カテゴリー: ニュース
公開日 2024.06.17
6月13日付バンコク・ポスト(ビジネス4面)が12日から始まった新PDPに関する公聴会でのタイ・エネルギー省筋の話として伝えたところによると、今年第3四半期までに策定される予定のタイの最新の長期電源開発計画(PDP、2024~2037年)では、今後13年間で年間発電量は11万2400メガワット(MW)に達する見通しだ。2023年の発電量は5万3868MWで、約80%が化石燃料由来、残りが再生可能エネルギー由来だった。新PDPでは国営タイ発電公社(EGAT)の発電シェアは現在の29%から17%まで低下する見込み。
EGATはかつては国内最大の発電事業者だったが、発電市場への新規参入が認められたことを受けて、民間発電会社の発電量が拡大する見通しだ。新PDPは再生可能エネルギーの比率を51%まで引き上げることを目標にしており、その主力は太陽光発電で、風力、バイオマス、バイオガス、浮体式太陽光、廃棄物、小水力、地熱などが続く。
一方、エネルギー省のプラサート次官は、企業が再生可能電力を発電事業者から直接購入できる電力購入契約(PPA)のパイロットプロジェクトを年内に実施するとの方針を明らかにした。発電会社は現在、再生可能エネルギーの電力をEGATや配電公社に販売することが義務付けられており、彼らの送電網を通じて民間企業や一般家庭に配電されている。
6月14日付バンコク・ポスト(ビジネス3面)によると、タイのエネルギー各社は13日、新PDPに関する公聴会の2日目の討議で、最新PDPにおける天然ガスと石炭を原料とする発電量の削減目標は2050年までのカーボン・ニュートラルの達成には不十分だとの認識を示した。新PDPでは発電量のうち再生可能エネルギーの比率を51%、化石燃料由来を約48%、残り1%を原子力などの新エネルギーにするとしている。しかし、エネルギー各社は化石燃料由来の電力の比率は依然高く、二酸化炭素(CO2)排出削減には十分ではないだろうと指摘。新PDPでは、昨年は57%だった天然ガス由来の電力の比率を2037年までに41%まで低下させ、さらに昨年20%だった石炭由来の電力を7%まで削減することを目指している。タイ工業連盟(FTI)は太陽光、バイオマス、バイオガス由来の電力を拡大するよう政府当局に求めている。
6月14日付バンコク・ポスト(ビジネス3面)によると、タイ中古車協会のウィチャイ会長は、厳格な融資基準に関する議論を受けて、金融サービスプロバイダーが中古車の購入予定者に対する融資基準を緩和する可能性があり、今年下半期には中古車市場は回復するだろうとの見通しを明らかにした。同会長は「われわれは、新車、中古車を含め全自動車部門に影響を及ぼす銀行や金融業者と融資について話し合った」とした上で、これら金融機関は車の品質を協会が認証すれば、中古車の購入者に対する融資条件を緩和することに同意したと述べた。
タイ国内には現在、中古車を販売する地場および外資系の企業が400~500社あり、これらの大半は中小企業だ。2023年には、購入者に対する融資額の減少、消費者購買力の低下、景気減速、そして電気自動車(EV)販売の増加を背景にこれらの企業の10%が廃業したという。特にタイ市場へのEVメーカーの大量参入で価格競争が激化、消費者がさらなる価格低下を期待して自動車購入を遅らせる中で、タイ国内の新車、中古車市場に悪影響を与えた。
英エコノミスト誌6月8日号の巻頭記事は、5日開票が終了したインド下院総選挙で、ナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)を中心とする与党連合が小選挙区543議席の過半数を確保して勝利したものの、議席数が当初予想を大幅に下回ったことを取り上げている。主見出しは「インドのデモクラシーの勝利」で、副見出しは、「ショックだった選挙結果は、最終的にはインドを良い方向に変革するだろう」というもの。
同記事は冒頭で、「世界最大の選挙は民主主義がいかに不可侵の政治エリートを叱り、権力の集中を制限し、国の命運を変えることができるかを示してくれた」と要約している。当初、モディ氏の地滑り的勝利が予想されていたが、BJPが単独過半数を獲得できず、連立に追い込まれた。同記事は、この結果はモディ氏の「インド刷新」プロジェクトを一部脱線させるが、インドを良い方向に変えることも約束すると指摘。その上で、「この結果はインドが独裁政治に陥るリスクを低減し、民主主義を強化する。もしモディ氏が前向きに適応するなら、急成長を持続させることができ、改革への新たな道筋が開かれるだろう」と助言している。
THAIBIZ編集部
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