タイ 投資奨励制度まとめ 最新版 BOI

タイ 投資奨励制度まとめ 最新版 BOI

公開日 2017.03.29

国際貿易センター(ITC)

ITCとは、タイの法律に基づき設立された会社で、事業範囲は、①購入・販売(製品、原材料、部品。ただし、タイ国内への販売は卸売のみ)、②国際貿易に関するサービス(例:調達、保管、梱包、運送、保険、助言など)となる(図表5)。

ITCで得られるBOI恩典には、機械の輸入税免除と輸出向け製品用の原材料・部品の輸入税免除の税的恩典のほか、外国人の100%の株式保有許可と外国人の土地所有許可、被奨励事業に従事する外国人技術者・専門家の就労許可の非税的恩典がある。申請条件は払込資本金が1000万バーツ以上であることと定められている。

ITCも、IHQ同様に国税局からの恩典を受けることができ、純利益の法人所得税免除(タイへの輸入が発生しない商品購入・販売による収入。タイ国外におけるマーケティングや物流からの収入を含む)のほか、ITC事業に就労する駐在員(専門家・幹部)の個人所得税率が15%に減税される(恩典を享受するには条件がある)。

貿易ならびに投資支援事務所 (TISO)

TISOとは、貿易および投資活動に対する支援サービスを提供するために、タイの法律に基づき設立された会社となる。その事業範囲は、①関連会社に対するサービス・管理(オフィス・工場の手配や賃貸を含む)、②事業活動に関するアドバイス(証券取引、外国為替を除く)、 ③商品調達に関する情報サービス、④エンジニアリング・技術サービスの提供(建築、土木エンジニアリングを除く)、⑤機械、機器、道具、設備に関する業務(卸売のための輸入、トレーニング・サービス、据付メンテナンス、補修修理など)、⑥タイ国内で製造された製品の卸売、⑦通信ネットワークを通じての国際ビジネス・プロセス・アウトソーシングサービス(管理サービス、財務・会計サービス、人材管理サービス、データ処理、セールス&マーケティングサービス、カスタマーサービスなど)である。

申請条件として、販売費および一般管理費が年間1000万バーツ以上、BOIが認可した事業計画および事業範囲であることが定められている。TISOで得られる恩典は、外国人の100%の株式保有許可などの非税的恩典となっている。

そのほかの注目恩典

●生産効率向上のための投資奨励措置

BOIは省エネ、代替エネルギー使用、環境負荷軽減のための機械の入れ替えや、生産効率向上のための研究開発支援、エンジニアリングデザインを奨励している。
対象となるのは、①すでに操業している事業であること。奨励を受けているか否かは問わない。現在、奨励を受けていない事業の場合は、その事業が投資委員会が発表した投資奨励対象業種に該当する事業であること、②既存の被奨励事業が本措置の下で奨励を申請することができるのは、法人所得税の免除または減税期間終了後、もしくは法人所得税免除の恩典が付与されていない事業となる。

条件としては、①土地代および運転資金を除く投資金額が100万バーツ以上であること、②2017年12月31日までに奨励申請書を提出すること、③奨励証書発給日より3年以内に投資を完了すること。
恩典内容は、①機械の輸入税免除、②法人所得税の3年間免除。ただし、生産効率向上のための投資金額(土地代および運転資金を除く)の50%が上限(既存事業からの収入を法人所得税免除対象の収入とする)などとなる。

●工業用地開発のための追加恩典

工業団地または奨励されている工業区に立地する場合、法人所得税の免除期間が1年間追加となる。ただし上限が8年間であるため、A1とA2および法人所得税のないB1とB2の業種は対象外となり、A3とA4のみに適用される。

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THAIBIZ編集部

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