カテゴリー: 会計・法務
公開日 2015.04.05
ISOは企業が必要とするマネジメントシステム、つまり経営管理の仕組みとして存在する。なかでもISO9001は、仕事の流れの質を高めるためのマネジメントツールであり、その原則は8つからなる(図表3)。
関連するISOについて、ISO9001では基本および用語の解説、ISO9001では規格要求事項、ISO9004ではパフォーマンス改善の指針、ISO9011では品質・環境監査の指針が記述されており、審査はISO9001の規格要求事項に基づいて評価されることとなる。
ISO9001には、①組織が顧客要求事項および適用される法令・規制要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力を実証する場合②品質マネジメントシステムの継続的な改善を含む効果的な適用、ならびに顧客要求事項および適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通じて、顧客満足の向上を目指す場合―の要求事項が記述されている。
これら要求事項は汎用性があり、業種および形態、規模、提供する製品を問わず、あらゆる組織に適用できるように作成されており、その構成項目は①品質マネジメントシステム(一般、文書化、記録)②経営者の責任(経営者のコミットメント、顧客重視、品質方針、責任・権限)③資源の運用管理(要員の力量、教育・訓練、インフラストラクチャー)④製品実現(計画、設計・開発、製造・サービス提供、保存、トレーサビリティ(追跡調査))⑤測定、分析および改善(顧客満足、内部監査、製品・プロセスの監視・測定、継続的改善、是正処置、予防処置)―がある。上記の②経営者の責任③資源の運用管理④製品実現⑤測定、分析および改善―を繰り返し行うことで、〝品質マネジメントシステム〞の継続的改善へとつながっていく(図表4)。各プロセスではPDCAサイクル(Plan、Do、Check、Act)が実施されていることになる。
ISO9001では〝品質マニュアル〞を作成することが求められている。その内容は①品質マネジメントの適用範囲。除外がある場合はその詳細と正当な理由の明記②品質マネジメントについて確立された、文書化された手順、またはそれらを参照できる情報③品質マネジメントシステムのプロセス間の相互関係に関する記述―となっている。
ただ、この品質マニュアルはISOの規格通りに作成すればよいということではない。まずは今まで行ってきた業務をまず整理、その後に規格の要求事項と照らし合わせ、今までの業務プロセスに足りないところを補っていく。そして、品質マニュアルを定期的に見直す手順を組み込んでおけば、見直し業務の中で社内の意識向上が見込める。さらには新しく来た者への教育資料としても活用できること
となる。外部に対しても〝しっかりとした品質マネジメント〞を行っていると示すこととなり、顧客からの信頼感を得ることにもつながる。
ISO9001を取得するということは、①経営のリーダーシップが発揮されている②業務がプロセスで管理されており〝全体最適化〞が実現③業務と人が〝標準化〞されている④業務の継承ができる⑤業務が〝見える〞=可視化⑥失敗に学ぶ風土がある(継続的改善)⑦監視機能がある⑧トレーサビリティーが可能⑨是正処置・予防処置が機能している―以上が有効となっている組織であり、「組織の管理が良質であること」を証明するものとなる。(図表5)
THAIBIZ編集部
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