ArayZ No.126 2022年6月発行ESG投資を呼び込むカーボンニュートラル
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公開日 2022.06.10
みずほ銀行バンコック支店メコン5課が発行する企業向け会報誌 『Mekong 5 Journal』よりメコン川周辺国の最新情報を一部抜粋して紹介
橋本 裕輝 | グローバルトランザクション営業部 バンコック駐在 調査役
A社:4月に入り、販売先である完成品メーカーから2022年度の生産計画の通達がありました。今年度は計画回復に加えて、サプライチェーン分断リスクに備えるための在庫積み増しを検討しているようです。当社に対しても、昨年度と比べて発注量を増やす計画でした。
橋本:貴社の運転資金が増加すると思いますが、お借入についてはどのように考えていらっしゃいますか。
A社:当社では中期経営計画で有利子負債残高目標を設定しており、本社財務からの指示で期末の有利子負債残高を抑えることが求められています。運転資金の借入を避けるため、仕入先に対して支払期間を延⻑してもらえないか交渉しましたが、応じてもらえませんでした。何かいいアイデアはないでしょうか。
橋本:貿易金融の活用をご検討されてみてはいかがでしょうか。支払期間の延⻑は仕入先にとっては回収までの期間が⻑期化するので、資金負担の増加に繋がります。その反面、貴社が仕入先の資金負担を抑えるソリューションを仕入先に提案できれば、支払サイト延伸を受け入れてもらえる可能性があります。
具体的には、貴社が確約したインボイス期日の支払いに基づき、仕入先が貴社に対する売掛金を銀行で割引するソリューション(サプライチェーンファイナンス)や、貴社の依頼に基づき、銀行が期限付き信用状を仕入先に発行し、仕入先が信用状を取引銀行で割引するソリューション等があります。
※仕入先への支払期間延⻑に関して、中小企業保護の観点から対象先や期間について制限がある国・地域もあります。
A社:今一度、仕入先に相談してみたいと思います。それに伴い、販売先に対しても回収期間短縮を交渉したいと考えていますが、留意しておくべき点はありますか。
橋本:貴社が保有されている売掛金を銀行で割引するというソリューションがあります。会計士にご相談いただくことが必要ですが、一定の条件が揃っていれば、割引を行った場合においても決算書上で有利子負債として認識をしなくていいケースもございます。
やや専門的な話になってしまいますが、銀行に対してノンリコース(遡求権なし)で売掛債権を割り引きした場合、貴社としては売掛債権を売り切り、その代金を回収(経理の仕訳上も売掛債権を回収)することができる可能性があります。ノンリコースとは、たとえば販売先が信用不安により倒産してしまい、代金支払が行われなかった場合、銀行からは貴社へその分の代金を請求することはないというものです(図表1)。
有利子負債認識の要否については、各商品の内容や各国法令等にもよるため、詳細は会計士の方ともご相談ください。
A社:いろいろとアイデアをありがとうございます。銀行へ相談を行う際には、具体的に何を準備しておけばいいのでしょう。
橋本:貴社の主要な販売先や仕入先に関して、社名、所在国、取り引きボリューム、決済方法、支払・回収期間について整理いただいた上で相談いただくのがいいかと思います。また事業計画や財務目標を踏まえたファイナンス計画を立案される際、一般的な短期借入のみならず、今回ご紹介させていただいた貿易金融ソリューションが有効なケースもあります。
当社ではこの他、様々なファイナンスソリューションをご提供しておりますので、資金調達方法でお困りの際にはお気軽にご相談ください。
ドルバーツの上値は重い展開を予想。米連邦準備理事会(FRB)は6月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げする見込みだが、市場は織り込み済み。インフレ抑制に向けた早急な金利引き上げが警戒されているが、価格上昇に伴う需要の減退を通じてインフレの自然後退も考えられ、過度に悲観的に見る動きが弱まることで、エマージング通貨にサポーティブな環境を予想。一方、米金利上昇に伴うドル高も十分に考えられ、大きな値動きには引き続き注意したい。
USDVND相場は、引き続きVND売り圧力が継続する可能性が高い。中期的には、貿易黒字や金融収支黒字を背景に緩やかなVND高を想定するものの、足許はベトナム中銀のVND安許容スタンスが後ろ盾となり、USDVNDは上値をトライすることが予想される。2020年以降は、米国からの為替操作国認定問題を意識し、VND高許容スタンスを継続してきた中銀であるが、中長期的な方針転換の有無については要注視。ウクライナ侵攻のロシアに対して一定の配慮を見せているが、米国の関与を憶測する声もあり、今後どのようなスタンスを見せるか。
引き続き、中銀規制による事実上の固定相場化の影響で1USD=1,850MMKで推移することが予想される。中銀が公表する4・5月の取引データを見ると、銀行間取引が増加したように見えるが、これは銀行と事業法人の為替取引を円滑にするための中銀の指示によるもの。実際の為替取引は平均USD50Mio程度の取扱高となっており、規制対応による混乱は見られたものの、強制兌換が地場銀行を中心に粛々と進んでいることの裏付けとなっている。
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