カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2017.01.09
目次
代表取締役社長 林田英二 はやしだ えいじ
1947年、旧三菱商事 の解散に伴い設立された西華産業は、機械総合商社として火力・水力・再生可能エネルギー発電といった各種プラント向け設備に加え、派生する環境保全設備、化学・繊維、食品・医薬、自動車業界向け設備、測定機器、原料・素材などを取り扱う。
54年にはドイツ製設備の輸入増加に伴い、デュッセルドルフに欧州駐在員事務所を設置。その後もアメリカ、東アジアに続々と拠点を設けた一方で、東南アジアの工場用機器調達に関しては日本国内での契約が多く、進出が遅れていた。
流れが変わったのは、客先の現地工場がプレゼンスと資金力を上げ、本社ではなく現地法人として調達を行うようになってきた近年のこと。このニーズ増加を機に、2011年から12年の間にベトナム、シンガポール、タイの3拠点を立ち上げたのが林田英二氏だ。
「最初に設置したホーチミン駐在員事務所で情報収集した結果、ベトナムをはじめ周辺国で充分採算が取れる商材が確認できました。しかし、ベトナムで機械商社が現地法人や支店を設立するには、煩雑な登録手続きや高い維持費用が大きな壁となることが分かり、方向性を切り替えて翌年にシンガポールに支店を設立、ホーチミン事務所と連携して周辺国への営業展開を図ることに。しかし今度は、周辺国にある顧客の工場までの出張費、人材やテナントなどのコストが嵩むという課題にぶつかります。そこで進出先として前々から候補に挙がっていたタイに、その年のうちに現地法人を設立、東南アジア地区を3拠点体制で展開することにしました」。
同社の主要ビジネスである発電プラント設備市場には、他社が古くからネットワークを築いていたこともあり、タイでの主な取引先は日系化合繊メーカーだ。コンプレッサー、水処理機器といった製造・ユーティリティ設備の輸入調達だけでなく、エンジニアリングに長けた技術者による機器の設置工事、メンテナンスまでワンストップで提供できることを強みにしている。
西華産業はこの5年ほどで機械メーカー、販社の子会社化、合弁会社設立などを進め、約30社をグループ化している。タイにおいても現地法人設立の翌年となる2013年に、圧造機、塗装機などを製造販売する愛知県企業・旭サナックと合弁会社、Asahi Sanuc Machinery Service (Thailand) Co., Ltd.を設立。両社は20年以上前にドイツでも合弁会社を設立、欧州市場で成功している間柄であり、タイにおいても進出自動車部品メーカーに、安定した製品と技術サービスを提供している。
「15年には子会社であり、日本国内ダイヤフラムバルブシェアでトップを誇る日本ダイヤバルブのアッセンブリ工場、NDV (Thailand) Co., Ltd.をアマタナコンに設立しました。また同年には、基板製造のワイケーシーとも合弁会社、Seika YKC Circuit (Thailand) Co., Ltd.をプラチンブリに設立、今年2月頃には品質重視のプリント基板を出荷開始予定です。幾つかメーカーとの販売、メンテナンスの協業体制もできつつあります」。
ハイスピードにアジア市場を開拓してきた林田氏が次に注目するのは、当初の進出候補地として挙がっていたインドネシア。日系企業数、人口の点でも魅力は大きいと話す。同時に、マレーシア、ミャンマー、そしてベトナムも横から睨み続けている。
同社が14年より掲げる中期経営計画「CS2017」の基本方針は「事業領域の多様化」であり、全体戦略のひとつには「グローバル戦略の加速」がある。従来の概念にとらわれることなく、東南アジアにおける事業の幅をハイスピードで広げている。
西華産業株式会社
東京都千代田区丸の内3丁目3番1号(新東京ビル)
SEIKA SANGYO (THAILAND) CO., LTD.
57 Park Ventures Ecoplex, 12th Fl.,
Room 1210, Wireless Road,
Lumpini, Pathumwan, Bangkok 10330
www.seika.com
THAIBIZ編集部
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