特許法に基づく出願開始

THAIBIZ No.157 2025年1月発行

THAIBIZ No.157 2025年1月発行日タイ企業が「前例なし」に挑む! 新・サーキュラー エコノミー構想

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特許法に基づく出願開始

公開日 2025.01.10

はじめに

2019年3月11日に特許法が公布された。しかし、その後、施行されない状況が続いていた。そのような中、国家行政評議会(SAC)が、2024年6月1日に2024年通知第106号において特許法の施行を発表した。その後、特許法施行規則が2024年6月4日に公布された。

2024年10月22日、知的財産権庁は関連する申請および登録料を発表し、2024年10月31日、知的財産局は特許および実用新案の出願が可能になったことを発表した。

特許法の概要

特許法の概要は以下のとおりである。

1. 特許を受けられない発明

コンピュータ・プログラムや、新規な用途および新規な特徴を含む自然界に存在する物などの他、TRIPS協定により2033 年1月1日までに保護されない医薬品またはその製造方法に関する発明も含まれる。(特許法第14条)

2. 出願書類

特許権の出願について必要書類は以下のとおりである。

a. 登録出願申請書(英語またはミャンマー語)

b. 出願人による署名の付された翻訳文(登録官から要求された場合)

c. 法人の登記番号、種類、設立国(法人が出願する場合)

d. 優先権証明書、優先権の存在を示す確たる証拠(優先権を主張する場合)

e. 博覧会出品を示す確たる証拠(博覧会出品の仮保護を主張する場合)

f. 共同出願人の同意書(共同出願人の1人が他の共同出願人を代表して願書に署名した場合)

g. 宣言書(伝統的知識の合法的使用、または当該資産の直接的/間接的な使用である場合)

h. 公開請求(早期公開を求める場合)

 i. 明細書

 j. 発明の図面(任意)

3. 存続期間

特許権の存続期間は出願申請日から20年間である。特許権または特許出願を維持するためには、所定の年次手数料を以下の手順に従い納付する必要がある。

a.次の年の登録出願申請日までの6ヶ月以内に所定の年次手数料を支払う。

b.次の年の登録出願申請日以降でも6ヶ月の猶予期間内であれば所定の年次手数料と延滞料を支払うことで権利が維持できる。

4. 優先権主張

基礎出願から1年以内である。パリ条約または世界貿易機関(WTO)のいずれかの加盟国においての特許出願が基礎出願として認められる。(特許法第43条)

5. 審査

出願人は、出願日から36ヶ月以内に審査請求を行う。(特許法第26条)

登録官は、他国対応出願の審査・登録情報を出願人に要求できる。(特許法第38条)

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TNY国際法律事務所 (ミャンマー)
代表弁護士

堤 雄史 氏

会社設立、合弁契約書および雇用契約書などの各種契約書の作成、M&A、紛争解決、商標登記等のミャンマー法に関するサービスを提供している。ミャンマー法令データベース(www.myanmarlawdb.com)事業も運営している。

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