変わるモノづくり 製造業とIoT

変わるモノづくり 製造業とIoT

公開日 2016.09.28

GE社が考えるIoTの将来 人的資源との共存・共栄

イノベーションによって自動化が進むと、失業率が上昇したり、働く人が満足度と賃金の低い仕事に追いやられる可能性があると指摘されている。技術の急速な進歩は働く人にとって脅威となり得るという懸念だ。
しかしGE社はこの考えに異を唱える。より高度なインテリジェント機器や分析機能が開発されても、多くの作業には人が必要であり、インダストリアル・インターネットも最終的には人間、つまり働く人々の変革のためにあるという考えである。

GE社が公表している資料によれば、IoTが進歩すれば業務用機器の予想外のダウンタイムが減少し、非効率に情報を利用していたため無駄になっていた時間を活用できるようになる。さらには人的資源の無駄も削減できる。この無駄を省くことで、働く人はより付加価値の高い作業に時間を費やすことができるようになるだけでなく、知識、スキル、経験を短期間で向上させることにつながるというのだ。

働く人は現在の職場での立場を維持しながら、新しい技術を習熟する必要があり、インダストリアル・インターネットによって雇用が促進されても、過渡期には解雇や異なる役割を担うための再教育が必要になる。企業が中心となって新しいソフトウェア、分析ツール、モバイル技術の使用のトレーニングを提供することで、働く人のスキル、効率、仕事に対する満足度の向上、およびキャリアの機会の改善が推進されるだろう。
インダストリアル・インターネットが、働く人にとって〝将来の仕事の報酬や生産性を向上させるものであって、低下させるものではない〞とすると、企業にとってのメリットは何か。

GE社の考えによれば、産業機器を活用した競争は、先進経済諸国における労働者と資産の成熟や、エネルギーに対する需要増加、環境保護に対する喫緊のニーズ、規制と顧客のパフォーマンス目標の厳格化―といった複雑な環境で成功するための鍵となる。
人、機器、データを接続する〝標準 〞の方法が提供されるインダストリ アル・インターネットがもたらす最大の利点とは、情報への迅速なアクセス、リアルタイムでの柔軟なコラボレー ションが可能になることでスキルの習得や更新が速いペースで進み、結果的に効率と生産性が向上すること。そして新技術の開発と管理(データ・サイエンティスト、ユーザ・インターフェイス専門家、次世代エンジニア)に対 する需要が増加することで実現する、新しい業務の創出だ。

現在、新興市場では生産性と収益のレベルを迅速に高めるため、インフラへの投資が求められている。GE社では新興市場がインダストリアル・インターネットという新しい技術を早期に採用できれば、向こう20年で世界経済に15兆ドル、世界の1人当たりのGDPを約20%向上といった非常に大きな効果が生まれると試算している。

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THAIBIZ編集部

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