カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2015.02.02
先述の業種別基本恩典に加え、タイ国、タイの産業に有益な活動がさらなる投資刺激を得るため、競争力向上、地方分散、産業地区開発へのメリットになる事業ついては追加恩典を付与するとしている。
競争力向上へのメリットとして、(a)研究開発/内製、国内における外注または海外機関との共同研究開発(b)BOIが認可する、技術・人材開発基金、教育機関、専門訓練センター、国内にある研究開発機関および科学技術分野の政府機関への寄付(c)国内で開発された技術の知的所有権の購入とライセンス料(d)高度な技術訓練(e)タイ資本が登録新本金の51%以上ある国内原材(Local Supplier)または部品調達先の技術訓練および技術支援(f)製品およびパッケージデザインにおいて、自社または国内における委員会に認可された他者への業務委託への投資を行う場合、追加恩典を与える(詳細決定は事務局が定めることとなる)。
追加恩典の内容については、①最初の3年間における収入(売上)の1%以上または先の(a)〜(f)に対する2億バーツ以上の投資や支出のどちらかがあった場合、法人税免除期間を1年延長させる。ただし、合計8年間まで②最初の3年間における収入の2%以上または先の(a)〜(f)に対する4億バーツ以上の投資や支出のどちらかがあった場合、法人税免除期間を2年延長。
ただし、合計8年間まで③最初の3年間における収入の3%以上または先の(a)〜(f)に対する6億バーツ以上に投資や支出のどちらかがあった場合、法人税免除期間を3年延長、ただし、合計8年間までとなる。
なお、競争力向上へのメリット①に基づく費用で追加免除される法人税は投資金額の200%とし、競争力向上へのメリット②〜⑥に基づく費用で追加免除される法人税は投資金額の100%となる(図表4)。
地方分散へのメリットでは、一人当たり所得の低い投資奨励地域20県(ガラシン、チャイヤプーム、ナコンパノム、ナーン、ブンカーン、ブリラム、プレー、マハーサラカム、ムックダーハーン、メーホンソーン、ヤソトン、ローイエット、シーサケート、サコンナコン、サケオ、スコータイ、スリン、ノーングブアラムプー、アムナートジャラーン、ウボンラッチャタニー)に立地した場合は以下の追加恩典が付与される。ただし、特別奨励措置で奨励される南部国境県および特別経済開発区を除く(※)。
恩典内容としては、法人税免除期間が3年間追加となるが、合計8年間までとし、8年間の法人税を免除されるグループA1およびA2は法人税免除期間満了後、さらに5年間法人税を50%減免される。
また、輸送費、電気代、水道代を奨励対象事業の収入発生日より10年間、2倍の控除ができるほか、通常の減価償却以外に、奨励者の純利益からインフラの設置、建設費25%控除できる。
また、特別経済開発区政策委員会が指定する特別経済開発区(ターク県3郡における国境近辺の14町、ムックダーハーン県3郡における国境近辺の11町、サケオ県2郡における国境近辺の4町、ソンクラ県サダオ郡の4町、トラード県クローンヤイ郡の3町)では、一般の奨励対象業種である場合、一人当たり所得の低い20県に対する投資奨励恩典と同じ恩典を付与するとともに、基本的に認められていなかった非熟練外国人労働者の使用が認められることとなった。
(※)南部国境県とは、ヤラ県、パタニ県、ナラテイワート県、サトウーン県およびソンクラ県の4郡(チャナ郡、ナータウィー郡、サバヨーイ郡、テーパー郡)を指し、一般の場合、全投資奨励対象業種について、機械の輸入関税を免除、5年間国内販売向け製造のための原材料の輸入関税を75%の減免、8年間法人所得税を免除(上限無し)、5年間法人所得税を50%減免などの税的恩典が付与される。
昨年12月、BOI主催の新投資奨励政策に関する日系企業向けセミナーが行われた
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THAIBIZ編集部
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