ミャンマーにおける公証人・外務省認証の実務

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ミャンマーにおける公証人・外務省認証の実務

公開日 2026.03.04

ミャンマーで取得した公文書または私文書(委任状、宣誓供述書、証明書コピー、翻訳等)を国外の機関等で提出する場面において、認証手続きが要求される場合があります。本稿では、ミャンマーにおける公証人および外務省の認証の実務を紹介します。

認証の概要

ミャンマーにおける認証は主に下記の3つの手続きを組み合わせて行われます。

①公証人(Notary Public)による認証

②ミャンマー外務省(MOFA: Ministry of Foreign Affairs)による追加認証(Authentication / Legalization)

③各国在外大使館での領事認証

提出先によってどのような認証が必要か異なりますので、事前にどのような認証が必要かの確認が重要となります。

手続きの例

上記3つの手続きの具体例は以下の通りです。

公証人(Notary Public)による認証

公証人の資格を保有する弁護士が認証を行うことが一般的です。

必要に応じて書類に公証人のスタンプ・署名・日付などが記入された形で認証が行われます。

手続き・必要書類は書類の種類・公証人の対応によって異なりますが、厳格な場合は署名の立会い・本人確認、宣誓(必要な場合)の上、書類に認証を付します。民間で発行された銀行の口座残高証明や会社で発行された雇用証明書などは、公証人の裁量で代理人による出頭で特別な書類なく認証を受けることが可能な場合もあります。

外務省による追加認証(Authentication / Legalization)

必要に応じて認証済書類についてミャンマー外務省で追加認証を取得します。

追加認証が可能な書類かどうかは、ミャンマー外務省により決定されています。主に、公的に発行された書類が対象となっています。

以下は、追加認証が可能な書類かについて記載されたミャンマー外務省による告知(Notice for Notary Services)の概要となります。本告知は文面上、海外渡航するミャンマー国民を主語にしているため、外国人が追加認証可能かは個別に確認する必要があります。

1. 認証部門が実施している業務

認証部門は、留学、法令に従った貿易・経済活動等、様々な理由により海外へ渡航するミャンマー国民に必要となる関係書類、並びに政府機関等が発行した公的書類につき、連邦最高裁判所事務局が認定した公証人により認証した書類について、外務省認証部門が当該公証人の印影および署名が真正であることを追加的に認証します。必要な証憑が正確かつ十分である場合、同日中で手続を行っています。

2. 追加認証(Additional Endorsement)の対象となる書類は以下のとおりです。

(a)試験合格証明書、学位証明書、成績証明書

(b)国民身分登録証(NRC)、世帯簿(Household Registration)、出生証明書、運転免許証、会社登録証明、死亡証明(死亡登録)、区/町内の推薦状、警察署の推薦状

(c)婚姻契約書、宣誓供述書(Affidavit)、離婚契約書、委任状

(d)独身であることの宣誓供述書(Bachelor / Spinster Affidavit)

3. 追加認証を行うことができない書類は以下のとおりです。

(a)ミャンマー国籍の児童を、外国人が養子縁組するための書類等

(b)国外で取得した合格証明書、学位証明書、出生証明書等

(c)履歴書(CV)等のように、本人が自作した書類

(d)個人の小規模事業に関するもの(例:仕立て業、印刷業、食料雑貨店)

(e)有効期限が満了している(期限切れの)書類

(f)法令上、有効性が認められない契約書類

(g)公証人が当該書類に署名した日付から6ヶ月を超過している書類

4. ノータリーの追加認証の申請に際し持参すべき書類は以下のとおりです。

(a)国民身分登録証(NRC)(原本+写し)

(b)世帯簿(Household Registration)(原本+写し)

(c)合格証明書、学位証明書等の原本書類(原本+写し)

(d)認証書類(原本+写し)

(e)手数料の支払い

5. 独身であることの宣誓供述書に関し、いずれかの裁判所において宣誓し法令に従って取得した独身宣誓供述書について、公証人が責任をもって翻訳したものに対する追加認証は、2017年1月11日より外務省において受付を開始しています。

6. 代理人により追加認証手続を行う場合、代理人は同一世帯の世帯簿に記載されている家族である必要があります。世帯簿に記載されていないその他の代理人である場合には、本人との関係性を示す確かな証拠または続柄を証する証明書等を添えて手続を行うことができ、当該代理人は本人の国民身分登録証(NRC)の原本を併せて持参しなければなりません。

各国在外大使館での領事認証

ミャンマーはアポスティーユ制度の対象国ではないため、提出先の要請により、ミャンマー外務省の追加認証の後に各国在外大使館の領事認証が必要となることがあります。領事認証の要件については、各国在外大使館に確認する必要があります。

まとめ

まずは、提出先の機関に認証の要否、どのような認証が必要か確認することが重要です。提出先の機関がミャンマーの認証について知識・経験が不十分な場合がありますので、ミャンマーの認証がどのような種類があるか説明をしなければならない場合があります。

また、本人確認資料や原本・写しの要否、翻訳添付の要否は案件類型により変動しうるため、依頼前に必要書類を整理し、スケジュールに余裕を持つことが必要です。

One Asia Lawyers パートナー弁護士 (日本法)
ミャンマー拠点代表

佐野 和樹 氏

2013年よりタイで、主に進出支援・登記申請代行・リーガルサポート等を行うM&A Advisory Co., Ltd.で3年間勤務。2016年よりOne Asia Lawyers設立時に参画し、ミャンマー事務所・マレーシア事務所にて執務を行う。2019年にミャンマー人と結婚。現在はミャンマーに居住し、アジア法務全般のアドバイスを提供している。

One Asia Lawyers

One Asia Lawyers Groupは、東南アジア・インドの法律に関するアドバイスを、アジア各国のネットワークを基礎として、シームレスに、ワン・ストップで提供するために設立された法律事務所です。

Website : https://oneasia.legal/office/thailand

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