BOIが電子産業支援を強化、日本食レストラン8%増

BOIが電子産業支援を強化、日本食レストラン8%増

公開日 2024.01.16

東南アジアでも電気自動車(EV)シフトの動きが加速する中で、自動車産業のハブであるタイがEV時代により重要性が増す電子産業でも地域の中心地になることを目指すとの意思を明確にしつつある。

タイ投資委員会(BOI)は1月9日、タイ電子回路協会(THPCA)、および香港線路板協会(HKPCA)と連携し、7月24日から26日までバンコク国際貿易展示場(BITEC)で、PCB(プリント基板)およびPCBA(プリント基板組立)の生産とソリューションを披露する展示会「Thailand Electronics Circuit Asia(THECA)」を開催すると発表した。同展示会は、タイが電子回路基板生産における世界的な主要拠点としての役割を担っていることをアピールするのが目的で、タイでこの産業分野の大型展示会が開催されるのは初めてで、タイ企業に加えて、中国、韓国、日本、フィリピン、インド、オランダの企業も出展する予定だ。

ナリットBOI長官は、「電子産業はBOIが重視する対象産業の一つで、40年以上にわたってタイ経済の成長に大きく貢献してきた。特に、電子機器の中核であるPCBやPCBAの生産産業は、通信や医療機器、EV、ロボット、自動化、デジタルシステム、コンピューター、スマート家電など、他の主要産業の成長の基盤となっている」と強調した。

そして、電子製品(家電を除く)はタイの輸出品目ではトップで、2023年1~11月の輸出は1.4兆バーツに達した。特に、タイはPCB生産では東南アジア諸国連合(ASEAN)で第1位だ。2023年の11カ月間でBOIに対しPCBとPCBA生産事業で38のプロジェクトから投資恩典の申請があり、同申請が最も多い事業分野の一つだったと報告した。

さらに同長官は「タイを電子回路基板の生産と輸出における世界のリーダーの地位を確保するために、BOIはTHPCAなどすべての関係者と協力し、良好なインフラやサプライチェーン、政府のインセンティブなどでタイの強みを活かしていく」とした上で、タイは優れた投資先となり、「半導体シリコンウエハや先端技術を使用した電子部品の新製品などの川上産業に拡大する可能性を秘めている」と訴えた。

また、THPCAのピターン・オンコーシット会長は、現在タイの電子回路基板産業は14億ドル超の市場規模を持つ重要な産業だと強調。タイでは今後、30件以上の投資プロジェクトの計画があり、2025年には現在の約6倍の80億ドルまで成長すると予想されているという。


一方、トヨタ自動車など自動車メーカー、電装部品メーカー、半導体関連企業12社は昨年12月28日、日本で高性能デジタル半導体(System on Chip=SoC)の車載化研究開発を行う「自動車用先端SoC技術研究組合(ASRA)」を12月1日付で設立したと発表した。参画企業は、トヨタの他、日産、ホンダ、マツダ、SUBARU、デンソー、パナソニック・オートモティブシステムズ、ルネサスエレクトロニクスなど。発表では、「自動車には1台あたり1000個程度の半導体が使われており、半導体の種類によってさまざまだ」とした上で、「その中でもSoCは高度な演算処理能力を達成するために最先端の半導体技術が必要とされ、自動車における自動運転技術やマルチメディアシステムなどで必須の半導体だ」と強調。ASRAでは具体的に「チップレット呼ばれる種類の異なる半導体を組み合わせる技術を適用した自動車用SoCを研究開発する」としている。


日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所が1月10日に発表した2023年の日本食レストラン調査によると、タイ国内の店舗数は前年比8%(426店)増の5751店となった。2007年(745店)の調査開始以来の増加トレンドは続いている。バンコク都とその近郊5県、その他の地方など全ての地域において店舗数が増加した。業種別では1位のすし店が1372店と4.1%減少。2位は日本食(総合和食)で6.4%増加した。以下、ラーメン、すき焼き・しゃぶしゃぶ、居酒屋、焼き肉の順で、3~6位の業種がいずれも20%前後の大幅な増加となった。

一方、都県別ではバンコク都が2602店と突出しているほか、その近郊県、日本企業が集積する東部チョンブリ、チェンマイ、プーケットが上位に入り、東北部では、8位のナコンラチャシマが初めて100店を突破、ウボンラチャタニ、ウドンタニが50店を上回った。

TJRI編集部

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