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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2015.06.16
インフラ網は道路だけではない。タイには在来線として国鉄が張り巡らされており、昨今話題の〝高速鉄道プロジェクト〞も動き出そうとしている。また、バンコク都内には高架鉄道(BTS)と地下鉄(MRT)が走り、沿線拡大プロジェクトも着々と進んでいる。
資金・技術的にインフラ整備に携わってきた、国際協力機構(JICA)タイ事務所・池田修一所長と宮原藍所員に、タイ国内とバンコクの交通インフラ網について話を伺った。
都内の交通渋滞が激化してきた1980年代から、都市交通整備を目的に案が上がっていたバンコクの首都鉄道計画。95年にタイ運輸省が策定したマスタープランは、現在も有効だ。
池田氏は「マスタープランはバンコク中心部とその周辺を繋ぐ交通計画として策定されました。現在、運行されているラインのほか、JICAが関わっているパープル、レッドラインに加え、オレンジ、イエロー、ピンクラインもすべて盛り込まれており、そのマスタープランにのっとり、現在も計画が進められています」と話す。
バンコクの都市交通網として、タイ最初の地下鉄・ブルーライン(正式名称:チャラームラチャモンコン線)が日本のODAによって2004年7月に開通した。
「ブルーラインは1996年から04年にかけて、全18駅、20kmの区間で建設が行われ、〝チャラームラチャモンコン線〞として開通しました。累計約2200億円が融資され、トンネル建設、車両基地、レール軌道、駅構内の大部分の土木工事が円借款で行われました。当初このラインは高架鉄道の予定でしたが、道路に沿って建設される高架鉄道は現在のBTSアソーク駅と地下鉄スクンビット駅の交差部分で、技術的な整合性が取れず、また、土地収用の困難さも考慮し、ブルーラインの地下鉄案が浮上します。ただ、地盤が軟弱なバンコクでの地下鉄工事は難易度が高く、軟弱な地盤でも地下鉄を敷ける日本のシールド技術を起用することになりました。熊谷組や東急建設などの日系企業が主体となって工事を行い、併せて技術移転したほか、営団地下鉄(現:東京メトロ)などが専門家を派遣して、運行スケジュール管理などの技術移転も行われました。ブルーラインにはユニバーサルデザインの観点から障害者や高齢者へ配慮し、エレベーターやエスカレーター、スロープの設置に加え、安全性の向上や省エネを目的としてプラットホームにドアシールドが設置されています」(池田氏)。
THAIBIZ編集部
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