【ミャンマー】取締役住所・会社登録事務所の実在性担保に関する告知

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【ミャンマー】取締役住所・会社登録事務所の実在性担保に関する告知

公開日 2025.10.03

DICA(Directorate of Investment and Company Administration)は、2025年8月20日、ミャンマー会社法141条に基づく登録事務所(Registered Office)の変更届出義務および会社設立後2か月以内の提出が必要な年次報告書(Annual Return)において、取締役住所・会社登録事務所の実在性を担保する添付資料の提出をあらためて周知するとともに、違反が判明した場合、罰金その他の措置が科され得る旨を告知しています。

本稿では、DICAの告知本文(日本語翻訳文)を掲げたうえで、実務上の要点について解説します。

DICAの告知本文

1. ミャンマー会社法141条(a)に基づき、会社は設立日から、会社宛の連絡・通知等を受領するため登録事務所を設けておかなければならない。登録事務所を変更した場合は、ミャンマー会社法141条(c)に従い、変更前に新しい住所について登記官へ届出を行う必要がある。

2. 電子登記(MyCO)に提出された会社の登録事務所住所がミャンマー国内に実在するよう担保するため、会社設立後2か月以内に提出すべき年次報告書(Annual Return)の提出時に、以下の資料を添付する旨を既に告知している。

3. 以上につき、会社・取締役・会社関係者はミャンマー会社法141条を厳格に遵守しなければならない。遵守していない事実が登記官の調査または第三者からの通報により判明した場合、法令で定める罰金の賦課およびその他の措置を講じる旨、通知する。

実務上の要点

告知の第2項については、会社設立後2か月以内に提出すべき年次報告書の内容(以下「2023年告知」という。)を改めて周知する内容となっています。

本告知は、以下の通り、2023年告知の再周知に加え、ミャンマー会社法141条に基づく登録事務所変更の事前届出を求める内容です。

(a)設立後2か月以内の年次報告書提出時に以下の書類を添付しなければなりません。

・取締役住所の居住実態を示す警察/区(ワード)行政官の推薦書(レコメンデーションレター)および

・会社登録事務所の実在性を示す同推薦書(レコメンデーションレター)

(b)また、登録事務所の変更がある場合は「変更前」に、ミャンマー会社法141条(c)に従い登記官へ届出をしなければなりません。

すでに初回の年次報告書を提出済の会社においては、登録事務所を変更する際は「変更前に」届け出をすることに注意が必要となる告知となります。

今後の動向

本告知は、初回の年次報告に関する通知を改めて周知する内容となりますが、将来的に毎年の年次報告にも「居住取締役がミャンマーに居住していることを証明する書類」および「登記された会社住所が事業に使用されていることを証明する書類」の提出が要求される可能性があるため、この点について今後の動向に注意が必要となります。

特に日本人の取締役は、Form Cを常に最新に保つことが推奨されます。

One Asia Lawyers パートナー弁護士 (日本法)
ミャンマー拠点代表

佐野 和樹 氏

2013年よりタイで、主に進出支援・登記申請代行・リーガルサポート等を行うM&A Advisory Co., Ltd.で3年間勤務。2016年よりOne Asia Lawyers設立時に参画し、ミャンマー事務所・マレーシア事務所にて執務を行う。2019年にミャンマー人と結婚。現在はミャンマーに居住し、アジア法務全般のアドバイスを提供している。

One Asia Lawyers

One Asia Lawyers Groupは、東南アジア・インドの法律に関するアドバイスを、アジア各国のネットワークを基礎として、シームレスに、ワン・ストップで提供するために設立された法律事務所です。

Website : https://oneasia.legal/office/thailand

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