ArayZ No.104 2020年8月発行タイ現地化4.0 - コロナ禍とその後を生き残る、生産性高い組織の作り方
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カテゴリー: 組織・人事
公開日 2020.08.10
タイにある日系企業は5000社とも言われていますが、日本企業のタイ進出は1960年代以降、本格化しました。メーカーなどが拠点を設け、製造機能を強化。日本水準の品質、納期を目指して現場の改善が続けられました。そして現地が市場として成長してくると、販売機能が本格化しました。
やがて地域統括拠点がタイに設けられるようになり、地域での一括調達や部品の相互補完などが進み、最近では本格的な研究開発機能を立ち上げようとしている企業もあります。
日系企業の特性としてバイカルチャーがあります。日本人社員とタイ人社員が共に働き、タイと日本の2つの国民文化、価値観が社内に存在します。ただ、日本人社員の多くは駐在員で、おおよそ3年から5年の任期を終えると日本に帰国。そして、新しい日本人駐在員が赴任します。
その中で、日系企業が抱える課題の一つが現地化でした。現地化はそもそも、各国の地域的特質に合った企業運営の姿を言います。ただ、近年は競争の激化からタイ人社員に比べ人件費その他を合わせたトータルコストの掛かる日本人駐在員を減らし、タイ人幹部に置き換えることが現地化とされた時期もありました。
しかし、日本人駐在員を減らすことだけが目的化してしまったため、後々になって人事制度が意図通りに運用されず優秀な人材の流出が続いたり、後継者が育っていないまま任せることになり、問題が各所で発生し減らされた日本人駐在員が火消しに追われ続けている、などといったことが少なくありません。
今回提案する現地化4.0とは、タイの拠点が自立的に戦略を立て、現地での生産や販売を促進し、さらに周辺国へと市場を拡大。その中で現地の事情に精通した人たちが、地域のニーズに合った製品、サービスを適切なコストの中で開発、提供していく。そんな姿を新たな“現地化”として掲げたいと思います。
現地化1.0が拠点立ち上げから安定操業まで、2.0は安価な人件費を活かした日本品質の生産及びサービス提供、3.0は現地企業や周辺国の台頭による競争激化とコスト削減圧力の中での企業運営とすると、4.0はタイが日本本社の指示に従ったり、意向を伺ったりと受け身の姿勢に終始するだけでなく、自ら高い付加価値を生み出していく状態への変化だと捉えています(図表2)。
あくまで現地化は、企業が事業目標を海外でスムーズに達成するためにあります。結果として、タイ人の人材が育ち、彼らが自分たちで目標を設定し、問題を解決、結果を出していく。そして、そこには日本人駐在員が介在しないという状況が生まれる。日本人駐在員の削減は結果であって、目的ではありません。そんな現地化4.0を実現するために必要なのが生産性の向上です。
ではどうすればオフィスや工場で、今より高い成果を出すことができるのか、見ていきたいと思います。
ArayZ No.104 2020年8月発行タイ現地化4.0 - コロナ禍とその後を生き残る、生産性高い組織の作り方
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THAIBIZ編集部
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