カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2022.12.20
自動車業界の話題が続いている。タイの自動車販売の33%とトップシェアを誇るトヨタ自動車は14日、タイ現地法人のタイ国トヨタ自動車(TMT)の設立60周年記念式典をバンコクのクイーンシリキット国際会議場(QSNCC)で開催した。この式典に合わせ、トヨタ自動車とタイ財閥チャロン・パカポン(CP)グループがタイにおけるカーボンニュートラルの実現に向けた協力を発表、大きなインパクトを与えた。
両社の協力の具体的な内容は、①家畜の糞尿から生まれるバイオガスを活用した水素の製造(経済特区での実施を中心に検討)②この水素を活用した配送トラックの燃料電池車(FCEV)化(走行距離や積載重量などに応じ、BEV、FCEVなどさまざまなソリューションを提供)③コネクテッド技術を活用した最適配送ルート提案等による物流効率化-の3つの領域を対象に、エネルギーを「作る」「運ぶ」「使う」のプロセス全体を一気通貫で、カーボンニュートラルの加速に向け、今すぐできる二酸化炭素(CO2)削減を進めていくという。また、この協業にはCPグループの交通サービス事業会社トゥルー・リーシングが参加。さらに商用車の脱炭素化に取り組む目的で設立した共同出資会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(CJPT)のメンバーであるいすゞ自動車、スズキ、ダイハツ工業も参画するほか、エンジン試験データ不正問題を受け除名された日野自動車も加わるという。
一方、60周年記念式典では、TMTの山下典昭社長、来賓のスパタナポン副首相兼エネルギー相などがあいさつした後に、トヨタの豊田章男社長が登壇。自身がアジア本部長になったばかりの2002年にタイでスタートさせたグローバル車両開発・生産プロジェクトであるInnovative International Multi-Purpose Vehicle(IMV)の新しいモデルとしてタイで開発した「IMV 0コンセプト」と「ハイラックスREVO BEVコンセプト」を世界で初めて披露した。
豊田社長は、「バッテリーEV(BEV)が主流になるには、メディアが言うよりも時間がかかる。世界のカーボンニュートラル達成のためにはBEVだけが選択肢ではなく、CO2を出さない合成燃料や水素などあらゆる選択肢を追求したい」と改めて全方位戦略(Multi Passway)を強調。この週末に行われた出光25時間耐久レースで水素エンジン車を自ら運転することも報告した。またCPとの提携については、CPが既に取り組んでいる鶏糞などのバイオマス活用による水素の製造にも一緒に取り組んでいくと強調した。
15日付のバンコク・ポスト紙(ビジネス3面)は12日閉幕したタイ国際モーターエキスポでの電気自動車(EV)の予約販売台数が5800台と全予約販売台数の3万6679台の約15%に達したと伝えている。比亜迪(BYD)がトップで2714台、長城汽車(GWM)が1212台で2位、NETAブランドを展開する合衆新能源汽車が827台、上海汽車グループの英「MG」ブランドが600台と上位を占めた。
12日付のバンコク・ポスト紙(3面)は次期総選挙で最大野党のタイ貢献党の首相候補の一人と噂されている、住宅開発大手センシリの社長兼最高経営責任者(CEO)のセーター・タウィーシン氏の特別インタビューを掲載している。同氏は先月、「私はすでにタイ貢献党と共にある」と答え、同党への忠誠心を示したと報じられたが、このインタビューでは、「個人的には来年、新しいリーダーが出てくると信じている。(暗い)経済見通しにもかかわらず、タイの経済状況は今よりは良くなるだろう」などと語ったという。
TJRI編集部
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