カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2022.11.08
英エコノミスト誌は10月27日号のLeadersの「The Circular Economy」というタイトルの記事で、電気自動車(EV)用バッテリー製造業界の現状を紹介している。副題は「Battery-makers are powering a circular economy」だ。同記事はまず、製造業は本来原料を投入したら製品が出てくるという「片道」ビジネスであり、最後は焼却されるか埋められるかだと指摘。また、世界経済フォーラムのデータを引用して「過去50年間で原料消費量は約4倍に増えたが、再利用(Reuse)されたのは9%未満でしかなく、残りは膨大なごみだ」と説明する。その結果、産業界はサステナビリティーとリサイクルを訴えているが、その大半はブランドイメージの向上が目的だと皮肉っている。
そして、「ギガファクトリー」と呼ばれるEV用バッテリー工場について、原料となるリチウム、コバルト、マンガン、ニッケルは高価で入手困難であり、サプライチェーンは長く、複雑なため、「再利用」は有効だと強調。新しいギガファクトリーは最初からリサイクルを想定して設計されており、「バッテリーがいったん寿命を迎えると工場に戻り、成分は回収されて新しいバッテリーの原料になる」という「循環型の生産プロセス」になっていると解説する。
具体例として、スウェーデンのバッテリーメーカーのノースボルトは、2030年までに3工場で、200万台のEVをまかなうのに十分な150ギガワット分のバッテリー生産を目指しているが、その原料の半分は古いバッテリーからのリサイクル原料を利用する予定だと紹介。さらにバッテリー世界最大手である中国の寧徳時代新能源科技(CATL)はリサイクル、再生可能エネルギーなどの導入により最終的には、バッテリー生産における二酸化炭素排出ゼロも可能だと主張しているという。
北海道文化放送(UHB)は10月31日、在タイ日本国大使館、北海道、札幌市、北海道観光振興機構の後援で、北海道・札幌の観光と食の魅力をタイの人たちに紹介するイベント「北海道のゆうべ~うまいっしょ!北海道」を在タイ日本国大使公邸で開催した。
同イベントではまず、主催したUHB総合コンテンツ局の鈴木謙二局長が挨拶した後、梨田和也駐タイ大使が登壇。「コロナが明けて、現在、日本は世界の中でも最も人気の高い旅行先になっている。中でも北海道の人気、ブランド力は群を抜いている」と強調した上で、「10月から日本への旅行の際にビザが必要になった結果、日本へのフライトはほぼ満席と聞いている」とする一方、朗報として、タイ国際航空が12月1日から2年9か月ぶりに札幌への直行便を再開すると報告し、乾杯の音頭を取った。
その後、日本政府観光局(JNTO)バンコク事務所の土居佳以所長が北海道観光の現状や見通しなどについて説明。例えば2019年のタイ人の日本旅行では、都道府県別の訪問率で、東京都、千葉県、大阪府、京都府に続いて北海道は5番目の人気旅行先だったと報告した。また同事務所が今年7月にタイ人を対象に実施したアンケート調査では、コロナ後に訪問したい日本の地域として、北海道は関東、関西に次ぐ3番目だったという。同所長はこのほか、JNTOは日本を初めて旅行するタイ人インフルエンサーを招き、東京と北海道の観光地をめぐるツアーを計画しているほか、来年1月27~29日にサイアムパラゴンで、3年ぶりとなる訪日旅行フェア「Visit Japan FIT Fair」を開催することを明らかにした。
TJRI編集部
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