
連載: タイ企業経営者インタビュー
公開日 2026.06.10 Sponsored
タイの商業用不動産業界をリードする、大手不動産デベロッパーの「ピラットブリー(BHIRAJ BURI)グループ」。働き方が多様化するいま、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すオフィス環境の整備は、企業にとって重要な課題のひとつとなっている。
同グループの最高経営責任者(CEO)であり、オフィスビル開発のスペシャリストでもあるピティパット・ブリー氏に、同グループの歩みや最新の動向に加え、成果を上げる空間の条件、今後の展望について話を聞いた。

目次
ピティパットCEO:当グループは、40年以上の歴史をもち、4世代にわたり受け継がれてきた商業用不動産開発・管理会社です。不動産事業の川上から川下までを一貫して手がけ、生活のあらゆる場面を豊かにするため、主に4つの柱に分けて事業を展開しています。
代表例にはプロンポン地区のショッピングモール・エムクオーティエにあるオフィス施設「ピラット・タワー」、大規模な国際展示場・会議センターである「バイテック」、カフェや緑地エリアからなる複合施設「サマ ガーデン」をはじめとした数多くのプロジェクトがあります。現在、管理している不動産の総面積は80万平方メートルを超えています。
当グループは「持続可能な都市生活の創出と統合」を最終的な目的としており、
上記3つの理念を掲げています。
ピティパットCEO:以前は「立地」が最優先事項とされ、特に日系企業の間では「オフィスはサトーン地区にあるべき」という考えが根付いていました。しかし、いま、そのトレンドは大きく変わり、オフィスビルには働く人の多様なニーズに合わせた機能や品質が求められています。
このトレンドに合わせて、当グループもワーク×ライフへのより多くの希望に応える「ミックスユーズ」開発へと移行。これは仕事と休息、生活をひとつのビル空間に最適に組み合わせる手法を指し、働く人の業務効率の向上と幸福度の充足を同時に叶えることを目指しています。
ピティパットCEO:日本の会社が提唱している「垂直都市(Vertical Cities)」という思想からヒントを得ました。空間は食事、休息、運動といったあらゆるニーズに応えるべきであるという考えに基づき、移動時間を減らし、生活の質と効率を高めるというものです。
働き方もかつての8時から17時という慣習から変わり、勤務時間はフレキシブルで、終業が夜間のケースも少なくありません。そのため、当グループはオフィスの空間設計に柔軟性をもたせました。
たとえば、ロビーにはリラックスできる雰囲気をつくり、コーヒーを飲みながら顧客と談話したり、従業員が階下に降りて気分転換を図れたりと、さまざまなシーンに応えるようにしています。単なる四角い箱のような従来のビルではなく、その空間を利用すること自体に喜びと価値を見出せるようにしています。

ピティパットCEO:日系企業は10年、20年といった長い期間の賃貸借契約をする傾向があります。最も重視するのは、単に建物が新しいことではなく、デベロッパーに対する信頼であり、将来にわたって適切に管理が行われるという安心感です。最近はビルのオーナーとテナント企業が空間を共につくり上げることも新たな潮流として見られ、当グループもアフターサービスを最優先事項と捉えています。
ピティパットCEO:デジタルインフラへの投資は積極的に行っています。さらに空間利用の動向をリアルタイムで分析するデータベースも活用。たとえば、オフィス内の混雑する時間帯を日ごとに割り出すことで、管理会社による迅速なサービスを提供できます。部屋の空気の質(温度や湿度、気流など)や、ゴミや不用品の排出量を表示するダッシュボードを備え、より快適な空間の維持を実現しています。
ピティパットCEO:単なる美しさではなく、いかにその空間を効率よく、最大限に活用できるかが核心となるでしょう。従業員のパフォーマンスを向上させるためには実際のニーズに沿った設計が要となります。その際には各企業の「働き方」や「企業文化」に寄り添っていなければなりません。
特に、業務のシーン別に求められるものは大きく変わります。作業に没頭する際に必要な集中ブース、社内対話を活発にするオープンエリア、会議でアイデアを出し合う時にはワークショップルーム。このように働く人のニーズを理解した環境をつくることが、それぞれの能力を最大限に引き出すことにつながるでしょう。
ピティパットCEO:新型コロナウイルスの流行以降、当グループは大規模な新規プロジェクトを見合わせ、既存のオフィスビルの価値向上に取り組んでいます。同時に、今後はBtoC分野への事業拡大にも注力していきます。具体的には、ホテル事業の「Live」、健康やスポーツ分野の「Play」、飲食事業の「Eat」といったグループです。
これらを連携させたエコシステムを構築し、ケータリングや緑化サービスなどの付加価値を提案していく。そうしてオフィスビルのテナント企業に対し、ほかにはない優れた体験の提供を実現していきます。
ピティパットCEO:タイと日本は根底の価値観に多くの共通項があると思います。その価値観を大事にしながら、持続可能なパートナーシップを築くために、私は3つの要素を重視しています。それは「ビジネスにおける価値観とビジョンの合意」「補完し合い整合性の取れた運営」「明確な役割分担」です。
こうしたことを共有できれば、将来的に経済状況やテクノロジーがどう変化したとしても、より強固な関係を維持できるでしょう。お互いのビジネスをさらに発展させるすばらしい機会をつくれるのではないかと考えています。
ピティパット・ブリー 氏(Mr. Pitiphatr Buri)
CEO, BHIRAJ BURI GROUP
インペリアル・カレッジ・ロンドンにて土木工学修士号を取得。英国でのエンジニア経験を経て 2022年よりピラットブリー(BHIRAJ BURI)グループの最高経営責任者(CEO)を務める。同グループの2代目代表として不動産開発や大規模施設運営などを指揮する。

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 杉浦亜希子


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