「EV、現地調達率で物品税見直しを検討」「労働市場が回復、AIスキルが採用の標準に」

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「EV、現地調達率で物品税見直しを検討」「労働市場が回復、AIスキルが採用の標準に」

公開日 2025.07.30

タイ財務省が、現地調達比率の低い電気自動車(EV)に対して物品税の引き上げを検討している。7月18日付バンコク・ポストが伝えた。特に電動ピックアップトラックが主な対象で、物品税局はタイ投資委員会(BOI)と連携し、調達状況を精査している。

背景には、中国製EVが自由貿易協定(FTA)により輸入関税ゼロで流入している一方、他国製EVには40〜80%の関税が課されているという競争の不均衡がある。情報筋によれば、現地調達率ゼロ〜低水準のEVが税引き上げの対象となる可能性がある。

元首相タクシン氏も「現地調達率が低い輸入EVには高い物品税を課すべき」と述べ、FTAによるゼロ関税措置が国内自動車産業のエコシステムに悪影響を及ぼしていると指摘した。ただし、具体的な国名については挙げていない。


7月21日付のザ・スタンダードでは、タイの求人プラットフォーム「Jobsdb by SEEK」によるレポートを取り上げている。『2025年版HCBレポート』は2024年9〜10月にかけて、全国702社の雇用主を対象に調査を実施。タイの労働市場における、次の3つの構造変化の兆しを指摘している。

(1)雇用は回復傾向も柔軟な形態に:2025年前半、53%の企業が正社員の採用を予定していると回答。一方で、パートタイム正社員は20%→42%、パートタイム契約社員は19%→28%と大きく増加しており、コストと運用の柔軟性を両立させる戦略が注目されている。

(2)福利厚生と給与もアップデート:働きやすさを重視し、誕生日休暇や育児・介護休暇の拡充が約15%増加する見込み。また、85%が昇給、84%が平均2か月分のボーナスを支給と、待遇改善も進む。

(3)AIスキルが“標準装備”に:65%の企業が面接で候補者の人工知能(AI)スキルを評価しており、34%の企業は採用業務にAIを導入しているという。

Jobsdb by SEEKのマネージングディレクター、ドゥアンポーン・プロムオーン氏は「2025年は、組織構造や雇用制度の見直しが本格化する転換期である。柔軟な雇用、包括的な福利厚生、そしてAIスキルが今後の雇用基準となっていくだろう」と総括している。


7月16日付のネーションによると、タイの外食業界が減速するなか、コーヒーショップは堅調な成長を見せているという。特に、1杯100バーツ以下の「手頃なスペシャルティコーヒー」が消費を牽引している。

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LINE MAN Wongnaiのデータでは、コーヒー店の売上は前年同期比で5%増。なかでもバンコク周辺では、100バーツ未満のスペシャルティコーヒーを提供する既存店で46%の売上増が確認され、地方でも19%の伸びを記録。全体のコーヒー販売に占めるスペシャルティの比率は全国で56%、バンコク都市圏では66%に達しているという。

また、QRコードによる注文で一会計あたり37%増、デジタル決済は現金利用より平均32%支出増、デリバリー売上前年比23%増など、テクノロジーの活用が売上拡大に寄与していることも明らかになった。


7月15日付バンコク・ポストでは、「都市生活を再定義する12年のパートナーシップ」と題し、タイ住宅開発大手AP(タイランド)と三菱地所の共創事例を取り上げている。同紙は、文化的な違いや市場の不安定さにより事業共創が難しいとされる不動産業界において、両社の連携は「まれに見る持続可能な成功例」と紹介する。

両社は2014年、長期的な投資と開発を目的に、出資比率51:49のジョイントベンチャー企業「プレミアム・レジデンス」の現地法人を設立することからスタートした。現在はバンコクの一等地を中心に、合計1,370億バーツに相当する31件のコンドミニアム開発を実現。うち13件はすでに完売し、残る18件は開発中、または近日中の販売開始を予定だ。

同紙は、両社のパートナーシップの成功要因として、以下の2点を挙げている。

(1)共通の理念と目的意識:APグループは住宅空間の品質を高めるための哲学として、①厳格な建築・設計基準、②共感に基づく設計、③持続可能な暮らし、④スマートテクノロジー、⑤信頼できるアフターサービス、の5つの価値を重視している。三菱地所タイランドのマネージングディレクターである岡本雄二氏は、「われわれは単なるビジネス上の協力ではなく、価値観に基づくパートナーシップである」とした上で、「APとともに、質の高い都市開発を通じて人々の暮らしを豊かにする」という共通方針を示している。

(2)知見の継続的な共有:三菱地所は、建築設計やマスタープラン、資産運用や住宅サービスといった都市開発における専門性とノウハウを保有している。注目すべき点は、同社から日本人の専門家をバンコクのAPオフィスに常駐させ、コンセプト設計から顧客体験まで、あらゆる開発工程で現地チームと密に連携。両社の信頼と共通目標への強いコミットメントを実現させているという。

APのアヌポン・アサワポーキンCEOは、「三菱地所は規模やグローバルな知見があるだけでなく、先見の明のあるリーダーシップにおいても他に類を見ない存在だ。このことが、われわれにイノベーションを継続させている」と評価している。

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック

THAIBIZ編集部
タニダ・アリーガンラート

THAIBIZ編集部
和島美緒

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