日本産ホタテ販促で輸出量14倍、ゼロボードと米国際開発局が協力合意

日本産ホタテ販促で輸出量14倍、ゼロボードと米国際開発局が協力合意

公開日 2024.05.13

日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所は5月4日、日本産ホタテのメニュー提案会「JAPAN PREMIUM HOTATE ~From HOKKAIDO Ocean to your Table~」を開催した。日本の農林水産省と在タイ日本国大使館も協力、訪タイ中だった坂本哲志農林水産相も参加した。日本産ホタテをめぐっては、中国の水産物輸入停止措置により輸出先の多様化が求められる中で、ジェトロは2023年度にタイ国内の輸入業者、飲食店、小売店と連携した日本産ホタテのPRキャンペーン「HOTATE Festival」を展開。キャンペーン期間中(2023年11月~2024年3 月)のタイ向けのホタテ輸出は、輸出量で前年同期比14 倍、輸出額で同2.3倍に急増した。

日本産ホタテのメニュー提案会「JAPAN PREMIUM HOTATE ~From HOKKAIDO Ocean to your Table~」の様子

今回のメニュー提案会には、日本産ホタテに関心のある輸入業者、飲食店、小売店やインフルエンサーなど100人以上が参加。また昨年12月に日本産ホタテをテーマに開催された「IRON CHEF Thailand」(料理の鉄人)に出演したChef R(ティーラパット・ティーヤスントラノン)氏も参加し、タイ料理、イタリア料理、日本料理のオリジナルメニューを披露した。

坂本農水相は日本産ホタテの魅力を「多国籍の料理に活用できる」「地方への販売網が広がることに期待している」とアピールした。またこの日、タイ輸出支援プラットフォーム総会が開催され、「日本産水産物の販売網拡大プログラム」の説明があり、「2025年までにホタテ貝のタイ向け輸出額24億円にするという目標を前倒しして2024年までに達成するために、当初の予算額に約1500万円が追加されたことが報告された。


温室効果ガス(GHG)排出量の算定サービスを手掛けるゼロボードは、米国際開発局(USAID)の東南アジアスマートパワープログラム(SPP)とクリーンエネルギーの導入・普及を共同で推進し、温室効果ガス排出量を削減、東南アジアでの産業の持続可能な発展に貢献することを目的としたLoC (Letter of Cooperation)を締結したと発表した。USAIDとのLoC締結は日本企業で初めてという。具体的には東南アジアの工業団地、ホテルチェーン、製造業などに対しゼロボードのGHG排出算定・可視化クラウドサービス「Zeroboard」の導入を行うとともにUSAID SPPの専門的知見による脱炭素化戦略に関する技術支援とコンサルティングサービスを提供することで、クライアントの脱炭素化を支援していくとしている。

USAID SPPは、東南アジアのエネルギー貿易を拡大し、クリーンエネルギー技術の展開を加速することで、地域のエネルギーシステムの脱炭素化と強化を図る5年間のプログラムで、具体的には2000メガワット(MW)の先進的エネルギーシステムの導入、クリーンエネルギーファイナンスに20億ドルを投資、地域のエネルギー取引の5%増に貢献することを目指している。


英エコノミスト誌5月4日号は、4月25日~5月4日に開催され世界的に注目を集めた北京国際モーターショーについてビジネス面で取り上げている。タイトルは「中国EVメーカーは西欧のライバルを圧倒した」というもので、このニュースの注目度と比べると、あっさりした内容だ。

同記事は、「北京の道路と展示会場ブースの自動車の大半は電気自動車(EV)だ。中国ブランドと、華為技術(ファーウェイ)と小米科技(シャオミ)という自動車より携帯電話で知られる中国のIT大手が、かつて中国市場を支配していた外国(自動車)メーカーを押しのけつつある」とした上で、中国の自動車メーカーは、新型車をより迅速に、より安価で発売しつつあるなど既に広がっている認識を淡々と伝えた。さらに、中国が大手の吉利汽車(Geely)と中国IT大手百度(バイドゥ)の合弁の新興EVメーカー「極越(JIYUE)」が音声コマンドとタッチスクリーンで完全にコントロールできるスタイリッシュなサルーンを発表し、国内外で3万ドルで発売すると紹介。さらに、話題のシャオミの「SU7」も同じ価格水準で販売され、1カ月で7万台を受注したと伝えている。

一方で、売上高と利益のかなり部分を中国に頼ってきた欧米企業は追いつくのに必死だと強調。特に昨年、販売台数で比亜迪(BYD)に抜かれたドイツのフォルクスワーゲンは、EVの販売比率をより迅速に30%まで引き上げ、価格も40%以上引き下げるという新戦略を発表したと紹介した。しかし、その戦略はEV専業の小鵬汽車(Xpeng)などの中国のパートナー企業との協業に依存していると冷ややかに論評している。さらに、4月28日には、米テスラのイーロン・マスク氏が北京を訪問し、中国での自動運転実現に向けバイドゥの地図データを購入することで合意した話も伝えている。

THAIBIZ編集部

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