カテゴリー: 組織・人事
公開日 2014.10.27
ワーカー人員の確保と定着、生産稼働率の向上は、多くの在タイ日系製造企業が抱える課題のひとつです。また「タイ+1」として隣国へ進出した際の、現地スタッフのリーダーとなる人員を育成するという戦略的視点から、ミャンマー・カンボジア・ラオス人の登用に注目が集まっています。
前回は、これら3ヵ国のワーカーの特徴や、雇用する側が心得ておくべき事柄についてお話しました。
連載スタート時から繰り返しお伝えしていますが、短期間で出稼ぎに来る外国人ワーカーは進んで残業を受け入れる、仕事を覚えられれば高い定着率で安定した戦力になるなどのプラス面があります。しかし、初めて外国人ワーカーを雇用する場合は心配事も多いはず。
今回は、懸念されるネガティブ要因の把握のため、よくあるトラブルとその解決方法について、いくつか事例をご紹介します。
当社でご紹介させていただくワーカーは、ミャンマー、カンボジア、ラオスそれぞれの国の提携エージェントにおいて労働許可証(ワークパーミット)と就労ビザを取得し、いざ働かんと来タイします。地元から出てきたばかりのワーカーのなかには、「給与が出るまでの生活費がない」と、雇用主へ借金を申し込む場合があります。
この場合、給与から天引きすることで対応できますが、トラブル回避のためにも借用書を作り、事実確認ができるようにしておくことが大事です。使用目的は基本的に食事ですので、貸出額は1週間あたり1000バーツほどが通常です。
異なる言語が原因で、現場のタイ人班長などと意思疎通が十分に取れず、トラブルへ繋がる場合があります。この場合、双方の国の言語を話せる当社のスーパーバイザーが両者の言い分を聞き、解決方法をご提案します。
この問題は必ずしも現場で起きるとは限らず、たとえ普段から様子を見るよう心掛けていても、欠勤ワーカーの様子を家に見に行った際、ヒアリングをしてはじめて発覚するようなケースもあります。ワーカーの定着と生産性向上のためにも、重要度の高い問題です。
水洗トイレの使用経験がないワーカーのために、トイレに使い方の図解を示している工場も多いようです。また、タイへ来るまでは農業に従事しており、会社勤め自体が初めてというワーカーもいますので、就業規則はひとつひとつ、根気よく説明して、規則に則った行動を取るという概念を教える必要があります。
このほか、残業が期待していたよりも少ない、担当部署の配置が合わないなどが理由のトラブル例が挙げられますが、大抵、継続して勤められないワーカーは、雇用主が努力して解決し、信頼関係を築く前の時点で辞めてしまうものです。その場合はほかの人員を充てることになりますが、当社ではこれらの問題もスーパーバイザーが一緒に解決いたします。
3ヵ国のワーカーは宗教面でのトラブルなどはなく、賃金上もまだまだ需要に応じられるだけの供給力が確保可能です。労働力確保のための有効な手段として、お気軽にご相談ください。
糸永里美 Satomi Itonaga
HUMAN ASIA RECRUITMENT CO., LTD. マネージャー
マレーシアに本社を置く同社タイ法人で、外国人ワーカー派遣・人材紹介を専門に担当。
タイ在住13年。日々、タイ国内の企業や工場を数多く訪問している。
THAIBIZ編集部
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