ArayZ No.73 2018年1月発行タイの労務 -就業規則から解雇まで-
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カテゴリー: 組織・人事
公開日 2018.01.19
青木美知子
COACH A (Thailand) Co., Ltd.
Managing Director
東京海上火災保険株式会社(現 東京海上日動火災保険株式会社)商品企画部門にて、主に官公庁、団体、金融機関向けの新商品開発、および新規マーケットへの参入戦略立案などに携わる。その後、グループ傘下の生命保険会社に出向。カスタマーサービス事務の企画・運営、およびコールセンターの立ち上げに参画。100人規模の組織を率いながら組織拡大を図る中でコーチング・マネジメントを実践する。株式会社コーチ・エィ執行役員。
下川 前編では、タイ人エグゼクティブのコーチングに対する認識の深さについて知りました。また、日本人経営者にこそコーチングを活用してもらいたいというお話を伺いましたね。
青木 例えば、子供の教育をまるごとアウトソースしたりはしませんよね。親が子供の育つ家庭環境を整えようとするのと同じで、社員が育つ環境・文化をつくるかどうかはトップマネジメント次第です。「タイ人社員の行動は自分たち日本人マネジメントの関わり次第で変わるのではないだろうか」と考えておられる日本人経営者の方は、コーチング・マネジメントを導入され、部下の能力、やる気、アイディアをより引き出されています。
下川 いつも思うのは、日本人経営者は組織のお悩みを相談できる先が限られているということです。現地化を推進したい日系企業は、即戦力となる優秀なタイ人材を採用されます。
しかし人材にどれだけの専門性と技術があっても、既存の組織が必ずしもその新しい人材を受け入れるとは限りません。タイ人材側も、うまく環境に適合できない悩みを相談できる先がなく、SOSが日本人経営者まで届かずに泣く泣く退社されるケースがあるのも事実です。
青木 人は関係性の生き物です。どんな関係性の中でその方の〝優秀さ〟が引き出されるのか、新しい環境でその優秀さを発揮するには、周りの人々とのどのような関係性をつくることがそれにつながるのか。その環境づくりにおいて、日本人マネジメントをサポートするのが、私たちのご提供している「システミック・コーチング」です。
下川 エグゼクティブ・コーチングでは、コーチングの対象者に関するアンケートやインタビューを社内外で行うことで、周りとの関係性をデータからも明らかにするそうですね。
青木 そうです。アンケートの質問内容はクライアントご本人がコーチとともに考えます。ですから本当に聞きたいことに対する回答が返ってきます。経営者なら誰しも常に最善の経営判断をしようと組織運営をしていると思いますが、それがどんな現実を作り出しているのか、アンケートはこれをタイムリーに把握することに繋がります。想定と大きく異なる現実が出てくることもありますが、コーチはそれに対して「宝の山と思って一緒に見てみましょう」と語りかけます。そこから、より勝率の高い決断に向けて対話が始まります。
自分が率いる組織が「こうなってほしい」と思う組織に近づいていく実感を持てることは、経営者の皆様にとって大きな価値があることだと感じています。
下川 日本人経営者とタイ人材の双方にコーチを付けることが、組織改革の有効なソリューションのひとつになりそうです。
下川ゆう yu shimokawa
en world Recruitment (Thailand) Co., Ltd.
日系チーム チーム・マネージャー
立教大学卒業。大手人材紹介会社の東京本社で経験後、2009年に来タイ。以来、在タイ日系企業への人材紹介に従事。顧客企業の組織発展のための採用支援を得意とし尽力している。
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THAIBIZ編集部
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