ArayZ No.141 2023年9月発行東南アジアにおける 脱炭素トレンドと脱炭素に向けたアプローチ
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カテゴリー: 組織・人事
公開日 2023.09.09
A: コミュニケーション方法を改善し、根気よく接することが重要です。
タイの日系企業におけるタイ人・日本人の情報伝達の違いについての研究によれば、両者の間に図表1のような違いが見られます。
この研究によると、タイと日本の文化は広い意味ではアジア文化という点で共通していますが、詳細に見ると多くの違いがあり、それが情報伝達の差異や問題の原因となる可能性があるということです。この研究の結果を踏まえ、私がタイ人従業員との情報伝達に関して感じる3つの点を共有したいと思います。
① タイ人従業員から情報を得る際には、かなり根気よく話を聞くことが必要
「状況」「動機」「伝達する情報」に関連して、例えば、必要な情報をタイ人従業員から得たい場合は、「待つ」のではなく、マネジメント側から積極的に行動し、可能であれば1対1の場を設けてじっくりと話を聞く必要があります。タイ人従業員が必要な情報を自ら提供してくれると考えていると、タイミングが遅れたり、解決に必要な情報が不足していることがあります。私自身、会計伝票1枚に関する質問に対して、タイ人従業員と4時間打ち合わせを行ったことがあります。
② オフィスで気軽に話しかけて情報収集する方法が効果的
タイ人従業員にとって上司といつも相談できる環境は非常に重要です。例えば、私がある有名企業のタイ人従業員に尋ねたところ、社長についての好意的な意見として「忙しい中でもオフィスでいつも声をかけてくれる」「いつでも相談できる雰囲気がある」という回答がありました。
カジュアルな雰囲気の中で情報を共有できるチャネルがあることは、タイ人従業員にとって重要な要素なのです。オンラインで情報伝達することも可能ですが、オフィスで顔を合わせていると、より自由なコミュニケーションが生まれ、情報伝達の質と量が向上します。
③ タイ人従業員は「上司に好かれるか嫌われるか」を気にする
「背景にある問題解決への考え方」「序列」「重視するもの」に関連して、タイ人従業員は情報伝達後に上司からどのように評価されるか、上司の感情を傷つけないかということにとても敏感です。例えば、弊社内の人事面談では、「若く経験不足だから上司を満足させられるような意見が言えない」という意見が多く聞かれました。何か失敗したり上司の気を悪くするよりも、本当に危機的な状況になるまでは無言でいようと考える傾向が見られます。この問題を解決する方法は難しいかもしれませんが…。
先月号に引き続き、「言うは易く行うは難し」という言葉通り、情報伝達は経営上非常に重要なテーマだと考えます。良い会社を築くために、これからも頑張りましょう。
ArayZ No.141 2023年9月発行東南アジアにおける 脱炭素トレンドと脱炭素に向けたアプローチ
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Biz Wings
CEO & Founder
倉地 準之輔 氏
日本で監査法人、外資系企業勤務を経て2013年来タイ。外資系会計事務所勤務後、2015年10月にBizWings (Thailand)Co., Ltd.を設立。複数の公的機関にて日系企業のアドバイザーを務める傍ら、経営コンサルティング業務を提供している。公認会計士(日本)。東京大学経済学部経営学科、米ケロッグ経営大学院卒業(MBA)。
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