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公開日 2026.01.20
タイホンダは1月9日、一般消費者向けの電動二輪車(EV二輪)「New Honda UC3」を、世界に先駆けてタイで発売すると発表した。都市生活者の日常利用を想定したEV二輪で、家庭用電源によるプラグイン充電に対応する。
価格は13万2,600バーツ(政府EV補助金適用後)。満充電までの充電時間は約9時間で、20%から80%までは約5時間(450W充電時)とされる。航続距離は最大122キロメートルで、通勤や市内移動など短距離利用を主な用途として設計されている。発売は2月を予定する。
同社は車両投入と同時に、EV二輪専用の充電スポットを商業施設やホンダの販売・サービス拠点を中心に設置し、2026年中に230ヵ所、2029年までに全国800ヵ所へ拡大する計画を明らかにした。

ホンダの二輪・パワープロダクツ電動事業統括部長、三原大樹氏はEV二輪について、「エンジン車を併存させながら、各市場の実情に合わせて展開していく」と述べ、EV時代においてもタイを主要な生産・販売拠点として位置づける考えを示した。
2025年のタイ国内二輪市場は約173万台規模で、タイホンダは約140万台を販売し、37年連続で国内シェア首位を維持。2026年は市場規模を168万〜173万台と見込み、同社は136万〜140万台の販売を目標としている。
タイの二輪市場では依然としてガソリン車が主流だが、シェア首位の同社により一般消費者向けEV二輪の価格、充電時間、充電インフラ整備計画が具体的に示されたことで、都市部におけるEV二輪という選択肢が、より現実味を帯びてきた形だ。
タイの大型公共工事現場で発生した2件の建設用クレーンの倒壊事故について、1月15日付のクルンテープ・トゥラキットが伝えている。
1月14日には、タイ東北部ナコーンラチャシマー県のタイ・中国高速鉄道建設現場でクレーンが倒壊し、走行中の旅客列車に衝突。列車は脱線し、火災が発生した。進捗率約99%で、完成間近の段階だった。翌15日には、サムットサーコーン県ラマ2世通りで進む高速道路特別路線82号線(高架)工事において、コンクリート桁と架設用クレーンが落下し、走行中の車両を直撃。
両案件はいずれも、タイ最大ゼネコンの一つであるイタリアンタイ・デベロップメント(ITD)が施工を担っていた。
ITDが関与する建設事故はこれまでにも多発している。運輸省高速道路局のデータによると、ラマ2世通りを含む国道35号線区間では、2018年以降に交通事故が2,500件以上発生しているという。2021年には同社の作業員が高架工事中に転落死し、2025年には別の高架道路工事で構造物が崩落、死者を伴う事故も起きていた。
こうした中、タイ構造エンジニア協会(TSEA)のアモーン会長は、大型公共工事が市街地や交通量の多い公共空間で進められているにも関わらず、安全基準や監督体制が十分に機能していない実態に言及。重大事故が発生しても、発注機関からの正式な提案がなければ、施工業者をブラックリスト登録できないという制度運用の仕組みも明らかになった。
一連の事故は、個別企業の安全管理にとどまらず、タイの大型公共工事を支える契約制度や行政プロセスの構造的な問題を改めて映し出している。
同紙によると、アヌティン首相はこの事態を重く受け止め、運輸省に対し、ITDと締結しているこの2件の事業契約を解除するよう指示。また、同社に対する法的措置の遂行のほか、公共事業におけるブラックリストへの登録を検討しているという。
1月12日付のバンコク・ポストは、米国によるベネズエラへの軍事介入を受け、地政学的緊張が国際貿易とエネルギー市場に不確実性をもたらしていると報じている。
タイ船荷主協会(TNSC)のタナコーン会長は、今回の事態について「短期的に全面的な貿易戦争に発展する可能性は低い」としつつも、原油や金融市場の変動性が高まるとの見方を示した。
ベネズエラは世界有数の産油国であり、情勢不安は原油価格の振れを通じて、物流費や保険料の上昇につながりやすい。こうした環境下では、企業の投資判断や受注行動が慎重化し、国際貿易全体のマインドに影響を及ぼす可能性があるという。中期的には、米国が制裁を強化した場合、エネルギーや一部コモディティの供給網に調整が迫られる可能性も指摘されている。
一方、クルンタイ銀行の調査会社クルンタイ・コンパスは、タイへの直接的な貿易影響は限定的としつつ、原油価格、為替、物流コストといった間接的な波及には注意が必要だと分析する。特に、化学、石油化学、鉄鋼、プラスチックなどエネルギー使用量の多い産業や、米中市場への依存度が高い電子・電機、自動車部品分野は影響を受けやすいとした。
1月9日付のバンコク・ポストによると、タイ政府は2050年までに半導体分野への投資額を2兆5,000万バーツ規模に拡大する国家戦略を公表した。23万人以上の高度人材育成と、産業システム構築を掲げている。
戦略案はタイ投資委員会(BOI)が策定し、2030年、2040年、2050年の段階的な目標を設定。BOIのナリット長官は、電力半導体、センサー、フォトニクス、ディスクリート・アナログ半導体を重点分野とし、自動車、エネルギー、データセンター、産業用途向けの既存サプライチェーンと連動させる考えを示した。
半導体を含む電機・電子産業は、タイ輸出全体の約25%を占める主要産業だ。2024年の電子関連輸出額は1兆8,600億バーツで、このうち半導体は4,360億バーツを占めた。近年は、インフェニオン、アナログ・デバイセズ、マイクロチップ・テクノロジーなどがタイで事業を拡大。政府は今後、組立・検査や集積回路(IC)設計といった強み分野に加え、ウエハー製造など上流工程への投資も促す方針としている。
世界的にはEV、再生可能エネルギー、AI、スマート製造向け需要が半導体市場を押し上げており、タイ政府はこうした潮流を背景に、中長期での産業基盤強化を図る構えだ。

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 和島美緒

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