Japan Agri Challenge Asia Co. Ltd.  迫田  昌

ArayZ No.116 2021年8月発行

ArayZ No.116 2021年8月発行タイ農業 振興への道筋

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Japan Agri Challenge Asia Co. Ltd. 迫田 昌

公開日 2021.08.09

迫田 昌 Sho Sakota Managing Director

1987年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。イギリス・ロンドンでの語学留学後、再生可能エネルギーの事業に携わってドイツやマレーシア、タイ、ラオスを回り、2015年に会社設立。Japan Agri Challenge(Thailand)が生産、Japan Agri Challenge Asiaが流通、販売を担う。


迫田さんが手掛けている事業の概要を教えてください

びじんトマト

タイではほぼすべての大手スーパーで取り扱われているほか、
Line@bijin_jp から注文・宅配(購入金額・地域によっては送料無料)も可能

「びじんトマト」というブランドでタイで日本品種のミニトマトやトマトジュースを生産、販売しています。

農場はペチャブン県に10ライ、チェンライ県に14ライ保有しています。出荷量は年間でおおよそ100t。流通も自社で行っており、週2回チェンライ、ペッチャブーンから冷蔵車でそれぞれバンコクまで運び、お客様の元へ配送しています。

農場では土に植える土耕栽培ではなく、ココナッツのヤシガラを培地にした隔離栽培をしています。そうすることで万が一土壌病害が発生しても、ハウス全体に広がるのを防ぎます。

タイは1年を通して気温が暖かいため1年中栽培でき、農場には種をまいたばかりのものから、収穫が終わりそうなのものまで様々な状態のミニトマトがあり、収穫は週2回行っています。

トマトは元々、南米アンデスの高地が原産です。タイの冬は冷涼で乾燥して日差しもあるため栽培に適しており、ミニトマトの生産量も糖度も上がります。逆に夏は雨が降り日照も少なく、気温が高いので栽培は難しいです。生産量もピーク時の3分の1くらいになります。

東京出身の迫田さんが農業に参入した理由とは?

24歳の時、再生可能エネルギーの事業に携わり、ラオス南部のメコン川に浮かぶ小さな島に小水力発電所を作りに行きました。電気が通っていないため、昼間は水路を掘る土木作業をし、夜は灯油ランプの下でラオス人と一緒にお酒を飲みました。そこである日、島でもち米の田植えを手伝うことになりました。太陽の下でラオス人と汗を流しながら田植えを終えた時、本当に爽快で気持ち良かったんです。この楽しさを一生続けたいと思い、農業に関心を持ち始めました。

その後、大学時代の先輩が長野県で農業を始めたことをSNSを通して知り、意気投合して一緒に創業することになりました。

タイの市場でどんな野菜、果物にチャンスがあるのか、スーパーなどで市場調査をすると、美味しいトマトが手軽に手に入らないことが分かりました。タイ料理にあまり使われておらず、タイ人に聞いても美味しくないから食べないと言います。それなら、美味しいトマトを作ればタイの人も食べてくれるはず、将来の市場を作ろうと考えました。

海外に出たきっかけを教えてください

大学卒業後、就職もせずにうどん屋でアルバイトをしながらバックパッカーとして海外を旅して回る生活をしていました。そんな中、昔から親交があった大手企業で社長を務められている方とお会いする機会がありました。近況などを話すと、「シンガポールに法人を設立するから行ってみないか」と誘っていただきました。

その時は行きたいと思いましたが、「やりたいですが英語も話せないですし…」と曖昧な返答をすると、その方に「やる前からできないと言っている人にできるわけがないから、やらなくて良いよ」と言われました。

その一言で自分の中で一気にスイッチが入りました。即座に「やります。ただ英語を勉強する時間をください」と言い、すぐにロンドンの語学学校に留学しました。結局、その会社のシンガポール法人立ち上げの話はなくなったのですが、あの一言がなければ海外で生活するという選択をしなかったと思います。

新型コロナウイルスでどのような影響を受けましたか?

飲食店向けの売上が大きく減りました。去年は特に収穫がピークの時に感染が広がり、たくさんのミニトマトが余りました。また新規で見込んでいたマレーシアや香港での取引も止まってしまいました。昨年はクラウドファンディングでも支援をいただき、事業を続けてきました。今年も影響は続き、生産も今はリモートで管理しています。

 

今後の事業展開を教えてください

大きく3つの構想があります。

まず加工品の開発です。トマトジュースに加えてラインナップを増やしていきます。ドライトマトやトマトケチャップなどを考えています。

次にトマトを使った料理レシピの開発、食べ方の提案です。タイ人にも食べてもらえるよう、特にタイ料理とのコラボレーションを進めていきたいです。

最終的には飲食業への進出です。トマトをキーワードとした店舗を展開し、農業の6次産業化をタイで実践していきたいと思います。日本品質の食材でタイの食生活をより豊かにしていくことが目標です。

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THAIBIZ編集部

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