東京都発!タイの日常に広がる「食」の技術 〜タイ企業の開発ニーズを起点に、実際のビジネスへとつなぐ伴走型マッチング支援「TOKYO FOOD TECH」〜

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東京都発!タイの日常に広がる「食」の技術 〜タイ企業の開発ニーズを起点に、実際のビジネスへとつなぐ伴走型マッチング支援「TOKYO FOOD TECH」〜

公開日 2026.11.02 Sponsored

タイのコンビニやスーパーマーケットに並ぶ、身近な食品。その裏側には、実は東京の中小企業が持つ技術が生かされているのを知っているだろうか。こうした商品化を支えているのが、東京都中小企業振興公社(以下、Tokyo SME)の食品ビジネス支援プロジェクト「TOKYO FOOD TECH」だ。タイ企業のニーズを掘り起こし、東京の技術とつなぎ、商談が動き出した後も伴走を続ける。10月27日・28日に開催された商談会を通じて、単なる企業紹介で終わらず、実際の取り引きにつなげていくマッチング支援の実像を追う。

タイ有力食品企業10社の課題に、日本企業33社が挑む

Tokyo SMEは10月27日と28日、バンコクで「TOKYO FOOD TECH 商談会2026」を開催した。参加したのは、ベタグロやオソサファ、タイ・ユニオン・グループなどタイの有力食品企業10社と、日本企業33社。タイ企業側からは、機能性原料や食感・品質改良剤、環境配慮型・高機能性包材、賞味期限の延長や自動化設備など、高付加価値型商品開発や生産現場で抱える具体的な課題があらかじめ提示され、それに応える技術を持つ日本企業との個別商談が行われた。

TOKYO FOOD TECH 商談会2026の様子(左)、参加したオリザタイランドのマネージングダイレクター、坂本則子氏(右)

「Tokyo SMEの商談会では、毎回『まさにピンポイントで会いたい』と思っていた大企業のキーマンとマッチングしていただける。われわれのような中小企業では担当者までたどり着くのが難しい企業とも商談でき、その後も進捗確認やフォローアップをしていただけるので心強い」と、マネージングダイレクターの坂本則子氏は話す。

今回の商談会は、食品ビジネス支援プロジェクト「TOKYO FOOD TECH」の一環だ。東京の企業が持つ食品技術を生かし、タイ企業の商品開発や高付加価値化につなげている。

実際、同プロジェクトからはすでに、タイの身近な売り場に並ぶ商品も生まれている。

実はタイのコンビニにも並ぶ、東京の技術

例えば、タイのセブンイレブンで販売されているラザニアにも、東京企業の技術が使われている。

きっかけは、タイの食品メーカーから、既存のラザニアについて「チーズの風味をより良くしたい」「調理に時間がかかる点を改善したい」という相談がTokyo SMEに寄せられたことだ。食品加工技術を持つ東京企業とのマッチングを経て開発が始まり、数年にわたる試作の末、2024年に改良商品が完成。セブンイレブンでの販売好調を受け、日本企業側は新たに生産設備を導入し、次の商品開発にも話が広がっているという。ラザニアを展開するタイ食品メーカーの売上高は、この2年で約2.5倍(数億バーツ)へと急拡大した。

レオズ・デリのラザニアシリーズ(写真:THAIBIZ編集部が撮影)

こうした商品化や成約の事例は150件以上にのぼり、日本の機能性素材や香料を使った商品も、タイのコンビニやスーパーマーケットに並んでいる。「実は、われわれがサポートした技術が入っている商品はたくさんある」と、TOKYO FOOD TECHのコーディネーター、チョムプーヌッ・セーラウ(イン)氏は話す。

ここで注目したいのは、商品開発やビジネスマッチングの土台が、企業同士が顔を合わせる前からつくられていることだ。 冒頭の10月の商談会も、その4ヶ月以上前から準備が進められていた。

4ヶ月前から始まっていた、マッチングの“仕込み”

その準備の一つが、6月にバンコクで開かれた「TOKYO FOOD TECH 2026 セミナー」だ。最新の日本食品トレンドに関する基調講演や日本企業による技術紹介を通じて、タイ企業に新しい東京の食品技術を知ってもらい、「自社の商品にも使えるのではないか」と、新たな商品開発のニーズを引き出した。

TOKYO FOOD TECH 2026 セミナーの様子
TOKYO FOOD TECH 2026 セミナーの様子

TOKYO FOOD TECH 2026 セミナーの様子

TOKYO FOOD TECHプロジェクトでは、タイ食品企業が抱える具体的な商品開発・生産現場の課題を起点に、必要な技術を探していく。「食感を改善したい」「機能性を加えたい」「賞味期限を延ばしたい」といったタイ側のニーズを把握し、そこに合う日本企業とのマッチングにつなげる。ニーズにあった企業のみが商談に進むため、最初から具体的な話ができるというわけである。

なお、タイ食品企業のニーズは、セミナーだけでなく、Tokyo SMEが企業訪問や幹部層へのヒアリング、過去に支援した企業からの相談などを通じて、泥臭く集めているという。その結果、タイの有力食品企業100社以上とのネットワークを持ち、これまでに集まった食品開発等のニーズは500件以上。「今年はこんな商品を開発したい」「リニューアルに向けてこんな素材を探している」といった声を継続的に拾っている。

さらに、清水翔太所長によると、集まったニーズは「専門的な仕様・数量・商流などの条件までブレークダウンし、実際の取り引きにつながるレベルまで数ヶ月かけて徹底的にヒアリングする」という。

ここまでが、商談の前段階だ。集めたタイ食品企業の課題をもとに、次はその解決策を提案できる日本企業を絞り込んでいく。

Tokyo SMEの清水翔太所長(左)、コーディネーターのチョムプーヌッ・セーラウ(イン)氏(右)
Tokyo SMEの清水翔太所長(左)、コーディネーターのチョムプーヌッ・セーラウ(イン)氏(右)

「売りたい」だけでは、商談できない

タイ企業のニーズが集まると、次はその課題に応えられる日本企業を探す。10月の商談会でも、日本企業は単に商談を希望するタイ企業を選ぶのではなく、「どの企業の、どの課題に対して、自社の技術で何を提案できるのか」まで事前に提出した。

その内容をもとに、企業の資料やホームページ、必要な認証などを確認し、日本企業を絞り込み、最終的にタイ食品企業側が商談相手となる日本企業を選定する。技術があるだけでなく、タイ企業が抱える課題に対して、実際にどんな提案ができるのかまで見ていく。 

「名刺交換の場を提供しているのではない。一つの案件について、具体的に商談する時間をつくっている」と瀧上副所長は話す。タイ企業の課題を掘り下げ、そこに合う技術を探し、提案内容まで確認して商談を組む。10月の会場で交わされていた具体的なやり取りは、企業同士が会う前からここまで準備されていたから実現したのである。

Tokyo SMEの瀧上和宏副所長

商品化を阻む“日タイのズレ”を越える

商談を終え、双方が前向きでも、そこから話が止まることがある。

「買いたいと言っているのに、なぜ見積もりが来ないの?」。イン氏は、タイ企業からそんな相談を受けることがあるという。日本企業側では、取引条件や相手企業との信頼関係を確認しながら、慎重に取引を進めることも多い。しかし、そうした日本特有の商習慣や判断の背景は、タイ企業にはなかなか見えにくい。

そこでイン氏らTokyo SMEのスタッフが間に入り、「日本企業はなぜすぐに見積もりを出さないのか」「何を確認してから次へ進もうとしているのか」をタイ側に丁寧に説明する。一方、日本側には、タイ企業が何を求め、どこまで具体的に購入を検討しているのかを伝える。双方の考え方や仕事の進め方まで共有し、次のアクションにつなげていく。

商品開発が進めば、工場でのテストにも関わる。食品ならレシピや味、食感を確認し、機械なら商品の大きさや粘度、設置スペースなども一つずつ詰めていく。途中で進まなくなれば、どこに課題があるのかを探り、提案内容を調整する。こうしたやり取りが1年以上続く案件もあるという。 

「食品の市場は競争が激しく、開発が永遠に終わらない。だからこそ、この仕事はおもしろい」とイン氏は話す。ひとつの商品が形になれば、また次の商品開発が始まり、新たな課題やニーズが生まれる。タイのコンビニやスーパーマーケットに並ぶ商品の裏側では、東京の技術とタイ企業のニーズをつなぎ、商品として市場に届くまでの仕事が今も続いている。


(公財)東京都中小企業振興公社 タイ事務所

東京都の中小企業・スタートアップ向けに海外展開支援を行う公的機関。タイ事務所では市場調査から現地企業とのマッチング、各種専門家相談まで幅広い支援を無料で提供している。

Website:https://thai.tokyo-sme.com
E-mail:[email protected]
TEL:02-611-2641

THAIBIZ編集部
和島美緒

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