ArayZ No.120 2021年12月発行変わる日タイ関係-タイ人における日本の存在とは
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カテゴリー: 対談・インタビュー
公開日 2021.12.09
京都府出身、立命館大学法学部卒。在学中に大阪で「STAND COFFEE roasters」を開業。2017年3月からシーラチャーでフリーペーパー「J+PLUS」のグラフィックデザイナー兼営業を担当し、19年6月に 「Y’EST WORKS coffee roastery」(スクンビットソイ23)を開業。その後、20年12月に「Y’EST WORKS coffee bar」(スクンビットソイ30)、21年6月「YOLO × Y’EST WORKS」(スクンビットソイ15)を開業。
URL:https://www.facebook.com/YESTWORKS/
大学在学中に起業したきっかけは?
8歳から20歳までハンドボールをやっていました。全国大会にも出場しましたが、日本にはハンドボールのプロリーグがありません。プレーできても実業団まで。将来を考えるとこのまま続けるのは得策ではないと考え、20歳でハンドボールを辞めました。同時に、自分でビジネスがしたいと思いました。
紹介してもらった経営者の方々に話を聞くと、飲食店なら短期間で経営に関するすべてを学ぶことができるとアドバイスを受けました。そこで、コーヒーが好きだったこともあり、カフェを始めることにしました。
お世話になった方が借りていたスペースの一角を間借りし、自分の貯金で焙煎機などを揃えました。経営の勉強がしたいだけで右も左も分からない状態でしたが、勢いでスタートしてカフェだけでなくバーやケータリングも手掛けたりしました。
その結果、カフェのみではあまり利益が出ないという結論に至りました。
タイに来た理由は?
大学に通いながらカフェを経営し、卒業前の2月に閉めました。卒業と同時に環境を変えて全く違うことをしようと思い、以前、知人からタイのパタヤでフリーペーパーを一緒に作ってくれる人を探している人がいると聞いたのを思い出しました。
連絡を取るとまだ探しているというので、タイに行くことにしました。国外に出たことがなかったのでパスポートを取りに行き、卒業式の翌日にタイへ出発しました。
当時、就職ならいつでもできると思い、就職活動はしていませんでした。周りは起業はいつでもできるけど、新卒というカードは一回しか使えないと言います。私は逆で、新卒の学生は毎年いるけれど、20歳で起業したという人はほぼいません。それだけ注目されると考えていました。
先入観を持たず新鮮な状態で初めての海外を体験したいと思い、タイに関する事前情報は何も調べませんでした。ただ、スワンナプーム空港に着くと来るはずの迎えがなく、自分でタクシーを探してパタヤに向かうことになりましたが。パタヤで展望台に上った時は、ここからまた人生の新しい章が始まると感じました。
タイで独立した経緯とは?
タイに来た時、期限を3年と決めました。25歳の誕生日までに、タイで得た知見や経験などすべてを持ち帰って、日本で起業しようと思っていました。
フリーペーパーの取材でタイの各地を回る中、チェンマイで山岳民族が営むコーヒー農園を訪れる機会がありました。実はそれまでコーヒー農園を一度も見たことがありませんでした。タイがコーヒー豆の生産国であることすら知りませんでした。
現地に行くと子供から大人まで家族総出で丁寧に仕事をしている姿を見て、とても感銘を受けました。そこで、この農園の人たちにスポットを当てられないかと考えたのです。
それまで飲んだタイのコーヒーがおいしいと思えなかったのは、タイのコーヒー文化がまだ成熟しておらず、おいしい飲み方を知らないからではないか。消費者がコーヒーについてあまり知らないなら、ブランドを立ち上げて豆の選び方や焙煎度合いによる味の違いなど、様々な情報を発信すればいい。元々、起業は考えていたので、タイで独立することにしました。
ブランドのコンセプトが「Find Your Best(あなたにとってベストなコーヒーを見つけてください)」なので、YourのYとBestのestをつなげたY’EST WORKSを名前にしました。
タイ産コーヒーの魅力とは?
故プミポン前国王によるロイヤルプロジェクトの一環で、タイの北部で40年ほど前からコーヒーの栽培が始まりました。気温や標高、一日の寒暖差などコーヒーの栽培条件に適しており、農薬もほとんど使われていません。
ブラジルなどの大規模農園では機械を使うため味が均一化されます。タイは小規模農園が多く、収穫後の精製方法によって隣の農園でも味が変わります。
一つ一つの農園の生産量は少なくても、新しい精製方法に取り組む農園が増え、質も高まってきて世界的に注目を集めています。
今後の事業展望は?
私の中ではカフェというより、知識も含めてコーヒーに関連するものを提供して、その一環でカフェとして空間を創っている感覚です。店舗を出さずにオンラインでの販売のみとすることも考えていました。
自分たちで焙煎しているので、ほかの店舗からオリジナルで豆を焙煎してほしいという依頼も来ます。そういう意味では、豆という商品自体は変えずに、自分のブランドだけでなくほかのブランドのコーヒーもプロデュースできます。これからも、コーヒーを使って色々なことに挑戦したいです。
昔よく食べていたお菓子などを久しぶりに見ると〝懐かしい〟と感じますよね。私が作った商品も誰かの日常、思い出になることができたら嬉しいです。
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THAIBIZ編集部
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