「日本の対タイ投資、25年は2倍超」「タイ大手銀行、融資依存から転換へ」

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「日本の対タイ投資、25年は2倍超」「タイ大手銀行、融資依存から転換へ」

公開日 2026.09.15

9月7日付のタイ経済紙ターンセタキによると、日本企業によるタイへの投資が、既存生産拠点の高度化や高付加価値製品の生産へとシフトしている。2025年の日本企業によるタイ投資委員会(BOI)への投資奨励申請は302件、1,137億バーツ超となり、投資額は前年比2倍以上に増加した。自動車・部品は283億1,000万バーツで57%増、電子・電機は193億7,800万バーツで76%増となった。

自動車では、いすゞが150億バーツ超を投じ、ピックアップトラック生産拠点に自動化やロボット、クリーンエネルギーを導入。マツダは74億バーツ超を投資し、新型マイルドハイブリッド車(MHEV)の生産に対応する。

三菱自動車は2030年までに160億バーツを追加投資。電動車技術への対応のほか、タイを新型「パジェロ」の生産拠点に据え、タイ国内および世界市場へ向けて年内順次供給する。ホンダも2029年までに120億バーツを追加投資し、新型車2モデルの生産を計画。部品分野でもアステモが35億バーツを投じ、電気自動車(EV)向けパワー・コントロール・ユニット(PCU)インバーターを生産する。

投資は電子、航空などにも広がる。パナソニックはデジタル・AI需要に対応する電子回路基板材料「MEGTRON」のASEAN初の生産拠点を設け、NMBミネベア・タイは26億バーツ超を追加投資し、AirbusやBoeing向け高精度航空機部品を生産するという。

BOIのナリット長官は日本企業のタイ投資について、「停滞しているのではなく、世界の技術・経済変化に合わせて高度化している」と評価している。


タイの大手銀行が、経済の低成長や産業構造の変化を受け、従来型の融資に依存しない成長モデルを模索しているという。9月7日付のバンコク・ポストが報じている。

クルンタイ銀行は、政府、民間、金融機関が連携して産業構造の転換を進める「Reinvent Thailand」のもと、7産業の変革を支援する。カシコン銀行は、構造変化に適応できる「Firms of the Future(未来の企業)」を重視する一方、総融資に占める中小企業(SME)向けの割合を従来の30〜35%から24%へ引き下げた。同銀行は、移行期には成長する企業がある一方、生き残りに苦戦する企業も出るとみている。

バンコク銀行は、外国直接投資(FDI)の拡大を成長機会と捉える。2026年上期のBOI投資申請額は前年同期比37%増の1兆2,700億バーツに達しており、今後は投資プロジェクト向けの長期融資需要も拡大すると予測する。一方、TMBタナチャート銀行(ttb)は、製造業の高度化や人材強化など、タイの構造問題への対応は金融部門より産業部門に重点を置くべきだとしている。


9月4日付のバンコク・ポストによると、BOIはネスレ(タイ)による64億バーツのペットフード・ペット用スナック生産施設への投資を承認した。同紙によると、タイはドイツに次ぐ世界第2位のペットフード輸出国で、同産業は年間8%を超えるペースで成長しているという。

新施設で生産する製品の90%以上を米国、カナダ、日本、オーストラリア、ニュージーランドなどへ輸出する予定で、タイ国内から4億5,000万バーツ超の原材料を調達する。BOIは、豊富な原材料や食品産業の基盤を生かし、より高付加価値な食品分野へ展開する機会になるとしている。


9月7日付のターンセタキによると、タイ商務省事業開発局(DBD) が2026年1〜8月にタイで新たに設立された法人は前年同期比1.70%増の6万198社となったと発表した。一方、新規登録資本金は6.53%減の1,816億5,800万バーツだった。

新規設立の伸びが目立ったのは、衣料品小売の87.02%増、インターネット小売の52.11%増、レストラン・飲食店の21.40%増。一方、同期間に廃業した法人は1万1,420社と17.38%増加し、廃業法人の登録資本金も78.74%増の1,126億6,800万バーツとなった。8月単月では廃業が前年同月比35.18%増の2,244社に達した。


9月1日付のバンコク・ポストによると、タイのフィットネス・ウェルネス・ロンジェビティ(予防医療・健康寿命)市場への参入が相次ぐ一方、急速な事業拡大による供給過剰や価格競争への懸念が出ている。

フィットネス・ウェルネス事業を展開するザ・アブソリュートグループは、特にピラティスなどのブティック型フィットネス市場では、今後2〜3年以内に市場再編が進むと予測する。

消費者の関心も運動そのものから、運動後の「リカバリー」へ広がっているという。同社は赤色光療法や冷水浴などを導入し、既存店舗をリカバリー重視の業態へ段階的に転換する。また、バンコクのデュシット・セントラル・パークに、パフォーマンス、リカバリー、ロンジェビティの3分野を扱う「ベルフィン・ウェルネスクラブ」を2027年2月に開業する計画で、投資額は1億バーツ超を見込む。


ノーコード・ローコードで業務アプリがつくれるツール「Kintone(キントーン)』を手がけるサイボウズと、同社のタイ法人Kintone(Thailand)は9月11日、タイにおけるDX推進や組織づくりをテーマにした「Kintone Day Bangkok 2026」を開催した。在タイ企業の日タイ担当者らが参加し、業務改善や組織変革のヒントを共有する場となった。

基調講演では、同社代表取締役社長の青野慶久氏と、人気メディアコンテンツ「Mission To The Moon」のラウィット・ハンウッサハ最高経営責任者(CEO)が登壇。青野氏は、かつて離職率28%の課題を抱えた同社の組織改革を振り返り、「100人100通りの働き方」や、社員一人ひとりが主体性を持つための「質問責任」という考え方を紹介。お互いの違いを尊重し、本音や失敗を共有できる文化と、適切な制度やツールを組み合わせることが、組織の成長につながると語った。

企業事例では、エクセディ・エンジニアリング・アジアが生成AIを活用した独自の機能拡張について、ダイキンケミカルサウスイーストアジアが147のアプリによる業務標準化、エラワンフードが200以上のアプリを活用した現場主体のDXを紹介した。

会場にはKintoneを試せるブースも設置され、実際の操作を体験する来場者で賑わいを見せた。単なるシステム導入ではなく、情報共有を通じて人と組織を変えていくDXの可能性を考える1日となった。

会場の様子

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 杉浦亜希子 / 和島美緒

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