ビジネスの種は自ら取りに行く「タイのパートナーと共に成長したい」

THAIBIZ No.153 2024年9月発行

THAIBIZ No.153 2024年9月発行ヒットメーカーが語る!タイの外食産業必勝法

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ビジネスの種は自ら取りに行く「タイのパートナーと共に成長したい」

公開日 2024.09.10

「タイで新規事業を立ち上げたいが、何から始めればよいかわからない」と悩むことはないでしょうか。ゴムや化学品、ライフサイエンス等の製品を取り扱うグローバル商社「Sanyo Trading Asia Co., Ltd.」の林慶一郎社長は、「常に新規事業の種を自ら取得しに出向いている」と話します。事業領域を広げ続けるための行動について、日本で新規事業立上げを成功させた経験を持つ林氏に話を聞きました。

Sanyo Trading Asia Co., Ltd.
グローバル商社である三洋貿易株式会社を親会社に持ち、ゴム、化学品、ライフサイエンス、産業資材の輸出入を主に手掛ける。

積極的に新規事業に取り組み「三方よし」を目指す

Q. タイでの事業展開と、林さんご自身についてお聞かせください。

1990年にタイ企業との合弁で設立された当社は、2018年に三洋貿易株式会社の100%子会社となり、来年35周年を迎えます。メイン事業としては、ゴム、化学品、ライフサイエンス、自動車部品等の輸入販売および、お客様への技術サービスの提供を行っています。

タイでは既存ビジネスに加えて、昆虫タンパク関連事業を展開するスタートアップへの出資をはじめ、新規事業にも積極的に取り組んでいます。また、タイには天然素材や脱炭素系の素材が豊富にあるため、タイ製の素材を日本や海外に輸出することもあります。サプライヤーとお客様を結ぶことでビジネス機会を創出し、当社含む「三方よし」を目指しています。

私は三洋貿易入社後、主に新規事業の開発から立上げや、スタートアップの発掘および出資などを担当してきたため、タイでの任務の一つは「新規事業の創出」です。そのために必要な情報収集には、時間も労力も惜しまない姿勢を心がけています。

入会理由は「タイ企業との接点を増やしたい」

Q. TJRIご利用のきっかけについて教えてください。

2023年6月、当社の日本人駐在員がEnergy Absolute社のEV・バッテリー工場見学の訪問イベントに参加したことが、TJRIとの初めての出会いでした。当時、大きく移り変わるタイのビジネスの流れの中で、新規事業創出のためにも「タイ企業との接点を増やしたい」と思っていました。イベントに参加した社員から「タイのEV事情などがよく分かり、非常に有意義だった」と聞き、TJRIに興味を持ち始めたタイミングで法人会員の案内があり、「これだ」と思って入会しました。

素材から自動車まで幅広い領域で事業を展開している当社としては、「それぞれのマーケットでネットワークを広げ、提携できそうな企業を探したい」という明確な目的を持っており、その手段としてTJRIのサービスは利用価値があると判断しました。

Q. 実際にTJRIを利用された感想をお聞かせください。

特に訪問イベントでは、35年間の土台がある当社でもアプローチできないような幅広い業界のタイ企業のオペレーション、CEOをはじめとする役員クラスの生の反応、さらにマネジメントの構造を間近で見られることに、高い価値を感じています。

また、仮に訪問先が普段から取引のある企業であっても、イベントを通じて最新の動向や取り組み内容を知ることができるのは、ありがたい機会です。今年6月開催の「食品企業交流会」にはタイ人社員も参加するなど、勉強会や交流会には全社で積極的な参加を心がけています。

アポ取りサービス(図1)の利用時には、リスティングの精度の高さに驚きました。事前に1時間程のオンライン打合せで、売上や事業規模、リソースなどのクライテリアを設定しましたが、最低限のコミュニケーションで的を得た企業のリストが入手できたことに非常に満足しています。自力でリストアップすることも不可能ではありませんが、無意識的に既存事業の分野に縛られてしまうことがあります。自分たちとは異なる視点を持つ第三者がリストアップすることで視野が広がると感じます。

継続的な種の取得が将来の新規事業に繋がる

Q. TJRIご利用後、具体的な成果はありましたか

具体的なタイ企業との繋がりや協業の話はまだありませんが、当社では幅広い分野で新規事業創出に向けて動いているため、常にビジネスの種を取得し続けることが大切だと考えています。TJRIを通じて接点を持てた企業の事業と「今この瞬間」に繋がらなくても、2〜3年後に繋がって芽が出る可能性は大いにあります。ビジネスの種が多ければ多いほど、タイミングが合った時に動き出しやすくなり、成功率も上がるのではないでしょうか。

そのため、例えば訪問イベントの参加にあたっては、既存事業と関連性が薄かったとしても、頭の中にあるビジネスモデルの構想と照らし合わせながら、ある程度仮説を立てて現場を見極めることが肝心だと思います。組織的にこうした地道な種集めを続け、未来に向けて準備をしておくことが、新規事業の立上げには欠かせません。

Q. 最後に、タイでの事業展望をお聞かせください

当社はこれまでの歴史の中で、タイにおける強固なビジネス基盤を築き上げてきました。一方で、中国企業の台頭や少子高齢化などの情勢変化に伴い、近年は、より付加価値の高い産業やサービスが求められていると感じます。このニーズに応えるために当社が理想としているのは、サプライヤーとお客様の両軸でパートナー企業を増やし、共に成長していくことです。個人的にも、あらゆる業界のタイ企業との接点を増やし続け、集めた種が事業として花開くまで最大限コミットしたいと思っており、引き続き新規事業の創出に向けて動き続けていきます。

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THAIBIZ編集部

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