26年のEV販売、25%増予測〜車業界決算(上)燃油価格が左右〜

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26年のEV販売、25%増予測〜車業界決算(上)燃油価格が左右〜

公開日 2026.03.20

【NNA掲載:2026年3月10日】

タイ証券取引所(SET)に上場する自動車関連企業の2025年通期決算が出そろった。増収は16社中3社、増益・黒字化は10社となった。タイ市場は自動車生産台数が3年連続で前年割れだったが、新車販売は3年ぶりにプラスだった。過去最高益を記録した自動車販売関連事業の持ち株会社ミレニアム・グループ・コーポレーション(アジア、MGC=アジア=)は、成長のけん引役の電気自動車(EV)市場が今年は25%伸びると予測。中東紛争で燃油価格が上昇すれば上振れする可能性もあるとみる。

ミレニアム・グループ・コーポレーション(アジア)は販売代理店を手がける
中国新興EVのXpengが新たな収益源となっている=2025年12月、ノンタブリ県(NNA撮影)

16社のうち、売上高が最大だったのは部品大手アーピコ・ハイテックで、前年比3.1%減の261億7,000万バーツ(約1,300億円)だった。純利益はMGC(アジア)の8.8倍の12億8,000万バーツが最高。

16社合計では、売上高が4.1%減の822億1,000万バーツ、純利益は4.5倍の37億7,000万バーツとなった。

タイの25年の自動車生産台数は0.9%減の145万5,569台で3年連続のマイナス。新車販売台数は8.5%増の62万1,166台で、3年ぶりにプラスだった。

高級EV好調で過去最高益

「この1年間はEVに注力してきた」。MGC(アジア)のサンハウット最高経営責任者(CEO)は5日に開いた事業説明会でこう述べた。

同社はこれまで、ドイツのBMWやホンダのディーラーを中核とする自動車販売事業、アフターセールス事業、自動車レンタル、金融・データセンター事業などを手がけてきた。25年8月に国営石油PTT傘下のアルン・プラスとの共同出資会社で、中国の新興EVブランド「Xpeng」の輸入販売などを手がけるネオ・モビリティー・アジアの株をアルンから買い取り、出資比率を99.9%に引き上げた。

その結果、MGC(アジア)の新車販売事業は14.5%増の167億6,900万バーツに拡大。販売台数は34.1%増の1万1,814台だった。同事業の売上高全体(224億8,000万バーツ)に占める割合は74.6%となり、24年の72.0%から上昇した。新車販売事業の内訳は◇BMW系列(BMW、MINI、BMWモトラッド)=57%◇Xpeng=18%◇ホンダ=14%◇中国の吉利汽車傘下の高級EVブランド「ZEEKR」=5%◇英高級車「ロールス・ロイス」=5%――などとなった。

サンハウット氏は「Xpengの販売と顧客基盤は日々拡大している」と強調した。

タイ運輸省陸運局のデータでは、25年のXpengの新規登録台数は2,783台、ZEEKRは2,668台だった。

EV市場の伸び続く見通し

サンハウット氏は26年のタイのEV市場について、前年比25%増の15万台と予測した。新車市場自体は65万台程度と緩やかな伸びを見込むが、EV市場の高成長は続くとの見方だ。

電動車市場の動向については、カシコン銀行系調査会社カシコン・リサーチセンターも9日、拡大の予測を発表。26年の新車市場全体は約62万台と前年並みの水準にとどまるものの、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)の販売は前年比約28%増の約18万台に拡大する見通しを示した。これに伴い販売網にも変化が生じ、中国系ブランドのディーラー数は約10%増える一方、日系や欧米系のディーラーは約4%減少するとみている。

また、サンハウット氏は中東情勢の影響にも言及。原油価格が1リットル当たり40~45バーツに急騰した場合には、EVへの関心が現在よりも大幅に高まるとの見解を述べた。

XpengとZEEKRの26年1~2月の新規登録台数は計1,751台となり、日系のマツダ(1,680台)、日産自動車(1,677台)、スズキ(1,083台)を上回っている。

MGC(アジア)は現在、タイ、ラオス、マレーシアに計130店のディーラー網を持つ。アフターセールス拠点は44カ所、修理スペースは331カ所ある。

ホンダディーラー、整備事業で稼ぐ

ホンダのディーラーとアフターセールス事業を手がけるオートコープ・ホールディングは、新車販売が振るわなかったものの、アフターセールスが堅調だったことから、減収増益となった。増益幅は57.2%と大きく伸びた。

部門別の売上高は、車両・アクセサリーが22.1%減の6億4,100万バーツだった一方、アフターセールスが5.4%増の6億8,000万バーツとなり、車両・アクセサリー販売を上回った。

オートコープは、整備事業では価格戦略の見直しなどで1台当たりのサービス収入が13.9%増加したと説明した。

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