カテゴリー: スタートアップ
連載: 日系スタートアップ
公開日 2022.07.12
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタイ地理情報宇宙技術開発機関(GISTDA)が6月28日に開催した「日タイ宇宙ビジネスウェビナー・マッチングイベント」では宇宙ビジネスを手掛けるスタートアップが日本から4社、タイから2社が登壇し、ビジネス連携を呼びかけるプレゼンテーションを行った。そこで今回から6社の事業内容を1社ずつ紹介していくこととし、1回目は衛星打ち上げなど宇宙輸送サービスを手掛けるSpace BDの報告だ。
会社名のBDは「Business Development」の略で、宇宙の産業化とその拡大を念頭に置いています。そして緋色のマークは、「人」の文字を三つ重ねたもので、事業を「お客様」「事業パートナー」「私たちSpace BD」が支え、そして上昇する形を表現しています。
会社設立は約5年前の2017年9月で、社員数は現在約50人。そのうちエンジニアは15人ほどです。主要事業は打ち上げサービス、宇宙に物を持っていくという輸送事業で、これは宇宙ビジネスを加速させていくために欠かせないサービスです。JAXAとのパートナーシップによるサービスは、①国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」からの衛星放出サービス ②ISSきぼうの船外実験プラットフォームを利用した機器実証サービス ③H3ロケットを利用した衛星相乗りサービス ④新型宇宙ステーション補給機HTV—Xからの衛星放出サービス ⑤月への輸送事業の実現可能性調査 ⑥ISS船内でのタンパク質結晶化サービス-の6つです。
ISSからの衛星放出サービスではすでに200基以上の実績があり、国内外の大学や企業の衛星打ち上げの支援をしています。一方、こうした宇宙打ち上げ輸送サービスだけでなく、打ち上げの前工程や後工程でも顧客の間で解決したい課題が数多くあることが分かってきたことから、地上サービスなど事業の多様化も進めています。それは衛星使用のための周波数申請手続きや衛星部品の選定・調達、環境試験の実施など、「前」「後」の課題を解決するためのワンストップサービスの提供です。
また、ISSの船外実験プラットフォームを利用したサービスでは、例えば研究用素材が宇宙空間に一定期間さらされた際にどのような影響を受けるか評価する実験を行うことができます。ここでは実験目的、企業のマーケティング目的、教育目的以外でも製品や写真、教育機関が作成した記念品などを打ち上げる画期的なサービスを展開しています。さらに、ISSの微小重力空間という特殊環境ときぼうの実験設備を利用したたんぱく質の高品質結晶生成サービスを国内外の創薬企業向けに提供しています。
このほか、総務省が主導する月資源探査計画にもプロジェクト・マネジメントとして参加。さらに宇宙産業拡大に向け、次世代の人材育成も不可欠なことから、学校の先生方とともに、小、中、高、大学という年代別にテーラーメイドでの教育事業を展開しています。
最後に、私たちSpace BDは、近い将来宇宙で花開く革新的な技術を開発する日本企業や研究機関の皆様をサポートしながら、さまざまな角度で宇宙利用にアプローチし、宇宙の産業化を目指していきます。
TJRI編集部
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