業は東部で8.5%となり、バンコクの3.4%、中部の4.4%を上回った。
損失額をさらに都県別でみると、バンコクに次いで回答数の多かったチョンブリでは、100万バーツ以上の損失を見込む企業が11.3%に上った。
損失額を業務形態別にみると、製造業の方が非製造業よりもやや高くなる傾向が出た。100万バーツ以上の損失を見込む企業は、製造業で7.1%、非製造業で3.2%となった。



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