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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ONE ASIA LAWYERS - ASIAビジネス法務
公開日 2023.02.10
インドの会社法で定められている法定文書は、日本よりも長い期間の保存が義務付けられているものもあり留意が必要です。特に永久保存すべき文書が多く保管管理に工夫が求められますが、契約書等の電子化は少しずつ進んでおり、最近も一部の文書について、物理的な書面での締結を要さず、電子署名による作成と電子保存を認める改定が成されました。
法定文書の作成と保存期間は、インド会社法およびその下位規則等に具体的に規定されています。
日本においては、法令による義務ではないものの、定款や株主名簿など、その性質から永久保存が望ましいとされている文書もありますが、インドでは永久的(permanently)に保存することが義務付けられる文書が多い点に留意した管理が必要です。
会社法上保存が求められる文書は、必要に応じいつでも閲覧・参照できる状態であるなどの要件を満たせば、電子形態での保存が法的に認められています(情報技術法第4条)。
ただし、議事録については、別途、会社秘書役基準(通称SS-1, SS-2)に規定が設けられており、タイムスタンプを付した上で永久保存する点に注意が必要です。日本の法定保管期間10年と比して、議事録を無期限で(会社解散まで)保存するため、タイムスタンプとともに管理する等の規定に則り、電子保存を有効に活用することが推奨されます。
他方、IT法上、以下の文書については物理的な紙媒体での保存が求められます。
なお、2022年9月26日付通達(S.O.4720(E))により、不動産の売買・譲渡・権利に関する契約や、上記のとおり一部規制当局に関連する委任状や小切手等が、電子署名による締結・作成が可能となり、電子化が前進したと言えます。
志村 公義
南アジア代表(弁護士)。日系一部上場企業のアジア太平洋General Counsel、医療機器メーカーのグローバル本部での企業内法務に従事。19年4月からインドに駐在し、インドをはじめとしたバングラデシュ、ネパール、スリランカ等の南アジアの法務案件の対応を行う。21年9月には、南アジア全8ヵ国の最新法務をまとめた日本初の書籍となる『南アジアの法律実務』(中央経済社)を出版。
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山田 薫
One Asia Lawyers南アジアチーム所属パラリーガル。日系・外資系民間企業や政府系国際協力機関での実務経験を経て、南アジア各国の現地弁護士と協働して日系進出企業に対する法的サポート、各種法律調査等を行う。
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THAIBIZ編集部
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