カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2016.02.24
目次
ジェネラル・マネージャー 臼田 潤(うすだ・じゅん)
タイを含む新興国における生活水準の向上と、コンビニエンスストアやハイパーマーケッ
トといった近代的な小売店舗、外食文化の拡大に伴う消費者の冷蔵・冷凍食品に対する需要は今後も中長期的な伸びが予想される。
農水産物や冷凍食品の需要を満たすにはコールドチェーン(低温/定温物流)が不可欠だ。古くから水産品など食品加工業が多く存在するタイでは、地場だけでなく日系の冷
蔵・冷凍倉庫も多く展開している。従来、これら倉庫は輸出向け保管が主だったが、タイ国内小売・外食店舗による利用が加速している。
この流れを見越し、第一貨物株式会社を傘下に持つディー・ティー・ホールディングス株式会社と、自動車部品の製造および加工業のビューテック株式会社は2014年10月、サムットプラカン県バンプー工業団地内にJAPAN BODY MANUFACTURING CO., LTD. (以下、JBM)を設立。高品質・高気密で、耐久力のある冷凍車の定温輸送ボディー(以下、冷凍車)とサンドイッチパネルと呼ばれる断熱パネルを製造・販売、年間500台の生産を目指す。
JBMの臼田 潤ジェネラル・マネージャーは、優れた冷凍車の条件となる2つのポイントについて「まず走行中に壊れないこと、そして 気密性に優れていること」だと話す。
「冷凍車に使うサンドイッチパネルは一枚のアルミを箱状にしています。継ぎ目がないため気密性に優れ、劣悪な道路の走行で受ける負担が分散されることで、特定の箇所に歪みがくることを防ぎます。長寿命でコストパフォーマンスが高く、精度を追求するため部品の一部は日本製です。製造と組み立てには品質を維持できる技術レベルの人材を登用しているほか、座学と実地による教育も行っています」。
アルミサンドイッチパネルの厚みは約70ミリ
冷凍車はトラック車両メーカー、または物流業者や食品メーカーなどから直接受注するため、顧客の目的や用途によってカスタマイズしたものを提案している。タイに流通している冷凍車には、メーカーによっては使わない機能を搭載したままの非効率なものも多いのだという。サンドイッチパネルの導入は車重の軽量化にもなるため、「今のままで良い」というタイ企業に、性能を知って、納得してもらうところから活動している。
また、タイには日本のように定温の乾物、冷蔵・冷凍の肉、魚を混載で運ぶ文化がなく、臼田氏は、定温車に冷蔵コンテナを積むことで効率化を図る提案をしていきたいと意気込む。ショッピングモール開発が続く郊外や、AECによる通関制度の整備が期待される近隣国への需要拡大の可能性は大きく、このような効率化は陸路輸送発展の鍵となるはずだ。
昨年はタイ国際トラックショーに出展、フィリピンやバングラデシュの商社からも引き合いがあり、今後は製品輸出も視野に入れる。
「コールドチェーンは食品だけでなく、薬や精密機械などさまざまな分野で需要があります。温度・衛生管理がされた工場で作られた食品が、物流により、小売店舗や外食店舗に届くまでの間を担うのが当社の役割です。安心・安全な流通を広めていきたいと思っています」。
ディー・ティー・ホールディングス株式会社
山形県山形市諏訪町二丁目1番20号
+81(0)23-624-7101
JAPAN BODY MANUFACTURING CO., LTD.
243 Moo 4, Bangpoo Industrial Estate Soi 6, Sukhumvit Rd., Tambol Preaksa,
Muang Samutprakarn 10280
02-324-0756
www.jbm-thailand.com
THAIBIZ編集部
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