25年新車販売、3年ぶり増加 ~62万台、日系のシェア7割下回る~

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25年新車販売、3年ぶり増加 ~62万台、日系のシェア7割下回る~

公開日 2026.03.06

NNA掲載:2026年2月2日

トヨタ自動車のタイ法人、タイ国トヨタ自動車(TMT)が1月30日に発表した2025年のタイの新車販売台数は前年比8.5%増の62万1,166台だった。前年の26.2%減から持ち直し、3年ぶりに増加へ転じた。政府の電気自動車(EV)支援策により、中国系ブランドが大幅なプラスとなり、全体を押し上げた。その結果、日系ブランドのシェアは69.3%と7割を下回った。TMTは、26年の新車市場が1.4%増の63万台となり、緩やかに回復していくと予想した。

ブランド別販売台数は、トヨタが4.4%増の23万38台、市場シェア37.0%で首位となった。2位のホンダは3.4%減の7万3,942台。3位のいすゞ自動車は、商用車が落ち込み14.2%減の7万3,465台となった。

4位以降は、中国の比亜迪(BYD)が47.5%増の3万9,856台、上海汽車集団(SAIC)傘下のMG(名爵)が56.7%増の2万7,007台と、中国系ブランドが続いた。

このほかの日系ブランドは、三菱自動車が3.5%減の2万6,369台、日産自動車が2.9%減の9,153台。日系ブランド合計では、2.0%減の43万734台。市場シェアは69.3%で、前年比7.4ポイント減となった。

車種別では、乗用車がEV普及奨励策「EV3.0」に後押しされ、6.7%増の23万9,236台となった。商用車(スポーツタイプ多目的車=SUV=含む)は9.6%増の38万1,930台だった。

1トンピックアップトラックは6.2%減の18万7,733台となった。このうち、従来型のピュアピックアップは12.0%減の14万3,817台に沈んだ一方、ピックアップトラックをベースにした乗用車「乗用ピックアップ(PPV)」は、19.2%増の4万3,916台と健闘した。

タイの自動車産業に精通している国士舘大学の助川成也・政経学部教授は、NNAに対して「日系のシェアが7割を切ったのは衝撃的な数値だ。しかし、タイの消費者調査によれば、今後5年間のEV購入意欲は非常に強く、以前の水準(日系が8~9割)に戻ることはないであろう。EV消費は、一過性のブームではなく、内燃機関車とEVのすみ分けの時代を見据える必要がある」と語った。

ただ、中国の完成車メーカーは中国から進出した系列部品メーカーから調達しているが、輸入部材をほとんど加工しないケースも多く、タイ既存企業との取引は限定的だ。このため、タイの部品産業への影響が一層、深刻になるとみる。

25年12月販売、9カ月連続増

25年12月の新車販売数は、前年同月比39.1%増の7万5,121台に伸長した。9カ月連続でプラスとなった。EV3.0の期限が迫ったことや、11月下旬から12月上旬にかけて開催された自動車展示・販売会「第42回タイ国際モーターエキスポ2025」が追い風となり、大幅に伸びた。

日系ブランドは14.0%増の4万9,519台で、シェアは65.9%だった。

26年の新車販売は63万台予測

26年のタイの新車販売台数について、TMTは前年比1.4%増の63万台になるとの見通しを示した。内訳は、乗用車が6.2%減の22万4,500台、商用車が6.2%増の40万5,500台を見込む。

同社は、国内の経済・政治情勢に加え、世界経済の先行きが販売や輸出に与える影響を注視する必要があると指摘した。家計債務の高止まりで債務返済能力への警戒感が強まるなか、金融機関の融資基準と金利政策の方向性が、市場動向を左右する重要な要因になるという。

一方で、民間投資の改善に加え、公共支出と民間支出の拡大を促す政府の景気刺激策、インフラ関連投資の拡大、自動車産業への支援策が需要を下支えするとみる。新型車投入や各メーカーの販促策も追い風になるとした。

トヨタ、26年は生産増目標

TMTは自社の26年の生産と販売目標も発表した。生産目標は前年比12%増の63万3,850台、輸出台数は19%増の42万5,000台とした。販売目標は6%増の24万3,000台。内訳は、乗用車が2%減の8万550台、商用車が10%増の16万2,450台としている。商用車のうち、1トンピックアップトラックは18%増の9万9,800台。

一方、25年の生産実績は前年比5%増の56万4,933台、輸出台数は6%増の35万8,135台だった。

※関連記事:2025年12月のタイの新車販売台数(表)

>>本連載「タイビジネスインサイト」の記事一覧はこちら

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