「日系に追い風、EV・HEVの減税検討」「データセンター需要急増、電力供給に懸念」

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「日系に追い風、EV・HEVの減税検討」「データセンター需要急増、電力供給に懸念」

公開日 2026.06.17

6月10日付のターンセタキによると、タイ財務省は、国内で製造された電気自動車(EV)およびハイブリッド車(HEV)、マイルドハイブリッド車(MHEV)を対象とした減税措置の検討を進めている。対象はタイ国内で組み立て・製造された車両に限定される見通しで、輸入車は対象外となる。また、国内部品調達率の条件も設定される方向だ。

背景には、エネルギー移行の推進と国内自動車産業の維持・強化がある。タイでは2026年から新たな物品税制度が導入され、EVの税率が2%である一方、HEVは6%、MHEVは10%とされている。

さらにタイ国家電気自動車政策委員会(EV Board)は、一定条件を満たすHEVについて、2026〜2032年の7年間、税率を6%に据え置く支援策を打ち出している。条件には50億バーツ以上の新規投資に加え、バッテリーやトラクションモーター、インバーターなどの国内製造部品の使用や、先進運転支援システム(ADAS)の搭載などが含まれる。

今回の措置は、トヨタ、ホンダ、日産、マツダなどHEVを強みとする日本メーカーへの追い風になる可能性がある。一方で、中国EVメーカーの進出が進む中、タイ政府がEV普及だけでなく、国内生産やサプライチェーンの維持にも軸足を置き始めたことを示す動きとして注目される。


6月8日付のバンコク・ポストによると、タイではデータセンター需要の急増を受け、電力供給への懸念が高まっている。エネルギー当局は発電容量の拡大を検討しているが、人工知能(AI)やクラウド関連投資の拡大に伴い、電力インフラへの負荷が課題となりつつある。

タイの現在の設備容量は再生可能エネルギーを除くと4万6,191メガワット(MW)。暑季のピーク需要は3万6,758MWに達し、予備率は30%を下回った。昨年の38%から低下しており、今後データセンター投資が本格化すれば、国際的な目安とされる15%を下回る可能性も指摘されている。

データセンター1施設あたりの電力消費量は5〜10MWとされ、一般的な工場の3MW未満を大きく上回る。現時点では送配電網の増強で対応しているものの、将来的には新たな発電容量の確保も必要になる見通しだという。

一方、国内ガス供給はピークを迎えつつあり、輸入天然液化ガス(LNG)への依存度も高まっている。再生可能エネルギーも出力が天候に左右されるため、安定電源としての課題が残る。AI・データセンター投資が注目されるなか、その基盤となる電力供給体制の整備も重要なテーマとなりそうだ。


6月9日付のネーションによると、マイクロソフトはタイのAI導入成長率が世界第2位になったと発表した。タイの職場におけるAI導入率は12.4%で、前年比36.4%増。世界平均増加率の17.8%を大きく上回ったという。

特にデータ関連人材のAI利用率は32%と世界平均の約2倍に達している。また、タイの労働者の51%が「自社の経営陣は明確なAIビジョンを持っている」と回答しており、こちらも世界平均の26%を大きく上回った。

マイクロソフトは2026〜2028年にかけてクラウド・AIインフラへ約350億バーツ超を投資する計画も発表している。製造業や農業、医療、教育分野では依然としてAI活用の余地が大きく、タイ政府が掲げる「ASEANのAIハブ」構想を後押しする動きとなりそうだ。

イメージ画像:Magnific

6月9日付のクルンテープ・トゥラキットによると、サイアム・コマーシャル銀行(SCB)の調査機関エコノミック・インテリジェンス・センター(EIC)の住宅需要調査で、回答者の56%が「今後5年以内に住宅を購入する予定はない」と回答した。前年の47%から上昇し、過去4年間で最高水準となった。

背景には、生活費の上昇や高い家計債務、住宅価格の上昇などがある。住宅を持ちたくないのではなく、「買いたいが買えない」状況が広がっていると分析されている。

政府に求める支援策としては、低金利ローンや債務再編、返済猶予などが上位に挙がった。不動産市場の低迷は住宅業界だけでなく、家計の購買力や消費マインドの弱さを浮き彫りにしている。


6月3日付のバンコク・ポストによると、タイ中央銀行は今年の総合インフレ率が10月に5.2%でピークに達するとの見通しを示した。背景には中東情勢の長期化による石油輸入の増加や、政府による景気刺激策があるという。

4月の輸入額は前年同月比49%増となり、74億米ドルに達した石油輸入が大きく影響した。その結果、タイは68億米ドルの貿易赤字、76億米ドルの経常赤字を記録している。

一方で中央銀行は、インフレ上昇は一時的なものとみている。原油価格の安定とともに、今年の平均総合インフレ率を3%、来年第2四半期には1.3%まで低下すると予測している。また、政府の4,000億バーツ規模の景気対策を受け、2026年の国内総生産(GDP)成長率見通しは1.5%から2.0%へ引き上げられた。

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 和島美緒

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