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カテゴリー: ニュース
公開日 2026.07.31
家具・インテリア大手のニトリホールディングスの似鳥昭雄・代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)は、NNAの単独インタビューに応じ、アジアの新規出店数を年間4割のペースで増やし、東南アジアでは各国で30店以上展開する方針を明らかにした。ニトリは、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアに相次いで進出しており、東南アジアでの規模拡大に本腰を入れる。似鳥氏は、「アジアの人たちの暮らしを豊かにしたい」と意気込みを述べた。

似鳥氏との主なやりとりは以下の通り。
――ニトリは2026年3月末現在、アジアで209店舗を営業している。中でも近年は東南アジアでの店舗網拡大に力を入れている。現在のアジア事業をどう見ているか。
先日フィリピンを訪問した。7店舗を営業(26年3月末時点)しているが、地元の関係者からはさらに多く出店してほしいと要望を受け、期待の大きさを感じた。まずは、東南アジアに展開している6カ国で各国30店舗を目指す。
ただ、所得は20~30年前の日本と同程度でまだ低い。特に東南アジアで販売している当社商品のおよそ半分は日本を経由しているため、中間層以上の世帯でないと買うことが難しい。現地に合わせた価格での供給が必要だと痛感している。

台湾での成功体験、拡大目指す
――東南アジア各国で30店を目指す理由は。
1カ国・地域当たり30店舗以上の展開が黒字化の目安となるからだ。30店に達すれば本部経費を吸収でき、利益も出る。日本からの輸入に頼らず海外工場からの調達比率を高めることもでき、価格を下げることができる。
07年に進出した台湾では73店、14年に進出した中国大陸では78店を展開している(26年3月末現在)。特に台湾では店舗数の増加に伴い知名度や売上高の増加につながった成功体験がある。現在は日本から輸入する商品も減少している。この好循環を他地域にも広めたい。

――海外での今後の展開は。
海外では、新規出店数を毎年4割増にするよう指示している。今年の出店が10店であれば翌年は14店、30店であれば42店というように、加速度的に出店できるような体制を整える。それに伴い人材育成も進める。海外に進出した当初、店長は日本人の駐在員が務めるが、現地の従業員を3~5年育成して店長に登用している。
24年2月、約10年ぶりに社長に復帰した。離れている間に戦略が変わっていたこともあり、26年3月期(25年4月~26年3月)は出店目標を達成できなかった。だが、今年は出店拡大の準備を進め、27年以降は攻めの姿勢で取り組む。
「先客後利」の徹底した顧客目線
――商品価格を下げるためのコスト削減の方法は。
家具の約4割はベトナムにある自社工場で製造している。調達も商社などを介さないことで、無駄なコストを削減している。
今後は人工知能(AI)の活用やロボットの導入などを通じ、工場の自動化・省力化を進めていく方針だ。技術を取り入れて自動化することでコストを下げ、その分商品を安く提供する。設備への投資は3年以内に回収できる見通し。
現在は、物流センターで導入する仕分けロボットの開発にも着手している。将来的には、接客の一部もロボット化できるよう研究を進めている。
――時代の変化に対応し、新しいテクノロジーを積極的に取り入れている。
改革してガラッと変えていくのが好き。これまでも、家具からリビング・キッチン用品、家電製品への参入、アパレル事業の展開、日本流通業初の自動立体倉庫の導入など、絶えず新しいことに挑戦してきた。
常にお客さまの視点で「不平・不満・不便」がないかを考え、品質や機能を見直している。大切にしているのは、「先客後利」。自身が作った言葉だが、先にお客さまのことを考えれば、そこに利益がついてくるという意味。会社がもうけようとするのではなく、お客さまを「もうけさせる」気持ちが必要だ。
アジアの小売業発展へ「台風の目」に
――徹底した顧客第一の目線を貫ける、その原動力は。
アジアの暮らしを豊かにしたいという思いが根底にある。アジアの所得は日本よりも低いが、かつての日本も同じだった。ニトリを創設してすぐ米国へ視察に行った際、その豊かさに感動したと同時に日本は60年ほど遅れていると感じた。
ただ現在は、安さや品質の面では米国を追い越したと思う。今度はアジア地域を早く日本に近づけるため活動しなければいけないと考えている。
――今年10月には、東京都内で開催される国際イベント「第22回アジア太平洋小売業者大会」のスーパーセッションに登壇する。アジアの小売事業者に対し、伝えたいことは。
ニトリが「台風の目」となり、アジアの小売業の発展につなげたいと考えている。ニトリが発展すれば、追い付き追い越せという流れで競争が生まれる。そうすることで現地の小売業も活性化するという循環ができる。そこに摩擦が生まれても仕方がない。一番はやはりお客さまの暮らしを豊かにすることだからだ。(聞き手=安田祐二、堀江恵、トウ淇文)
<メモ>
第22回アジア太平洋小売業者大会(APRCE)は、アジア太平洋小売業協会連合会(FAPRA)と日本小売業協会が主催する。国内外の著名な経営者らが講演する国際会議や、日本のアニメやキャラクターなどのサブカルチャーに注目した特別企画を実施する予定。

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