サステナブル関連の展示会、バンコクで続々開催~ASEW2025 / SITE2025

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サステナブル関連の展示会、バンコクで続々開催~ASEW2025 / SITE2025

公開日 2025.07.14

持続可能な社会の実現に向けて、「サステナブル」はタイのビジネスにおいても不可欠なキーワードとなっている。バンコクでは近年、サステナブル分野に関連する大規模展示会が次々と開催されており、タイ国外からの来場者も多く見受けられ、その注目度の高さがうかがえる。

今回は、7月2〜4日に開催された「Asia Sustainable Energy Week 2025(ASEW 2025)」および、7月4〜6日に開催された「Startup x Innovation Thailand Expo 2025(SITE 2025)」の様子を紹介する。

Asia Sustainable Energy Week 2025

インフォーマ・マーケッツ・タイランドは7月2〜4日の3日間にわたり、クイーンシリキット国際会議場(QSNCC)にてASEW 2025を開催した。ASEWは、持続可能なエネルギーのソリューションと技術に特化した、ASEAN地域を代表する大規模展示会だ。

「Renewable Energy Asia(再生可能エネルギー)」、「Energy Efficiency Asia(省エネルギー)」、「Energy Storage Asia(エネルギー貯蔵)」の3分野において、ソリューション技術や製品、サービスを持つ約400社が出展。さらに、第一線で活躍するリーダー等が登壇する数々のカンファレンスも行われた。

7月2日に開催された「持続可能で低炭素な未来に向けたデジタルソリューションの活用」をテーマとするカンファレンスでは、タイ電気自動車協会(EVAT)が、タイがASEANにおけるEVハブとしての地位を確立するための課題と機会を整理した。また、タイエネルギー貯蔵技術協会(TESTA)は、アジアの持続可能なエネルギー社会の実現に向けて、DX(デジタルトランスフォーメーション)や安全性、ネットワーク構築の重要性を指摘した。続くパネルディスカッションでは、エネルギー分野における様々な立場のスピーカーが登壇し、持続可能な未来を支えるデジタルソリューションの可能性等について多角的に議論が交わされた。

カンファレンスの様子(撮影:THAIBIZ編集部)
カンファレンスの様子(撮影:THAIBIZ編集部)

展示会スペースでは、ジェトロ・バンコク事務所によるJETROパビリオンに日系企業計9社が出展。各社がカーボンニュートラルに向けた最新技術やサービス等を展示した。

温室効果ガス(GHG)排出量算定・可視化ソリューション「Zeroboard」の開発・提供等を行うZeroboard (Thailand) Co., Ltd.(ゼロボード・タイランド)と共同出展したNagase (Thailand) Co., Ltd.で新規事業開発を担当する松本匡広氏は、「GHG排出量の可視化に続く次ステップは、排出量を削減するための具体的な施策検討だ。当社はサステナブルな新素材および新技術の情報を収集し、お客様に紹介している。ゼロボート・タイランドと提携することで、シームレスなサステナブル支援が可能だ」と訴求した。

ゼロボード・タイランドと長瀬産業タイの共同ブース(撮影:THAIBIZ編集部)

世界省エネルギー等ビジネス推進協議会(JASE-W)によるJAPANパビリオンでも、日系企業計9社が出展。同パビリオンに参加した高砂熱学工業株式会社は、冷気は下降し暖気は上昇する原理を利用した独自技術を応用した空調システム「TCR-SWIT®(ティーシーアールスウィット)」を持つ。同社の国際グループ事業部 技術部 担当課長の関川肇氏は、「6月30日、タイの設備関連企業3社の株式を取得した。今後は各社のノウハウを連携させて、空調設備を核としたカーボンニュートラル事業の確立を目指す」と説明した。

Startup x Innovation Thailand Expo 2025

タイ国家イノベーション庁(NIA)は7月4〜6日に、バンコク都内の大型商業施設サイアム・パラゴンでSITE 2025を開催した。今年は「国際イノベーション・パートナーシップ – AIと持続可能性:イノベーションの次の時代」というコンセプトのもとで、タイのスタートアップと国際的なネットワークを戦略的につなげることで、タイをASEANのイノベーション連携拠点にすることを目指した。

4日の開会式ではプラサート・チャンタラルアントーン副首相が登壇し、「政府は、人工知能(AI)や持続可能な技術、フィンテックなどの技術を重視し、インフラや法律、人材育成の推進により、スタートアップの長期的な成長につながるエコシステムを構築し、タイを『イノベーションの国』へと発展させることに注力している」と述べた。

また、NIAのディレクターであるクリットパカー・ブンフアン博士は「NIAは、Groom(育成)、Grant(助成金)、Growth(成長)、Global(グローバル)という4Gのコンセプトに基づき、タイのイノベーションの国際展開を後押ししている。特に、国際的な協力関係を構築することで、タイのスタートアップ企業が持続的に成長し、世界的な競争力向上に向けた支援を行っている」と明かした。

出展スペースでは、廃棄物管理ソリューションと革新的なサステナブル素材を提供するタイのスタートアップRewastec社が、稲わらや竹の葉、コーヒーかすなどの農業廃棄物から開発した再生プラスチックペレットを紹介していた。また、廃水問題を解決するためのイノベーションを提供するタイのスタートアップINC SQUARE社は、自然由来の素材から作られたフィルターペレットと植物を使用した、水上廃水処理システム「フローティング・ウエットランド」を展示。同システムを運河や池に浮かべて設置すると、水がフィルターや植物の根でろ過されて、水源の汚染を軽減できるという。

同イベントには日本、韓国、香港、シンガポール、フィンランド、スウェーデン、チェコ、ハンガリー、スイス、カタール、チリなど世界11カ国のパートナー国が参加し、300以上のブースが出展した。

THAIBIZ編集部

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