公開日 2022.09.13
タイの工業団地・倉庫事業大手WHAグループ傘下のWHAインダストリアル・デベロップメントと中国電気自動車大手の比亜迪(BYD)は8日、WHAラヨーン36工業団地の600ライ(1ライ=1600平方メートル)の土地の売買契約を結んだと発表した。BYDは同社としては東南アジア初のEV工場を建設し、2024年から操業を開始し、年間生産能力は15万台となる見込み。
WHAは今回の用地売却規模は過去20年間で最大となり、タイの重要施策である東部経済回廊(EEC)開発を支援し、新しい重点産業「Sカーブ産業」である次世代自動車産業を誘致するWHAの戦略を象徴するものだとアピールした。
BYDは1995年創業で、20年以上も新エネルギー車の経験を蓄積、今年4月には、完全内燃機関車の生産を終了し、バッテリーEVと、プラグインハイブリッド車(PHEV)に注力すると発表。同社はタイを東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州への輸出拠点としていく計画だ。またBYDは8月にはタイ企業レヴェ・オートモーティブを同国の独占販売代理店に指名、レヴェは初年度の販売台数目標を1万台に設定した。
10日付のバンコク・ポスト紙(ビジネス1面)は、販売代理店のレヴェが今月中にも、財務省間接税局と、EV物品税を8%から2%に引き下げるなどのタイ政府のEV普及促進プログラムの適用を受ける契約を結ぶ予定だと報じた。これまでに長城汽車(GWM)と、中国・上海汽車グループで「MG」ブランド車を生産するSAICモーターCPおよび同ブランド車を販売するMGセールス(タイランド)の中国2グループ、そしてトヨタ自動車が同促進プログラムの適用を受けている。間接税局の報道官は「中国企業2社がこのプログラムに新たに参加する意思を伝えてきており、さらに日本企業2社も関心を示している」ことを明らかにした。
8日付のバンコク・ポスト紙(3面)によると、ソムキット元副首相が、国民国家の力党を離党したウッタマ元財務相らが結成した新党のタイ未来構築党(SATP)の会長(Chairman)に指名されたと報じた。ソムキット氏は2日付で同党の党員として登録されたという。次回の総選挙でSATPの首相候補となる可能性が高まったとみられる。
ただ、9日付のバンコク・ポスト紙(1面)によると、ソムキット氏が8日に行われた同党からの立候補予定者が参加するセミナーに登壇した際に首相になりたいわけではないとの意向も示したという。同氏は首相候補になるとの憶測を鎮める形で、「首相のポジションは重要ではない。重要なのはタイを変革、発展させるための指導者のスキルだ。・・・私は、この国の問題を背負い込むことになる首相になりたいわけではない。しかし、この党がタイを救い、良い未来を構築する党になってほしい。個人的にはいかなる役割でもこの党を支援する用意はできている」などと発言したという。
8日付のバンコク・ポスト紙(3面)によると、アヌチャ政府報道官は7日、バンコクとナコンラチャシマ間を結ぶ高速鉄道の第1フェーズは2027年に完成するだろうとの見通しを明らかにした。第1フェーズは総延長250.77キロメートルで、地上、高架、トンネルと3タイプで構成されるという。列車は1編成6車両となり、バンコク-ナコンラチャシマ間を90分で結ぶ予定。メンテナンス基地が3カ所に整備される。この路線はノンカイ県から、ラオスと中国につながるタイ・中国高速鉄道計画の一環で、タイの国内建設資材が最高時速250キロの中国高速鉄道の基準に合い、使用可能かどうかを見極める必要もあるという。
TJRI編集部
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