BLEZ ASIA Co., Ltd.  飯田 直樹

ArayZ No.118 2021年10月発行

ArayZ No.118 2021年10月発行SDGsのうねり-サステナビリティに進む世界

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BLEZ ASIA Co., Ltd. 飯田 直樹

公開日 2021.10.09

飯田 直樹 Naoki Iida CEO

1988年生まれ、神奈川県出身。法政大学経済学部卒業。在学中に東京で起業し、タイで2012年にブレズ薬局を創業。現在は薬局事業(15店舗)に加え、内科総合診療・脱毛サロンなどのクリニック事業、ヘルスケア関連商品などの輸出入を行う貿易事業を手掛ける。シカゴ大学ブーススクールオブビジネス(MBA)に在学中。

https://blez-web.com/


起業したきっかけは?

大学時代に就職活動を通して多くの企業の社長と接する中で、「この人みたいになりたい」「こんな風に働きたい」と思いました。

私は母子家庭で育ったため、会社で働くことに良くも悪くも先入観がありませんでした。会社説明会などで親しくなった社長の方たちに「自分でも会社をやってみたいです」と話をしていたら、ある社長が「仕事をあげるから、すぐに起業しなさい」と言ってくれました。そこからすぐに起業しました。21歳の時でした。

その方はソフトウェアを販売する企業の社長でした。出来高制の業務委託契約を結び、そこで働くことになりました。午前9時から午後5時までひたすらアポイントの電話をかけ、5時以降は客先への資料送付やサービスの考案、プログラムの勉強に費やし、夜中にパソコンの前で寝落ちする生活が続きました。

家には帰らず、会社で暮らしていました。当初は売れずお金がなかったため、茹でたパスタに塩を掛けて食べたりしていました。でも楽しかったですし、絶対に軌道に乗ると思っていました。

タイに来た理由とは?

売れるようになった頃に営業活動ができなくなりました。パッケージ製品を売りたい開発会社と、お客様に合わせてカスタマイズする契約をどんどん取ってくる私達営業会社との間で方向性の違いが生じ、ある時を境に営業を中止することになりました。この時、自分で商品をコントロールできるビジネスをしないといけないと思いました。

その商材探しをする中でタイに出合いました。一緒に働いていたエンジニアの方が海外のECサイトで買い物をしていて、たまたま見せてもらったのがタイのECサイトでした。自分なら絶対にこれより良いものを作れると思いました。そこから海外の商材に目を向けました。当時はほとんどお金がなく、欧米は諦めてタイに来ました。

タイでECサイトを作って様々な商品を販売してみると、一番売れたのが薬局にある商品でした。当初は薬局で買い付けていましたが、たくさん買うなら卸売業者から仕入れた方が安くすみます。ただ、それには薬局のライセンスが必要でした。それならライセンスを取得して薬局を開こうと思いました。

まずは他店舗を徹底的にリサーチし、客単価や人件費、利益率などをシミュレーションして、日本人のお客様が来なくても回るモデルを作りました。その上で、僕が日本人のお客様を呼び込み、日本人向けにも商品を売れば絶対にうまくいくと確信しました。日本で親戚周りをして1000万円ほど借金をし、24歳の時にアソークで一号店を開業しました。

MBA取得を目指した理由は?

自らも実践する漢方グループファスティングの初日とのことで、断食期間中でも飲めるオリジナル漢方ドリンクを飲みながら取材

事業は拡大しましたが、行き詰まりも同時に感じていました。長くタイにいると強みがタイに偏ります。でも私は世界を大きく股にかけたビジネスがしたいのです。もっと大きなステージに自分を高めたいと悩んでいた中で、MBAを取ることはひとつのチャレンジでした。

数千億円規模のビジネスをする経営者になるためには、経営学をもっと深く掘り下げる必要があると感じました。そこで、世界トップ10のMBAで学ぶと決めて調べていたところ、働きながら通えるのがシカゴ大学でした。タイの大学生や高校生に交じって英語試験の対策講座に通い、合格するまでに2年掛かりました。

今は、エグゼクティブMBAというプログラムで毎月1週間程集中して授業を受けています。本来はキャンパスのあるシカゴや香港、ロンドンで授業がありますが、コロナ禍でオンライン授業になっています。

コロナ禍で事業に影響は?

もしかしたら会社を潰さないといけない、と感じたのは初めてでした。

特に去年の4月と5月。前月まで良かったのに突然売上が落ちると、固定費はすぐに削れません。それなら何を削ればよいのか、いつ売上が戻るのかも分からない状況でした。人生であれほど赤字を出したことはありませんでした。

経営論にあるようなリスク分散などはすべて行っていました。それまでの努力が間違っていたとは全く思いませんが、僕の経営人生にとってターニングポイントになりました。あんな思いは二度としたくありません。

今後はオンラインにより力を入れます。日本語のオンラインショッピングサイトの新規立ち上げ、それを加速させるための自社商品開発などを進めます。Webを活用した漢方グループファスティング(断食)や日本の精神科医療カウンセリングサービスも始めました。

その先は、他国での事業展開です。国が増えれば貿易事業でも、よりレバレッジが効くようになります。最終的には、世界一の経営者になることが夢です。

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THAIBIZ編集部

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