ArayZ No.122 2022年2月発行タイのモビリティ/ MaaS – 現在地と将来像
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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ONE ASIA LAWYERS - ASIAビジネス法務
公開日 2022.02.03
2020年11月、契約に基づいて外国で就労するベトナム人労働者法(Law No.69/2020/QH14、以下「新海外労働者派遣法」)が公布され、また、21年12月には、新海外労働者派遣法の細則にあたる政令(Decree No.112/2021/ND-CP、以下「新政令」)、及び通達(Circular No.21/2021/TT-BLDTBXH、以下「新通達」)が公布されました。
新海外労働者派遣法及び新法令は22年1月1日から施行、新通達は同2月1日から施行される予定です。
これら法令について、日系企業が知っておくべきと思われる点を紹介します。
目次
新海外労働者派遣法上、外国で就労するベトナム人労働者の送り出しサービスを実施するために必要なライセンス発給対象は、「オーナー、全ての出資者、株主が投資法で定める内国投資家である企業」とされています。
また、投資法上、「内国投資家」とは「ベトナム国籍を有する個人、外国投資家である出資者または株主がいない経済組織」(20年投資法(Law No.61/2020/QH14)第3条20項)と定義されていますので、日本企業が設立した企業(経済組織)は内国投資家の定義に含まれず、日本企業が設立したベトナム法人は送り出しライセンスの発給対象外であり、日本企業が現地法人を設立し、ベトナム人労働者を日本に送り出す事業を実施することはできません。
なお、当該ライセンス取得済み企業の一覧は、労働傷病兵社会省国外労働管理局のウェブサイトに掲載されています。
新通達において、仲介業者が徴収できる手数料の上限は派遣期間12ヵ月につき、労働契約に定める賃金の0.5ヵ月分までとされています。また、派遣期間が36ヵ月を超える場合には、労働契約に定める賃金の1.5ヵ月分までが上限となります(新通達第7条1項)。
ただし、ベトナム人労働者を日本へ派遣する場合の仲介手数料には例外規定が設けられており、手数料の上限が0VNDとされていることから、仲介手数料を徴収することが認められていないと考えられます(同条2項及び別表X)。
この他、労働派遣期間中に労働者から徴収するサービス料についても上限が設けられており、日本との関係では、「技能実習生3号」及び「特定技能」の在留資格の場合、上限が0VNDとされているため、徴収することが認められていないと考えられ、「高度専門職」及び「特定活動(建設・造船)」の場合、派遣期間12ヵ月ごとに賃金の0.7ヵ月分まで、36ヵ月を超える場合には賃金の2ヵ月分までが上限とされています(新通達8条及び別表XI)。
以上、特に日系企業との関係でポイントとなる点を少しだけ紹介させていただきましたが、その他、特に新通達には、送り出しサービスの提供を受ける日系企業として知っておくべき事項が多く記載されているため、関心のある企業は、内容を参照することが推奨されます。
松谷 亮
日系大手のIT企業および化学・電子部品メーカーにて社内弁護士として合計5年間勤務後、2019年よりOne Asia Lawyersベトナム事務所へ入所。クロスボーダーの新規事業開発案件、取引相手との紛争処理案件、知的財産に関する契約交渉、紛争処理案件を数多く経験しており、IT・製造業の法務案件を専門とする。
山本 史
One Asia Lawyersベトナム事務所に駐在。ベトナム国内で10年以上の実務経験を有する。ネイティブレベルのベトナム語を駆使し、現地弁護士と協働して各種法律調査や進出日系企業に対して各種法的なサポートを行う。
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THAIBIZ編集部
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