カテゴリー: 特集
公開日 2015.10.20
タイでもエコへの関心は高まっており、工場や倉庫、オフィス、駐車場、コンドミニ
アムなどの屋根に太陽光発電システムを設置するオーナーが増えつつある。
タイでの太陽光発電事情について、Panasonic Eco Solutions Sales (Thailand) Co,. Ltd(. 以下、PESSTH社)の小口隆二Managing Director、水島則彦Assistant General Managerに話を伺った。
小口隆二Managing Director
水島則彦Assistant General Manager
住宅やビル、工場、商業施設などの快適な環境を創造する技術、そしてエネルギーをマネジメントする技術を用いて、環境負荷を軽減しつつ快適に暮らせる社会の実現に貢献しているパナソニックのグループ会社、〝エコソリューションズ社〞。
タイ国内で太陽光発電関連製品を扱うのが、タイ現地法人のPESSTH社だ。
「タイへは約50年前から、当社グループとして当時は日本から輸出、現在は国内製造販売を中心に電設資材を提供する事業を行っています。1993年のPESSTH社(当時は松下電工タイ販社)設立から現在も、タイ建設市場への貢献に努めています」(小口氏)。
「タイにはシンガポール、フィリピンに次ぐ太陽光発電関連製品の需要規模があると予測しています。2012年、マレーシア・ケダ州のクリムに関連会社であるPanasonic Energy Malaysia Sdn.Bhd. (PECMY社)が設立され、アセアンにおける太陽電池生産のハブとなる、敷地面積7万㎡の工場を設けました。各国の販社を通じ、増販を目指しているところです」(水島氏)。
国の発展度合いによって差はあるものの、アセアンでもエコという概念が少しずつ浸透し始めている。実際にアセアン、およびタイにはどれほどのニーズがあるのだろうか。
「アセアンの太陽光発電関連市場について言えば、2015年を含めた今後4年間で少なくとも約3600MWの有効需要があると見ています。とはいえ、タイでは公共事業として行われるようなメガソーラーファームがメイン市場であり、この市場で主流になっているのは廉価性を武器にした中国製パネルです。当社としてはこの分野への参入ではなく、当社製太陽光電池モジュール「HIT」を工場や倉庫、駐車場などに屋根置きするタイプの市場を睨んでいます。メガソーラーファームに比べれば規模感は小さいですが、地道に販売数を増やしており、今年度の販売総容量は約2.5MWを見込んでいます」(小口氏)。
屋根置きタイプの太陽電池(PESSTH社提供写真)
太陽光発電で太陽光を電力に変換する太陽電池の種類は、シリコン系と化合物系の2つに大きく分けられる。シリコン系はさらに薄膜系、結晶系、ヘテロ接合型という3つに分類されている。
「当社の“HIT”はヘテロ接合型を採用しています(図)。ヘテロというのは〝異なる種類〞という意味で、アモルファス(非晶質)と単結晶シリコンの2つを指しています。一般的な太陽光発電パネルは結晶系のみでできていますが、当社の“HIT”は単結晶にアモルファスシリコン層を組み合わせることにより、面積あたりの出力が大きいという特性と、高温時での出力低下が少ないという特性を持ち合わせています。ほかの結晶系太陽電池よりも損失が少ない、つまり変換効率が高く、発電量が多い太陽電池を実現しました。
常夏のタイは発電量が多いと思われがちですが、実は太陽電池は温度上昇に弱く、モジュールの温度上昇とともに発電量は落ちてしまいます。一般的に示されている公称最大出力や変換効率といった数値は、太陽電池モジュールの温度が25度の時の数値となっていますので、実使用環境を加味した製品選びが重要となります」(小口氏)。
「太陽電池は無音、無振動、無排出(二酸化炭素など)であるほか、設置後のメンテナンスなどの面でオーナーへの負担が少ないのも特徴です。また、発電量はモニターを通して確認することができますので、エコへの活動を実感してもらえると思います」(水島氏)。
太陽光は最も身近な再生可能エネルギーで、その用途は多岐に渡っている。地球温暖化や化石燃料の枯渇など、地球規模で直面する問題に対する、クリーンで持続性がある再生可能エネルギーの活用が今、経済活動のあらゆる面で求められている。
Panasonic Eco Solutions Sales (Thailand) Co,. Ltd.
18th Fl. Silom Complex Bldg., 191 Silom Rd.,
Silom, Bangrak, Bangkok 10500
TEL : 02-231-3683~7
THAIBIZ編集部
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