最新記事やイベント情報はメールマガジンで毎日配信中
公開日 2026.02.27
2月16日付のクルンテープ・トゥラキットによると、タイ貢献党主導の政権が、総額9,900億バーツ規模の南部「ランドブリッジ」計画を本格的に進めるという。タイ湾とアンダマン海を結ぶこの大型物流プロジェクトは、太平洋とインド洋を結ぶ戦略拠点を目指す。

当初1兆1,900億バーツ規模だった計画は、コロナ後のインフレや金利上昇などを受けて見直され、投資額は9,900億バーツに縮小。第1期の港湾処理能力も600万TEU(20フィート換算単位。国際標準サイズの20フィートコンテナ1本分を1単位として数える)から400万TEUへ調整されたが、最終的には2,000万TEUを目標とする。
現在、政府は南部経済回廊法(SEC法)およびランドブリッジ基金設立の法整備を急ぐ。運輸省は、新政権4年以内に入札を官民連携(PPP)投資モデルで実施し、50年コンセッション契約を想定で民間参画を実現できると見込む。
同紙によると、すでに中国港湾大手のチャイナ・ハーバー・エンジニアリング、ガルフ・エナジー・デベロップメント、物流大手DPワールド、三井物産、サハタイ・ターミナル、韓国海運大手のHMMなど国内外企業が関心を示しているという。本計画は国家20年戦略および第13次国家経済社会開発計画と整合し、タイを東南アジアの物流ハブへ押し上げる狙いだ。
南部では、併せてサムイ島連絡高速道路(740億バーツ規模)もPPP投資モデルで推進中。南部経済圏の再構築という視点においては、今後、SEC法成立と基金設立のタイミングに注目が集まる。
KDDIタイランドは2月11日、デイリーテック社とタイにおけるクラウド化促進を目的とした協業の基本合意書を締結したことを発表した。
背景には、タイ政府が推進するクラウドファースト政策と、昨年1月のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)タイ拠点開設がある。デイリーテック社は「AWSパートナーオブザイヤータイランド」を3年連続受賞しており、金融、製造、小売など幅広い業界で導入実績を持つ。
KDDIは子会社のテレハウスタイランドにAWSのダイレクト接続拠点を設置し、低遅延かつセキュアな接続環境を提供している。両社は、データセンター、ネットワーク、システムインテグレーションを組み合わせ、日本企業および現地企業向けにAWS活用支援を行うとしている。
2月16日付のバンコク・ポストによると、2月8日の総選挙後、外国人投資家がタイ株式・債券を買い越しに転じ、バーツは今週1ドル=30.93バーツまで上昇、2週間ぶりの高値を付けた。9〜12日の4日間で、外国資金は合計328億バーツ流入した。
カシコン・リサーチは、この水準は過去の選挙後と比べても高く、新政権の安定性と政策継続への期待が背景にあると分析する。過去の2011年、2019年、2023年の選挙前後も、外国資本の動きは政治情勢と金融政策に大きく左右されてきた。
ただし、外部環境は依然不安定だ。米国株、とりわけ人工知能(AI)関連銘柄の調整や金価格の変動を受け、バーツは一時反落した。今後は1ドル=30.90〜31.20バーツのレンジ内での推移が見込まれる。
資本フローの行方は、新政権の安定性、財政姿勢、公的債務の持続可能性、そして世界金融市場の動向に左右される。選挙後の楽観ムードはあるものの、為替は依然として外部要因に敏感な状況が続く見通しだという。
2月8日付のクルンテープ・トゥラキットでは、中国電気自動車(EV)の拡大がタイ部品産業にもたらす構造的課題を伝えている。
タイ工業連盟(FTI)は、中国EVメーカーのサプライチェーンにタイ部品メーカーがほぼ参入できていないと明らかにした。中国系メーカーは自国サプライヤーをタイに進出させ、コスト競争力で優位に立つため、タイ企業のシェアはほぼ0%にとどまる。
一方で、中国EVの増加による部品業界への影響は現時点では限定的だ。日系メーカーによるハイブリッド車(HEV)生産が依然として主力であるためだ。昨年のタイ自動車総生産146万台のうち、 中国系は11万台にとどまり、135万台を占める非中国系(主に日系)がHEVへ移行し、今年の自動車総生産も約150万台で、横ばいから1〜2%増を予測。これが移行期の下支えとなっている。
FTIは加盟する自動車部品メーカーの自動車依存脱却に向け、医療機器、航空機部品、鉄道、ロボット、アフターマーケットの5分野への転換を促しているが、それらの新分野売上はまだ全体の5%未満にとどまっている。
EV化が進む中、タイ部品産業は「中国EVには入れないが、日本HEVが時間を稼ぐ」構図にある。技術転換の猶予期間をどう活用するかが問われている。

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 和島美緒

「9,900億バーツ規模のランドブリッジ計画、再始動へ」「KDDI、デイリーテック社とAWS活用で協業」
ニュース ー 2026.02.27

東京公社バンコク事務所と都産技研バンコク支所が10周年 日タイスタートアップのピッチイベント開催 〜AI・DX・GXでタイの産業高度化を促進〜
スタートアップSponsered ー 2026.02.23

日本食、店舗数が初の減少 ~市場成熟で専門性と体験価値が鍵~
食品・小売・サービス ー 2026.02.20

2026年、在タイ日系企業は何に挑むのか〜アンケート結果で見えた「次の一手」
ビジネス・経済 ー 2026.02.19

部品大手、EV恩恵まだ軽微 ~生産規模小さく、販売会社は増益~
自動車・製造業 ー 2026.02.13

どうなる? 変わるタイ経済2026
対談・インタビュー ー 2026.02.10
SHARE