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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ONE ASIA LAWYERS - ASIAビジネス法務
公開日 2025.05.02
ミャンマーでは、2024年5月31日に特許法が施行されました。これにより、2010年代から日本政府が整備支援を行ってきた知的財産関連四法(商標法、意匠法、著作権法、特許法)がすべて施行されたことになります。
本稿では、施行から1年を経過したミャンマーにおける特許法施行の状況と、その概要について解説します。
2019年3月11日、ミャンマー特許法(Pyidaungsu Hluttaw Law No. 7/2019)が成立し、物および方法の発明保護に関する法的枠組みが整備されました。
同法は、2024年5月31日に国家統治評議会(SAC)通達第106/2024号に基づき正式に施行されました。
施行に伴い、2024年6月4日付通達第43/2024号により、特許および実用新案に関する要件および手続を定めた特許規則を公布されました。
さらに、2024年7月19日付通達第54/2024号により、特許・実用新案出願に使用する公式様式が公表され、2024年10月22日には通達第2/2024号に基づき、特許および実用新案の手数料等に関する手数料表が公示されました。2024年10月31日に特許および実用新案の出願が可能になったことを発表されています。
特許法の概要については、図表1の通りです。
出願者は、直接または現地代理人を通じて、電子的または郵送による特許および実用新案の出願が可能となりました。
国営紙「The Global New Light of Myanmar」によれば、特許法施行後の2024年11月に、ミャンマーで初めて特許出願が正式に受理されたと報じられています。
なお、ミャンマーは現在、特許協力条約(PCT)およびパリ条約を批准しておらず、これらを利用した出願は受け付けられていません。ただし、世界貿易機関(WTO)加盟国における先願に基づく優先権主張は、当該出願日から1年以内であれば認められています。
今後、同国における特許出願の本格的な増加が期待されており、ミャンマーでの特許および実用新案制度の積極的な活用が推奨されます。
One Asia Lawyers パートナー弁護士 (日本法)
ミャンマー拠点代表
佐野 和樹 氏
2013年よりタイで、主に進出支援・登記申請代行・リーガルサポート等を行うM&A Advisory Co., Ltd.で3年間勤務。2016年よりOne Asia Lawyers設立時に参画し、ミャンマー事務所・マレーシア事務所にて執務を行う。2019年にミャンマー人と結婚。現在はミャンマーに居住し、アジア法務全般のアドバイスを提供している。
One Asia Lawyers
One Asia Lawyers Groupは、東南アジア・インドの法律に関するアドバイスを、アジア各国のネットワークを基礎として、シームレスに、ワン・ストップで提供するために設立された法律事務所です。
Website : https://oneasia.legal/office/thailand
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